第5話 パーティー名を決める
エアハルトたちは4階層へ行く。4階層はゴブリンやコボルトの出現の頻度が高く息つく暇もなくなる。しかし、エアハルトは魔物を瞬殺していき余裕がある。
ホブゴブリンが4匹出てくる。ホブゴブリンはゴブリンの上位種で力が強く、動きも俊敏である。エアハルトはためらわず突っ込む。
1匹目を構える前に首を切り落とす。さらに2匹目を袈裟切りにする。ここでホブゴブリンは反撃体勢になるが遅かった。3匹目が腹を横一閃され、4匹目は心臓を剣で貫かれる。
アルノーはエアハルトの立ち回りに感心するがこれではアルマの訓練ができないと判断する。
「今日はこのくらいにしましょう。明日は5階層に行きましょうか。」「僕も行きたいですがアメリーさんの許可がないといけません。」
「受付のアメリーですか。」「そうです。いろいろと教わって世話になっているんです。」
「分かりました。私が許可をもらいます。」「本当ですか。ありがとうございます。」
エアハルトは5階層へ進めると喜ぶ。アルマは5階層の情報を調べなければならないと考える。
ダンジョンを出ると受付に行く。アルノーはアメリーに言う。
「明日は5階層に行こうと考えていますがいいですよね。」「まだ、エアハルト君には早いと思います。」
「大丈夫ですよ。レベル5の私がついています。」「そういう考えは足元をすくわれますよ。」
「ええ、ひどい目に遭ったばかりです。」「そうですね。お仲間のことは残念です。」
「エアハルトを5階層に連れて行ってもいいですね。」「十分注意してくださいね。」
アルノーはアメリーから5階層に行く許可を取り付ける。エアハルトは魔石の換金した分を3等分しようとするがアルノーが辞退する。
「そのお金は2人で分けてください。私はいりません。」「どうしてですか。」
「私は戦闘に加わりませんから、それに貯えもあります。気にする必要はありませんよ。」「では、戦いに参加した時は3等分しますよ。」
「アングラートの食卓へ行きましょうか。」「はい。」「俺は調べものがあるから先に行ってくれ。」
エアハルトとアルノーは先に冒険者ギルドを後にする。アルマは資料室へ行き。5階層について調べ始める。そこへアメリーが入って来る。
「アルノーをパーティーに入れてよかったの。」「俺はいいとは思ってないが、エアハルトがいいと思っている。」
「エアハルト君はアルノーの目的を知っているの。」「全て承知しているよ。エアハルトはアルノーを利用するつもりだ。」
「それでは仕方ないわね。」「ああ。」
エアハルトとアルノーはアングラートの食卓に入ると食堂の席に着く。
「エアハルト、君の戦闘の立ち回りは素晴らしいよ。だが、攻撃に入る瞬間、剣先が下がる癖があるね。」「そうなんですか、気づかなかった。」
「これから気をつければいいよ。」「はい。」
アロイスたちが食堂に入って来る。アロイスはアルノーを見てエアハルトに言う。
「エアハルト、珍しい奴と食事しているな。」「今日、僕たちのパーティーに入ってくれたんです。」
「なにー、こいつが誰か知っているだろうな。」「はい、26階層のグリムを討伐したいそうです。」
「辞めておけ、死ぬぞ。」「エアハルトは、グリムを倒せる数少ない冒険者ですよ。アロイスさん、バッシュパーティーも加わりませんか。」
「俺たちのことを知っているのか。」「ええ、2年前まで20階層近くまで潜っていて勢いがありましたから、クランに所属しないでパーティーだけで行くことはすごいことですよ。」
「もう昔のことだ。」「仲間を殺されて、臆病風に吹かれているのですか。」
「何だと俺たちはもう仲間を失うことが嫌なんだ。」「牙を抜かれてしまったのですね。哀れです。もう冒険者とは言えない。」
「アルノー、生きて帰って来るのが本物の冒険者だ。」「表層を探索するだけの臆病者ではないですか。レベルも上げていないでしょ。」
アロイスはアルノーに殴り掛かる。デニスとエゴンが止めようとする。しかし、アロイスのこぶしはアルノーの左頬に当たる。アルノーは鼻血を出しながら言う。
「手を出す相手を間違っていますよ。あなたは18階層の魔物を相手にすべきだ。」「あいつらはもう帰って来ない。」
「アロイス、明日から魔力に頼らず、剣技だけで魔物を狩って欲しい。そうすれば、私はあなたに手を貸します。」「俺たちを利用するつもりか。」
「そうです。エアハルトには仲間が必要だ。」「魔力を使わず魔物を狩るんだな。魔法使いとポーターは逃げる訓練をすればいいな。」
「その通りです。協力感謝します。」「アルノー、あんたのためじゃない。エアハルトのためだ。」
「グリムを倒せるなら誰のためでも構いません。」「今日の酒はまずくなりそうだ。」
アルマが遅れて、食堂に入って来る。アルノーの顔を見てアルマが言う。
「バカなこと言ってアロイスに殴られたんだろ。いい気味だ。」「よくわかりましたね。」
「本当にグリムを討つためなら手段を選ばないな。」「ええ、命をかけていますよ。」
エアハルトはさっきから黙っていたが口を開く。
「僕たちのパーティー名どうしよう。いい名前が浮かばないよ。」「アンカーパーティーでしょ。」「そうだな。」
アルノーの一言でパーティー名がアンカーパーティーに決まる。




