表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/160

第10話 私闘

 エアハルトたちは6階層に5回行って、エアハルト、アロイス、デニス、ディータ、カールの5人は1人でシルバーグリズリーを討伐できた。その間にエゴンとクヌートはボロボロになっている。

 アルノーがみんなに言う。

 「ようやく、討伐できましたか。もう、6階層は余裕ですね。明日は私とエゴン、クヌートも6階層に行きます。」「「「ダンジョンに行けるのかー」」」

エゴンとクヌートが腕組みをして喜ぶ。明日は地獄の訓練はないのだ。アロイスがアルノーに言う。

 「また、アレをやるつもりか。」「そうです。あれをやりますからうまく指揮を執ってくださいよ。」

アルマ、デニス、エゴン、カミルが動揺する。

 「あれって。」「あれしかないような。」「あれって何だよ。」

ディータが聞く。デニスが説明する。

 「5階層でアルノーはモンスターラッシュを引き起こしたんだ。たぶん、またやるつもりだ。」「良く生きているな。」

 「アルノーはアノ性格だが圧倒的に強いよ。俺たちを限界まで追い込むつもりさ。」「そうか効果はあるんだろうな。」

 「俺は途中で魔力を使ってしまったからわからない。でもエアハルトと訓練をして腕を上げているぞ。」「そうか。」

ディータはデニスが追い込まれて魔力を使わなくてはならない状況を想像する。一歩間違えれば死ぬなとおぼろげに思う。

 聞いていたカール、クヌート、ユリアーネは自分たちの運命を呪う。

 翌朝、エアハルトたちは冒険者ギルドにあつまる。ある冒険者がエアハルトに話しかけてくる。

 「26階層のグリムを討伐するんだって。本当か。」「ああ。訓練中だ。」

 「無駄無駄、ポンコツに何ができるんだ。大体26階層まで行けないだろう。魔物だって魔力を持っているんだぞ。」「分かっているよ。」

アルノーが冒険者の前に立って言う。

 「今、エアハルトを馬鹿にしましたね。エアハルトと決闘をしてもらいましょう。もちろん魔力を使っても構いませんよ。」「決闘だって、俺がポンコツとやるわけないだろう。」

 「逃げるのですね。弱者なら当然の選択です。」「俺が弱いって、バカにするな。」

冒険者は剣を抜く、アルノーが悪い顔をして言う。

 「エアハルト、あなたの腕前を教えてあげなさい。」「けしかけたのはアルノーでしょ。僕がやるの。」

 「ポンコツ、剣を抜け切り刻んでやる。」「ご指名ですよ。」「いやだなー」

エアハルトも剣を抜く。冒険者は剣に炎をまとわせる。冒険者は先手必勝と言わんばかりに切り込んでくる。エアハルトは体をさばいて炎の剣をかわす。

 冒険者は再び突っ込む。エアハルトはかわしながら冒険者の右腕を切り落とす。冒険者は倒れ込み転げまわる。

 「いてーーー、俺の腕がーーー」

アルノーが転げまわる冒険者に蹴りを入れて言う。

 「腕1本がどうした。グリムに立ち向かった者にお前のような情けない奴はいなかったぞ。」「くそー、いてーよー」

エアハルトは右腕を拾うと傷口を合わせて回復ポーションをかける。冒険者の右腕は元通りになる。冒険者はエアハルトを睨む。

 「おまえ、よくも・・・・・」

冒険者は恨み言を言いかけて青くなり言葉を飲み込む。アルノーの目を見てしまったのだ。冒険者は逃げ出す。

 エアハルトはやってしまったと思う。冒険者ギルドの中で私闘はもちろん禁止である。仲間以外にも多くの冒険者が見ている。沈黙にエアハルトは冷や汗が出てくる。

 「いいぞー」「よくやってくれた。」「いい気味だー」

歓声とともに拍手が起こる。

 えっ、これなんだ。なんで拍手が起こるんだ。僕は人を切ったんだぞ。

 戸惑っているエアハルトにアルマが説明する。

 「あいつはみんなに嫌われていたんだ。みんなエアハルトの味方だぞ。」

アルノーがエアハルトに言う。

 「相手が先に剣を抜いたのです。切り殺してよかったのですよ。」「僕に人殺しをしろと言うのですか。」

 「かつて、殺人クランがありました。彼らはダンジョンの中で冒険者を襲って魔石を強奪していました。そういう輩がいないとは限りません。人を切る覚悟もいりますよ。」「・・・・・」

エアハルトは考え込む。自分に人を殺す覚悟はできそうになかった。アロイスがエアハルトに言う。

 「その時になったら、いやでもやらなくてはいけないから心配はいらないぞ。」「アロイスさんは、人を殺したことがあるのですか。」

 「ああ、魔石を置いて行けと脅されてな。断ったら襲ってきたんだ。返り討ちにしたよ。」「殺したんですね。」

 「でなかったら死んでいたよ。」「僕に出来るかな。」

アルノーが代表で受付に申告に行く。受付をしているエリスがアルノーに言う。

 「私は何も見ていませんが、もめ事を大きくすることはやめてください。」「気をつけますが今日は何も起こっていないでしょ。」

 「ええ、そうです。」「では失礼します。」

エリスは、同僚のアメリーが最近エアハルトと組んでいるアルノーについてぼやいていることを思い出す。アルノーはくせが強すぎると感じる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ