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ポンコツと蔑まれた冒険者は最強クランをつくる  作者: ぽとりひょん
第5章 誕生セクメト・クラン
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第9話 セクメト・クラン出発

 セクメト・クラン設立から1カ月、フィンがメンバーの装備を完成させる。みんなは体にぴったりの防具と手になじむ武器の出来上がりに驚く。

 みんなが礼を言うとフィンは答える。

 「グリムを討伐して戻ってきてくれ。そうすれば俺も名が売れる。頼むよ。」「分かっている。フィンの作る物が一流だと証明してやるよ。」

アロイスがフィンに笑顔で言う。

 これで遠征の装備が全て揃ったことになる。アルノーは、やっとここまで来たと胸がいっぱいになる。だが、本番はこれからだ。感傷に浸るのには早い。

 セクメト・クランのリーダーになったエアハルトがみんなに言う。

 「僕たちの初めての冒険が始まる。目標はグリムの討伐だ。成功させてセクメト・クランの名をゴルドベルクに響かせよう。」「いいぞー」「やろうぜ。」

メンバーの士気は高い。エアハルトの言葉を聞いていたベアトリスが近づいてきてエアハルトに言う。

 「グリム討伐を完遂してください。世界は英雄の誕生を待っているわ。」「僕は最高の冒険者になりたいけど英雄は荷が重いよ。」

 「エアハルトさん、そんなことありませんよ。私を信じてください。」「は、はい。」

エアハルトはベアトリスに手を握られてどぎまぎする。それを見ていたエルメンヒルトとアルマの目が冷ややかになる。

 アロイスはそんなエアハルトを見て、ポンコツと言われていたのはこの前なのに今は一流の冒険者だと思い。随分大きく育ったと感慨深くなる。

 デニスがアロイスの心を読んだように忠告する。

 「感動するのはいいが、これから地獄が始まるのだぞ。」「分かっているよ。だが、あの坊主が俺たちと肩を並べてダンジョンの化け物と立ち向かうんだぞ。」

 「ああ、すごいことだ。それに俺たちが再び冒険することになるとはな。」「俺たちは生き返ったんだな。」

アロイスとデニスは、2年前の挫折から立ち直れたのだと感じる。

 アルノーがエアハルトに代わって指示を出す。

 「これから冒険者ギルドに行く。今一度、装備を確認しろ。」「「「はい」」」

メンバーは声に出して装備品を確認していく。ポーターの荷物は多いため、他のメンバーが確認を手伝う。

 みんな、確認を終えると報告していく。アルマの装備の確認が終わって、全員の装備に異常がないことが判る。アルノーの指示で冒険者ギルドに向かう。

 ギルドに入るとイーリストリニティとアウロラクランのアルノーの元仲間たちが来ている。他の冒険者も無言だがセクメト・クランの出発を見送りに来ている。

 エアハルトは受付でアメリーに26階層探索の申告書を提出する。アメリーがエアハルトに言う。

 「とうとうこの時が来たのね。」「はい。行ってきます。」

 「アドバイスはできないけど、信じているから帰ってきて。」「もちろんです。僕たちはグリムを倒して戻ってきます。」

エアハルトは笑顔で言う。アメリーも笑顔を作ろうとするがうまくできない。相手は冒険者殺しの化け物なのだ。

 セクメト・クランはエアハルトとアルノーを先頭にダンジョンに入って行く。業火のアライダがセクメト・クランを評して言う。

 「対グリム戦用クランというところかしら。通用すればいいけど。」「通用するさ。あのポンコツはグリムの天敵だぞ。」

閃光のアルフレートが言うとアライダは不満だという態度で言う。

 「あの子、剣は使えるようだけど所詮はポンコツでしょ。」「いや、魔力なしでレベル5になった剣技の持ち主だ。ゴルドベルクに剣で奴に勝てる者がいるだろうか。」

 「アルフレート、あなたがいるでしょ。レベル7なのよ。」「私は勝てないだろう。」

 「グリムに負けて弱気になっているのね。」「そうではない。正しく評価しているつもりだ。」

 「実戦なら魔法も使えるから坊やに勝てるわよね。」「もちろんだ。」

アルフレートもアライダもエアハルトのスキル、アンチマジックのことを知らない。

 アウロラクランのケヴィンがアレクシスに言う。

 「アルノーの奴、格好をつけて討伐に行ったんだ。失敗は許さんぞ。」「素直に応援できないのか。」

 「俺は応援などしていない。見届けに来ただけだ。」「そういうことにしておくか。」

アレクシスは、アルノーが仲間の敵をとることを祈る。

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