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ポンコツと蔑まれた冒険者は最強クランをつくる  作者: ぽとりひょん
第4章 イーリスクランの討伐
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第1話 エルメンヒルトとイオン

 暗い目をしたイオンが剣を持ってカリスパーティーが借りている家を出て行こうとする。エルメンヒルトが立ちはだかって言う。

 「止まって。エアハルトの所へは行かせないわよ。」「どいてくれ。君にケガを負わせたくないんだ。頼むよ。」

 「出かけるのならば剣を置いて行って。」「分からないかなー、頼んでやっているんだよ。」

イオンがゆっくりと剣を抜く。ブリキットがエルメンヒルトに剣を投げ渡す。

 「そうさ、俺がいつも悪者なんだ。お前たちもそう思っているんだろ。」「イオン、やめて。剣を収めて。」

 「いつからリーダーに命令できる立場になったんだ。・・・俺のことバカにしているだろ。」「何を言っているの。」

突然、イオンがエルメンヒルトに切りかかる。エルメンヒルトは剣を抜きながら斬撃と受け止める。イオンは剣を引くと同時に左足で蹴りを繰り出す。蹴りはエルメンヒルトの腹にめり込む。

 エルメンヒルトは吐血して倒れる。イオンは剣を突き立てようとする。魔法使いのケープがファイヤーボールを撃ちこむ。イオンは避けるため飛びのく。

ブリキットが弓でイオンを狙いながら言う。

 「出ていけ。でないと矢を撃ち込むよ。」「ふん。」

イオンは剣を収めると冷たい目でメンバーを見渡すと出ていく。ケープがエルメンヒルトに回復ポーションを飲ませる。エルメンヒルトは回復すると嘆き始める。

 「イオン、どうしちゃったの。訳が分からないわ。」

ケープがエルメンヒルトに言う。

 「奴は、お前さんに気があったからの。エアハルトが疎ましかったんじゃろ。」「エルメンヒルト、気がついていなかったの。」

 「私は・・・優しいと思っただけよ。」「そこへアルフレートからエアハルトの話が出たんだから面白くなかろうて。」

 「エアハルトのこと恨んでいるだろうね。」「止めないとエアハルトが危ないわ。」

 「それより、カリスパーティーをどうするか考えねばならんな。」「イオンがエアハルトを切り殺してしまうわ。」

 「あちらにはアルノーがいるからな。大丈夫だろ。問題はイオンが他の冒険者を殺そうとしたことよ。」「当然、処分が来るだろうよ。」

 「パーティーは解散ですね。エルメンヒルトが入るまではそこそこ頑張るパーティーで楽しかったな。」「ブリキット、私が来るまでは違ったのですか。」

 「そうよ。イオンが急に張り切りだして成果を求めるようになったのよ。」「私のせいですね。」

 「イオンが君に惚れて突っ走っていただけよ。悪いのはイオン・・・いや、止めなかった私たちも悪いな。」「・・・・・」

エルメンヒルトは、イオンが自分に惚れて1人あがいていたことを知って、急に居心地が悪くなる。自分はメンバーに歓迎されていたのか不安になる。

 自分がカリスパーティーを変えて、解散の危機に陥れたのだ。ブリキットが察したようにエルメンヒルトに言う。

 「気にすることはないよ。恋愛沙汰でパーティーが崩壊することはよくあることだから。」「でも私のせいで・・・・・」

 「イオンが悪い。」「そうじゃな。エルメンヒルトには非はないじゃろ。」

ブリキットとケープは今後のことを話し始める。エルメンヒルトは話に加わる気になれない。それよりエアハルトのことが気になる。

 エルメンヒルトはアングラートの食卓へ帯刀して出かける。イオンは冒険者ギルドに来ていた。受付に行ってエアハルトのことを尋ねる。

 「エアハルトはダンジョンにいるのか。」「エアハルトさんに何か急用ですか。」

アメリーの同僚のエリスが答える。

 「エアハルトに会いたいんだ。教えてくれ。」「答えられません。エアハルトさんに会ったらお伝えします。」

 「分かったほかを探すよ。」

イオンは冒険者ギルドを出ていく。エリスは、イオンの様子がおかしいことに気がついていた。エアハルトに伝えに行きたいがギルド職員の立場では中立を保たなければならない。

 エルメンヒルトがアングラートの食卓に到着するとエアハルトはアロイスやディータたちと食堂で食事をしていた。

 「エアハルト、イオンがあなたを殺そうとしているわ。逃げて。」「黒水晶、何言っている。俺たちがついているからやらせねーよ。」

アロイスが口をはさむ。エアハルトはエルメンヒルトのただならぬ様子からイオンが本当に殺そうとしているのだと判断して言う。

 「エル、大丈夫だよ。僕は剣の腕だけは強くなったから負けないよ。」「何言っているの。イオンはレベル5よ」

 「分かっている。僕もアルノーと訓練をしているから、見ていて。」「アルノー、止めてください。」

 「イオンはエアハルトを狙っているのでしょ。ならば、私はその場の証人になります。」

エルメンヒルトはレベル5のイオンを止められるのはアルノーしかいないと考えるがアルノーにその気はないようだ。それにみんな落ち着いている。

 「エル、レベル4になったんだってね。おめでとう。僕もすぐにレベル4になるよ。」「エアハルト、状況を理解しているの?」

エアハルトがのんきにしているので自分の置かれた立場が分かっていないのではと思ってしまう。

 そこへイオンが食堂に入つて来る。エルメンヒルトは自分の下腹部に冷たい物を感じる。戦慄しているのだ。

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