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第2話 アウロラクランの戦い

 アルノーは魔物と対峙する。魔物の瑠璃色のうろこは硬く魔法をはじく、自分の剣が通るとは考えられない。アルノー自身レベル5の剣士だが、優れた剣技に加えて、強力な魔力の補助があってこそ力を発揮するのだ。この魔物相手では実力の半分も出せればよい方だろう。アルノーは覚悟を決めて魔物に向かって行く。

 「はああああぁぁぁーーーーー」

アルノーの間合いに魔物が入る瞬間、魔物がアルノーを無視して飛ぶ。魔物の行く先にはアウロラクランのメンバーがいる。

 クランのメンバーは魔物への攻撃態勢が整っていなかった。魔物は踊り込むと鋭い爪で切り裂き、巨大な尻尾でメンバーたちを薙ぎ払う。

 クランのメンバーは連携が取れないまま、散発的に攻撃する。魔法使いが各々に魔法攻撃をする。剣士は魔法攻撃が続いているので魔物に近づけない。

 魔物は魔法攻撃を物とせず、冒険者を切り裂き、踏みつぶしていく。魔法攻撃が収まったため剣士が魔物に立ち向かう。剣士たちは皆、レベル4と5である。

 素早い魔物の動きに対応して、炎や雷撃をまとった剣で魔物を切りつける。剣士たちの斬撃は深層の魔物を狩ってきた豪剣であるが魔法をはじく瑠璃色のうろこは剣を通さなかった。

 魔力に頼っている冒険者にとって魔物との相性は最悪である。純粋に剣技だけでの高レベルの冒険者が必要であった。

 アルノーが追い付き魔力を使わず剣の力だけで魔物に切りかかる。魔物は右腕でアルノーを払うが初めてうろこにキズが付く。アルノーは飛ばされ着地すると大声で言う。

 「魔力に頼るな。剣技だけで立ち向かうんだ。」

魔物のキズ付いたうろこがはがれて新しいうろこに変わる。アルノーはそれを見て顔をしかめる。

 しかし、魔物に初めてキズをつけたことは大きい。剣士たちが雄たけびを上げる。

 「「「いくぞーーー、アルノーに続けーーー」」」

剣士たちは魔物を取り囲み突っ込んで行く。魔物は剣士を鋭い爪で切り裂き。鋭い牙で剣士を食いちぎる。剣士たちは魔物のところかまわず切りつける。

 多くはうろこの表面を滑るだけだが数か所うろこにキスが付く。傷ついたうろこは新しいうろこに生え変わる。魔物は動かない魔法使い、ヒーラー、ポーターを狙い始める。

 剣士たちの奮戦むなしく、魔法使い、ヒーラー、ポーターが殺されていく。魔物は狩りやすい者たちから襲っているのだ。アルノーにケヴィンが言う。

 「おい、どうする。このままじゃ全滅だぞ。」「下手に逃げようとすると襲われるぞ。戦い続けるしかない。」

 「くっそー、このままじゃ誰も生き残れないぞ。」「ああ、分かっている。うろこをはがせば魔法が通ると思うが・・・」

ケヴィンが飛び上がり魔物の背中に乗る。そして、剣を突き立てる。うろこに穴が開くがすぐに新しいうろこに生え変わる。ケヴィンはさらに剣を突き立てる。

 さらにうろこに穴が開くが生え変わる。ケヴィンは続ける。うろこの再生に限界があると考えてのことだ。

 アルノーは魔物の前に出て気を引く。魔物はアルノーを無視して転がりケヴィンを振り落とす。

 「くそー、もっと貫通力がある一撃が欲しい。」「そんなものあれば使っているよ。」

 「あれは、俺たちの弱点を突くために出てきたのか。」「そうなら、魔力に頼ってきたつけを払わされているんだよ。」

 「とにかくあいつの情報をギルドに伝えたいな。」「難しいな。とりあえず攻撃するだけだ。」

魔物が残っていたポーターを切り裂く。30人いた冒険者たちは剣士を10人残すだけになっている。

 残った10人の剣士はいづれも腕に覚えがある強者ばかりである。追いつめられた彼らは強かった。魔物の攻撃をぎりぎりでかわし、切り込んでいく。

 魔物と剣士たちの攻防は終わりが無いように続く。剣士たちに体力の限界が近づいて来る。アルノーは隙を見て回復ポーションで回復する。

 魔物は動きが遅くなった剣士を鋭い爪で切り裂く。アルノーは、その瞬間、魔物の下に潜り込み下から首を狙って突き上げる。うろこを貫通するが、すぐに新しいうろこに生え変わる。

 アレクシスが諦めたように言う。

 「どこを攻めてもダメか。」「最後まであきらめるな。」

ケヴィンがアレクシスに言う。また1人剣士が犠牲になる。ケヴィンがアルノーに言う。

 「あいつの目はどうだ。うろこはないぞ。」「確かに、しかしどうやって・・・」

ケヴィンが大声で言う。

 「目を狙え。あそこならうろこはないぞ。」「「「おう」」」

剣士が2人魔物の前に出る。2人は突撃する。1人が鋭い爪で切り裂かれる。もう1人は魔物の口にくわえられる。鋭い牙が体に食い込んでいく。剣士は剣を離さず魔物の目に剣を刺す。

 「がああああーーー」

魔物は初めての痛みに吠える。剣士は口から解放されるが体が2つに裂けている。魔物はダンジョンの奥に逃げていく。

 魔物から助かったのは剣士が6名のみである。アルノーはみんなに言う。

 「冒険者プレート、ポーション、食料を集めてくれ。」

その言葉にケヴィンが激怒してアルノーに掴みかかる。

 「仲間の死体を漁れというのか。恥を知れ。」「俺たちはこれから帰らなくてはならない。26階層を登るのだぞ。ポーションも食料も必要だ。」

ケヴィンの手が震える。アルノーから手を離すと仲間の死体の所へ行って「すまん」と言って冒険者プレート、ポーション、食料を回収する。

 他の剣士たちものそのそと動き、死体から冒険者プレート、ポーション、食料を回収していく。

 アルノーはヨーナス、ユリアン、アーダ、コローナから冒険者プレート、ポーション、食料を回収する。そして誓う、必ず敵を討つと・・・

 すでに頭の中ではどうやってあの魔物を倒すか考えている。あれは今までの常識は通用しない。魔力に頼らず、剣技だけで立ち向かっていく剣士でないとあれとは戦えない。

 まずは自ら魔力を封じて剣技を高めていく。そして、仲間を見つける必要がある。だが、名の通ったクランにはそのような剣士はいない。魔力を使わない剣士などクランに入れるわけはないのだ。

 6人の剣士はダンジョンからの脱出を行う。ダンジョンは甘くはない。途中、さらに1人が命を落とす。彼らは集めたポーションと食料で命をつなぎダンジョンから脱出する。

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