第7話 モンスターラッシュ
炎の中からワーウルフが飛び出してくる。エアハルトがワーウルフを2つに切り裂く。炎の勢いはさらに弱まりワーウルフの群れが炎の中から飛び出してくる。
エアハルト、アロイス、デニスが応戦する。しかし、だんだん数が増えてくる。エアハルトは短剣を抜いて左手に持ち、右手の剣でワーウルフを倒し、中に入って来たワーウルフを短剣で切り裂く。アロイスが剣を振るってワーウルフが後ろに回ることを防いでいる。デニスは槍のリーチを利かして振り回しワーウルフを近づけずに切り裂いている。
エゴンはファイヤーボールを炎の向こうに打ち込み数を減らそうとする。
炎がついに消える。エアハルトは前に出る。アロイスが驚く。今、前に出ればワーウルフだけでなくホブゴブリンやコボルトも相手にすることになる。
「下がれ!エアハルト。」「大丈夫です。後ろをお願いします。」
「あいつ正気か。」
デニスがエアハルトの行動を蛮勇と考えて声に出す。エアハルトは、周りにいる魔物を剣で切り裂く。剣撃を通りぬけたワーウルフがエアハルトの右足にかみつく。
ワーウルフを短剣を頭に刺し貫いて仕留める。ワーウルフは離れるが右足から出血する。エアハルトは傷の痛みを無視して剣を振るう。前に出たホブゴブリンを横一閃する。
体の大きなホブゴブリンを利用して右斜め前に出てコボルトを3匹瞬殺する。エアハルトはコボルトの死体を蹴り上げる。コボルトの死体は宙に上がり魔物たちの上に落ちる。
エアハルトはそこへ素早く移動して新たな獲物をしとめる。
アロイスは魔物を切り裂いてとどまっていたがワーウルフにホブゴブリン、コボルトが加わりさばききれなくなる。ワーウルフが後ろへ抜けて、エゴン、アルマ、カミルに迫る。
アルマとカミルが落ち着いてボーガンを撃ち込み、ワーウルフを倒していく。カミルはこのままだと魔物に飲み込まれると考える。ボーガンの矢にも限りがある。
アルマが前に出て、ワーウルフを打ちながら、ボーガンの矢を回収する。カミルがアルマに言う。
「前に出るな。危ないぞ。」「矢を回収しないと矢が尽きるぞ。手伝え。」
アルマの目はまだまだやれると言っている。カミルは自分の考えを振り払って前に出る。
デニスの槍をかわしてホブゴブリンが槍の間合いの中に入って来る。デニスは柄尻をホブゴブリンの腹に突き入れて飛ばし、槍で一閃する。この隙に魔物が一斉に近づいて来る。
デニスは高速の突きを繰り出して魔物を仕留めていく。しかし、高速の突きはデニスの体力を急速に奪っていく。デニスは限界を感じる。
これ以上は無理だな。使うしかないか。デニスの槍が魔力を帯びる槍が雷撃を帯びて魔物の群れに突き刺さる。一撃で数匹の魔物が塵と化す。
デニスが魔力を使ったことで増える魔物に対抗できるようになる。アロイスはまだ魔力を使わずに戦っている。アロイスは左腕に深手を負っていた。
剣をかわしたワーウルフにかみつかれたのだ。運悪く防具の無い所をかまれ傷は骨まで達していた。
アロイスはエアハルトが魔力なしで戦っているのに魔力を使うわけにはいかないと考えている。だが剣技だけでは体力的にも限界が近い。
エアハルトは、アロイスたちから孤立して戦っている。防具は傷だらけになり魔物の血で真っ赤になっている。右足からの出血は続き、左手にもひっかき傷がある。
痛みはあるが体はまだ動く。ホブゴブリンが剣を振りかぶる。エアハルトは一気に間合いを詰めて首に突きを入れる。左からコボルトが迫る。左手の短剣で剣撃を受けて、ホブゴブリンの首から抜いた剣でコボルトの両腕を切り落とす。
アルノーは天井近くの壁に張り付いて、各人の戦いと動きを見ている。魔力を使ったデニスとエゴンは訓練が必要である。アルマとカミルは意外と状況を見て適切な動きが出来ている。
エアハルトはソロの冒険者のためか連携が全くできていない。アロイス、デニスと連携をとっていたらここまで乱戦になっていなかっただろう。
アロイスが一番状況を見て戦っていることが判る。戦闘力はエアハルトが上だが指揮はアロイスが適任である。
アルノーは、これ以上見るべきものはないと判断する。そして、エアハルトとアロイスの間に飛び降りると魔物の駆逐を始める。突然、血しぶきが立ち上がり、切り裂かれた魔物の肉片が宙を舞う。
レベル5の剣技は、エアハルトやアロイスの剣技を圧倒している。瞬く間にエアハルトとアロイスの間にいる魔物を片付けるとアロイスに言う。
「前に出て、エアハルトとデニスの指揮を執れ。」「今頃現れて何を言っている。」
「エアハルトを1人にしておくな。指揮はアロイス、お前の仕事だ。俺も指揮に従う。」「分かったよ。こき使ってやる。」
アルノー、アロイス、デニスは走り、エアハルトに並ぶ。
「アルノー、エアハルトの横についてやつの負担を減らしてくれ。」「了解。」
「デニス、魔力は使うな。訓練にならないぞ。」「お、おう。」
エアハルトの横にアルノーがつくことで、魔物の討伐スピードが上がる。アロイスとデニスは抜けてきた魔物を討伐していく。先ほどより数がかなり少ないので余裕がある。
この間にアルマとカミルがボーガンの矢を回収する。アロイスがエゴンに叫ぶ。
「援護の魔法は中止だ。下がってくれ。」「分かったよ。」
アロイスはアルノーの剣技に自分との差を見せつけられる。以前は目指していた高レベル。もし続けていたら俺も強くなっていたのだろうか。
バッシュパーティーは全員レベル3である。グリムと戦うためには少なくともレベル5にならなければ戦えないかもしれない。もう一度高みを目指そう。




