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ポンコツと蔑まれた冒険者は最強クランをつくる  作者: ぽとりひょん
第5章 誕生セクメト・クラン
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第7話 アメリー勝負する

 デート当日、エアハルトはベアトリスと選んだ服を着る。食堂でアメリーを待っているとベアトリスが近づいてきて言う。

 「エアハルトさん、その服は私と選んだ服ですね。」「あっ、気に入りませんでしたか。僕、服のセンスがないものでベアトリスさんが選んでくれた服にしたんです。」

 「まあ、そうでしたか。今回は許しますわ。代わりに私ともデートしてくださいね。」「僕なんかでいいのですか。」

 「エアハルトさんだから良いのですよ。」「うれしいです。」

ベアトリスは微笑むと仕事に戻る。しばらくしてアメリーが食堂に入って来る。アメリーは、体にフィットした白いチャイナドレスのような服におろした髪は赤い細長い布に絡ませて束ねている。

 エアハルトはアメリーを見て固まる。アメリーの色香にあてられてしまっていた。アメリーが心配そうに言う。

 「おかしかったですか。」「いいえ、すごくきれいで言葉が出ませんでした。」

エアハルトの言葉にアメリーが顔を赤くしながら言う。

 「行きましょうか。」「はい。」

エアハルトが緊張でカチコチになりながらついて行く。ベアトリスは、食堂の奥でこそこそ隠れているエルメンヒルトに近づくと独り言を言う。

 「アメリーさん、勝負に出ましたね。今夜、エアハルトさんを落とすつもりですよ。」

エルメンヒルトは、驚く気配を殺していたのだ。普通の店員に気づかれるはずがない。ベアトリスは何者なのだ。ベアトリスはそのままの姿勢で目だけをエルメンヒルトに向けて言う。

 「このままでは、エアハルトさんをとられてしまいます。行動しなさい。」

エルメンヒルトはベアトリスに威圧される。レベル6の冒険者を威圧するなんて化け物かと考える。しかし、今は優先することがある。

 ベアトリスに対する詮索をやめて、エアハルトたちの後をつける。

 アメリーはすれ違う男たちの目を奪っていく。エアハルトはアメリーの色香にあてられて落ち着かない。エルメンヒルトが後をつけていくと声が聞こえてくる。

 「エアハルトの奴、このままじゃ、アメリーの言うなりだな。」「あの服は反則だよ。俺だって悩殺されるぞ。」

エルメンヒルトが横を見るとバッシュパーティーがいる。

 「アロイスさん、何しているの。今日は訓練をすると言ってましたよね。」「あっ、黒水晶か。いいのか、このままじゃ、宿にでも連れ込まれて終わりだぞ。」

 「良くありません。阻止します。」「だよな。アメリー嬢が大胆な行動をとるとは思わなかったな。」

エアハルトとアメリーはウインドウショッピングしながら町を歩いている。エアハルトは浮足立って、エルメンヒルトとバッシュパーティーが後をつけていることに気づいていない。

 昼になりアメリーの選んだしゃれたレストランに入る。アメリーは機嫌よく話をする。

 「この前まで駆け出しの冒険者だったのにもう一流の冒険者になるなんてエアハルト君はすごいわ。」「アメリーさんがいろいろ教えてくれましたから。」

 「私はアドバイスをしただけよ。」「僕はアメリーさんの忠告を守ったから死なずに済んだのです。」

 「まるでパートナーみたいね。」「そ、そですね。」

エルメンヒルトは、会話をムッとしながら盗み聞きする。エアハルト、何デレデレしているのよ。パートナーは幼馴染の私に決まっているでしょ。

 バッシュパーティーの面々は、受付嬢とデートして楽しい会話をしたいと心の底から思う。

 午後は、アメリーが洋服店で服の試着をしてエアハルトに見てもらう。そして、アメリーはエアハルトの反応の良かった服を全て購入する。

 エアハルトはアメリーがどの服を着ても「似合います」と言うので、アメリーはエアハルトがうろたえるような反応を見せた服を選んだのだ。

 アメリーは購入した服は全て自宅に送ってもらうようにした。夕方になり宿の1階にあるレストランに入る。アメリーは予約を入れていた。

 アロイスがエルメンヒルトに言う。

 「アメリー嬢は本気のようだぞ。」「どういうこと。」

 「ここの宿は高級でな、部屋には浴室まである。アベックが夜を過ごすのに最高の宿何だよ。」「夜って、何をするのよ。」

 「そりゃ、なー」「・・・・・」

エルメンヒルトから血の気が引いて来る。それって、私のエアハルトがアメリーのものになるの。こうなったら私が助けなくては・・・

 エルメンヒルトは、深呼吸をすると顔の表情が消える。そして、目はすわっている。アロイスたちはエルメンヒルトの豹変に息をのむ。彼らの前にいるのは獲物を狙う猛獣だった。

 エアハルトとアメリーは食事を終えると宿のカウンターに行って部屋のカギを受け取る。アメリーがエアハルトに言う。

 「宿に部屋をとっていたの休んで行きましょ。」「それなら家まで送りますよ。」

 「私はエアハルト君と休みたいの。今1日付き合ってくれるんでしょ。」「分かりました。」

2人は部屋に向かう。エルメンヒルトとバッシュパーティーは気づかれないようについて行く。アメリーは部屋に入るとエアハルトに抱き着く。

 「アメリーさん、どうしたんですか。」「私、覚悟を決めてきたのよ。」「何のことです。」

アメリーはそのままベットに倒れ込む。

 「本当にわからないの。」「えっ・・・あのう。」

エアハルトはアメリーから離れてベットに座る。アメリーは服を脱ぎ始める。エアハルトは緊張で動けなくなる。

 「何をやっている!アメリーやめろー」

ベットの影からアルマが飛び出して怒鳴る。

 「えっ。」

廊下にいたエルメンヒルトとバッシュパーティーは怒鳴り声を聞いてドアを蹴破って部屋に突入する。部屋の中には、エアハルトとアルマ、半裸のアメリーがいる。

 「アメリー、私のエアハルトを返して!」

エルメンヒルトが叫ぶ。バッシュパーティーの面々はアメリーの姿を見て、1日の苦労が吹き飛ぶ。アメリーが泣きそうになりながら言う。

 「何で邪魔が入るの。頑張ったのに。」「アメリーさん、服を着てください。」

エアハルトは緊張が解けて言う。エルメンヒルトがアルマに質問する。

 「なぜ、あなたがここにいるの。」「怪しいと思って、アメリーの同僚のエリスの動きを調べたんだ。部屋を突き止めて隠れていたらこのざまさ。」

 「助かったわ。私のエアハルトが取られるところだったわ。」「エアハルトは、俺のだ。」

エルメンヒルトとアルマがにらみ合う。エアハルトはアメリーをなぐさめて家まで送る。

 このことは冒険者の間で噂になり、なぜかエアハルトが、アメリーとエルメンヒルト、アルマの3人を宿の部屋に連れ込んだことになっていた。

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