第4話 アルノーの勧誘
エアハルトが張り紙を見る。
「魔法が通用しないのか。俺の剣は通用するかな。」「エアハルト、26階層まで行けるわけないだろ、俺たちには関係ないよ。」
アルマがエアハルトに言う。2人は4階層の探索は2回目である。エアハルトが受付へ行ことすると青い長い髪のエルフに声をかけられる。
「ちょっと待ってくれ。君がエアハルトか。」「はい、何か用ですか。」
「私はアルノー・ベルツ、剣士でレベル5だ。」「エアハルト・アンカーです。剣士でレベル2になったばかりです。」
「8カ月でレベル2になったんだね。」「そうですが、用件は何ですか。」
「君の剣技を知りたい。」「僕の剣技は見世物ではありません。」
「分かっている。これからダンジョンに行くんだろ。同行させてくれないか。」「アルマ、どうする。」
「アルノーはアウロラクランの主要メンバーですよ。勧誘かもしれません。」「僕はアウロラクランに入りませんよ。」
「私はアウロラクランを脱退している。君の剣技次第では君のパーティーに参加させてほしいのだ。」「アルノーさんが僕たちを率いるのですか。」
「いや、リーダーは君だ。」「僕はアルマと対等でやっているんです。リーダーになるつもりはありません。」
「君はグリムを討伐したくはないか。」「僕はまだ26階層へはいけません。」
「私が君を鍛える。君しかグリムは倒せないぞ。」「僕が・・・・・」
エアハルトはアルノーから熱を感じる。しかし、アルマはアルノーに嫌なものを感じる。そして、アルマはアルノーに言う。
「アルノー、お前はエアハルトを復讐の道具にしようとしているんじゃないか。」「お嬢さん、かわいいのにその言葉遣いは良くありませんよ。」
「俺のことはいい。どうなんだ。」「その通りです。私はエアハルトに復讐してもらう。代わりに上級冒険者への道を開く。」
「それは言い訳だ。復讐の道具にするんだろ。エアハルトのためじゃない。」「そうだな・・・いう通りだ。」
アルマはアルノーに殴り掛かる。アルノーは黙って殴られる。エアハルトは茫然と立っている。アルマがエアハルトに言う。
「エアハルトも言ってやれよ。こいつ利用しようとしたぞ。」「えっ・・・ああ、よろしくお願いします。」
アルノーはアルマの勢いから断られると思っていたので、驚く。
「いいの。死なない程度にしごくよ。グリムを倒せればいいから、君のことは使い捨てにするつもりだよ。」「おい、いいのか。こんなことを言っているぞ断れ!」
「構いません。僕は最高の冒険者になるつもりですから、使い捨てにはなりません。」
アルノーは笑い出す。
「すごいよ、エアハルト。よろしく頼む。」「はい。」「仕方ない。エアハルトがいいなら好きにしなよ。」
「では、さっそくダンジョンに行こう。」「いきなりだな。」
「ダンジョンに行くつもりだったよね。ついて行くから腕前を見せてもらうよ。」「分かりました。」
エアハルトは受付に行って自分とアルマ、アルノーの名前を書いた申告書を出す。申告書を見たアメリーが言う。
「アルノー・ベルツさんも一緒なの。」「はい。今日から一緒に行動することになりました。」
「だったら、そろそろパーティー名を考えた方がいいわよ。」「そうですね。後で考えておきます。」
3人はダンジョンに入る。アルノーはエアハルトに言う。
「ポーター君は私が見ているから戦闘に集中してくれ。」「助かります。」
アルマがアルノーを見る。アルノーからは表情が読み取れない。エアハルトは1階層から魔物を瞬殺しながら進んで行く。アルノーはエアハルトが戦いになれていると判断する。
だが、まだ魔物が弱いため、腕の方を認めるかは保留している。いっそうのことモンスターラッシュでも起きればいいと考える。アルマがアルノーに言う。
「出てくる魔物に不満でもあるのですか。」「そうだね、モンスターラッシュでも起きないかと考えているよ。」
「エアハルトなら大丈夫ですよ。私はモンスターラッシュの中から助けられてのですから。」「君はエアハルトの手をわずらわせてはいけない。」
「分かっています。ナイフを使えるようにしているし、ボーガンで援護もできます。」「そうじゃない。間違っている。」
「私が強くなることに問題があるのですか。」「グリムは、最初に弱いポーターやヒーラーを狙う。」
「私が邪魔なんですね。」「遠征にはポーターの助力が不可欠だ。だから、攻撃を避ける訓練をしてもらう。ナイフも攻撃を防ぐために使うんだ。」
「私は魔物に襲われたら攻撃を避け続けるのですね。」「命がけだが、やってもらうよ。」
3階層まで行き、コボルト6匹に会う。アルマーはコボルトの1匹はポーターに向かうと考える。エアハルトは気合を入れて突っ込んで行く。
「はあああああああぁぁぁーーーーー」
1匹目のコボルトを袈裟切りにすると剣を切り上げ2匹目を切る。両側からコボルトが切りかかって来る。エアハルトは左手で腰の短剣を抜く。
コボルトたちの剣が振り下ろされる前に右手の剣と左の短剣で一閃する。2匹のコボルトが腹を切られて大量に出血する。1匹のコボルトの目が、動かないアルマとアルノーに向く。
そのコボルトはエアハルトを無視して走り出すが、すぐに倒れる。背中には短剣が刺さり心臓を貫いていた。6匹目のコボルトの斬撃を剣でさばいて首をはねる。
ほんの十数秒の出来事だった。アルノーはレベル2になったばかりの冒険者のできる芸当ではないと考える。
魔力に頼っている冒険者のレベル3の中でどれだけのものがこれと同じことが出るだろうと思う。魔力0ということは、他の冒険者が魔力で補っていることを全て剣技でクリアしているということだ。
アルノーは賭けに勝ったと思う。後はエアハルトをレベル5にして、一緒にグリム討伐に向かう仲間を集めるだけだ。




