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第14話 レベルアップとイオンの豹変

 アメリーがアビリティを測定するとバッシュパーティーのアロイス、デニス、エゴンがレベル4にレベルアップしていた。グーゲルパーティーはクヌートとユリアーネがレベル3にレベルアップしていた。

 エゴンとクヌートがレベルアップしたのは剣の訓練の成果によるものだ。

 エアハルトがアビリティを測定する。アメリーが驚く。

 「本当にレベル3になっているわ。」「本当ですか。」

エアハルトは測定結果を見る。

   適正 剣士 レベル3 俊敏350 力245 剣技305 持久力302 魔力0 毒耐性98 スキルなし

 「やはり魔力は0か。」「なに言っているの。俊敏350、力245、剣技305、持久力302はレベル5の数値に近いのよ。」

 「僕が剣でアルノーさんに追いついたということですか。」「まだ、戦闘経験の差で私の方が上だよ。でも、もうすぐ追い越されるかな。」

 アンカーパーティー エアハルト・レベル3 アルマ・レベル2 アルノー・レベル5

 バッシュパーティー アロイス・レベル4 デニス・レベル4 エゴン・レベル4 カミル・レベル3

 グーゲルパーティー ディータ・レベル3 カール・レベル3 クヌート・レベル3 ユリアーネ・レベル3

各パーティーのメンバーがレベルアップして、さらにダンジョンを深く潜れるようになる。アルノーはエアハルトがレベル5になれば、他のメンバーもレベルアップして戦力が揃うと考える。

 そしてエアハルトはエルメンヒルトを抜いて最速でレベル3になったことになる。エアハルトがレベル3になったことは冒険者の間にすぐに広まる。

 カリスパーティーのイアンの耳にもうわさが届く。

 「エルメンヒルト、エアハルトが最速でレベル3になったらしいぞ。」「もうレベル3になったの。追いつかれてしまったわ。」

 「奴には、アルノーと言うアウロラクランに所属していたレベル5の冒険者がついている。」「エアハルトをグリム討伐に誘った人ね。エアハルトに何かあっら許さないわ。」

 「エルメンヒルトは、まだエアハルトの保護者のつもりか。」「私を追ってきたんだもの。責任があるわ。」

 「俺たちはレベルを上げたら深層へ潜るんだぞ。エアハルトは追いかけてこれない。住む世界が違うんだ。」「同じ冒険者でしょ。エアハルトは努力しているわ。」

 「努力しても魔力を使えないと深層の魔物に対抗できない。もう、忘れてくれ。」「どうしてそんなことを言うの。」

 「いや、済まない言い過ぎた。」「いいわよ。」

イオンはエルメンヒルトにエアハルトではなく自分を見て欲しいと思った。しかし、話せば拒絶されるのではないかと勇気を出せないでいる。

 カリスパーティーは20階層より深い階層を目指してダンジョンに何度も挑んでいる。強力な魔物と戦いを繰り返す。

 全滅の危機に瀕したのも何度もあった。結果はアビリティに反映される。数か月後、カリスパーティーのメンバーは

 イオン・レベル5、エルメンヒルト・レベル4、ブリキット・レベル4、ケープ・レベル5

になる。イーリスクランでは、イーリストリニティ主導でグリム討伐の遠征が計画されていた。カリスパーティーはこの遠征に加わることを目標にしている。

 遠征には高レベルのパーティーが選抜される。イオンは当然、選ばれるものと考えていた。しかし、カリスパーティーは遠征のメンバーに選ばれなかった。

 イオンはこれは何かの間違いだと思う。カリスパーティーにはレベル5の冒険者が2人もいて、残りのメンバーもレベル4である。

 イオンは閃光のアルフレートに会いに行く。

 「カリスパーティーはなぜ遠征に選ばれていないのですか。俺たちはイーリスクランの中でも高レベルのはずだ。」「君たちはグリム討伐では戦力にならないのだ。」

 「どうして、レベル5と4のパーティーですよ。」「我々は、それぞれのパーティーの性質を調べて選んでいる。」

 「俺たちの何が悪いんだ。」「君たちは魔力が強い。魔力のおかげで高レベルになっている。グリムには魔力は使い物にならない。わかるね。」

 「俺たちの剣技が劣っているということですか。」「魔力が弱いレベル4の方がレベル5の君より役立つんだよ。」

 「そんな・・・」「エアハルトのことは知っているか。ポンコツと呼ばれている冒険者だ。」

 「ええ、よく知っています。」「彼はレベル3だが剣技はレベル5に匹敵するようだよ。」

 「あいつが・・・」

イオンの価値観が否定されているようだった。あいつは魔力がなくて使い物にならないはずだ。なのにアルフレートはあいつを評価している。

 何であいつなんだ。エルメンヒルトもアルフレートもあいつを見ている。俺じゃなくて・・・

 「失礼します。」

イオンはうなだれて帰って行く。業火のアライダがアルフレートに言う。

 「彼、ショックを受けていますよ。フォローしなくていいのですか。」「彼は視野が狭い。いろいろな冒険者がいることを知ってもらいたいね。」

イオンはカリスパーティーに戻るとメンバーに言う。

 「俺たちは魔力に頼りすぎているから選ばれなかったんだ。」「まあ、わしの魔法の援護が大きいからな。」「私もイオンも魔法剣士ですから。」

 「何で気楽にものが言えるんだ。ポンコツの方が役に立つと言われたんだぞ。」「エアハルトが閃光のアルフレートに褒められたの。やったー」

 「やめてくれ、なんでエアハルトを見るんだ。俺を見てくれ。」「イオン、もしかして妬いているの。」

 「君がエアハルトの話をすることが嫌なんだ。」「ごめんなさい。私、エアハルトが好きなの。」

 「分かったよ。俺がエアハルトを倒すよ。」「何を言っているの。エアハルトを殺すつもり。」

 「死んでも構わない。」「私、イオンを嫌いになるよ。」

 「いいさ、俺のものにならないなら同じさ。」「・・・・・」

エルメンヒルトは血の気が引いていく。目の前にいるイオンはリーダーのいつものイオンではなかった。


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