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第1話 26階層の悪夢

 アウロラクランが25階層から26階層に進んでいる。アウロラクランはイーリスクランの次の規模を誇っており、実力もゴルドベルクでナンバー2と目されている。

 今、深層を探索中であり、クランの主要なパーティーが参加して、総勢30人になる。目標はイーリスクランが到達した34階層を越えることである。

 26階層に到達するとホブゴブリンの群れが突っ込んでくる。腕利きが集まっているアウロラクランにとってホブゴブリンは数がいても雑魚に過ぎない。

 魔法使いが攻撃を加え、残りを剣士が切り捨て数秒で片が付く。ベルツパーティーのリーダー、アルノー・ベルツがホブゴブリンの行動に異変を感じる。

 「こいつら、何かから逃げて来たんじゃないのか。」「26階層じゃ、ホブゴブリンは弱者だ。住処を追われたんだろう。」

魔法使いのユリアンが答える。エルフのアルノーは青い長い髪をいじりながら考え込む。

 「装備を確認、報告してくれ。」「装備に異常はない。ポーションも十分だ。」

剣士のヨーナスが報告する。

 「魔法を使ったが魔力は十分だよ。」

ユリアンが報告すると同じく魔法使いのアーダが報告する。

 「俺も魔力は十分に残っている。」「装備の消耗は予定より少ないよ。」

最後にポーターのコローナが報告する。

 「よし、この階層に大物がいるかもしれない。気を付けてくれ。」「アルノー、この階層はいてもケルベロスだ。俺たち何度も討伐しているだろ。」

ヨーナスが反論する。アルノーがヨーナスに言う。

 「俺の勘だ。」「アルノーの感は良く当たるからな。」「やめてくださいよー、化け物はごめんです。」

ユリアンとコローナが勘と聞いて反応する。ベルツパーティーは気を引き締める

 先行した他のパーティーがワーウルフの群れと遭遇する。アウロラクランのメンバーは初めに魔法攻撃で数を減らして剣士が討ち取る連携で危なげなく討伐する。

 アウロラクランはシルバーグリズリーの群れ、ヘルウルフの群れと次から次へと遭遇していく。アルノーの勘は確信に変わっていく。

 「みんな周りに気を配れ、絶対、何かがいるぞ。」「はい。」

アウロラクランが進むと魔石が落ちている。魔物が何かに殺された痕に違いない。そしてメンバーたちは決定的なものを見つける。

 ケルベロスが3つの首を切られて倒れている。死体が残っているのは、殺された直後の証拠である。さっきまでケルベロスは何かと戦っていたのだ。

 アルノーがみんなに提案する。

 「ここは引き返そう。悪い予感がする。」「臆病風に吹かれたか。」

ハイトマンパーティーのリーダー、ケヴィン・ハイトマンが言う。ダークエルフのケヴィンは、アルノーとことあるごとに対立している。

 「ここまで来るのにどれだけの費用が掛かっていると思っているんだ。簡単には引き返せないぞ。」

ホイアーパーティーのリーダー、アレクシス・ホイアーが言う。ドワーフの彼は中立だが、この遠征の計画に関わってきただけにここまでの苦労と出費から引き返す判断はできない。

 「とりあえず。魔物の正体を確認しよう。」

アルノーは折れるほかなかった。そして、ベルツパーティーのメンバーに指示する。

 「逃げる用意をしてくれ。」「仲間をおいて逃げるのか。」

 「そうだ。たぶん最悪の状況に陥っている。」「分かった。いつもアルノーの勘に助けられているからな。」

ベルツパーティーのメンバーは最後尾に集まる。アウロラクランのメンバーはケルベロスを倒した魔物の姿を探す。ケルベロスの死体の状態からまだ近くに潜んでいるのは間違いない。

 しかし、魔物の姿はない。メンバーの誰かが言う。

 「いないぞ。もう逃げたんじゃないのか。」「気を抜くな。相手はケルベロスを倒すやつだぞ。」

ケヴィンがメンバーの気を引き締める。ケヴィンもかなり危ない状況であることを感じている。アレクシスがふと天井を見て、目を見開く。

 「い、い、いたぞ!天井だー」

メンバーみんながつられて天井を見る。そこには巨大なトカゲのような魔物が天井に張り付いている。硬そうなうろこに覆われ瑠璃色に鈍く光っている。アルノーが叫ぶ。

 「逃げろ!」

ベルツパーティーのメンバが走りだす。しかし、魔物はこの場からの逃走を許さない。突然、天井を走り、ベルツパーティーに向かって飛び降りる。魔物は刃のような爪を持っていた。

 先頭を走っていたヨーナスが魔物の爪で切り裂かれる。ヨーナスは鎧ごとばらばらの肉片に変わる。着地した魔物はユリアン、アーダ、コローナを見る。

 ユリアンとアーダは魔法で攻撃を始める。瑠璃色のうろこは魔法をはじいて効果がない。コローナがボーガンを撃つ。矢は硬いうろこには通用しない。

 「やめろろろうぅぅーーーーーーー」

アルノーが叫びながら魔物に向かって走る。目の前でユリアンとアーダが魔物の爪に引き裂かれて、ばらばらになる。コローナが後ずさると魔物は牙の生えそろった口でコローナをくわえる。

 「はなせーーー」

コローナは短剣を抜いて魔物の上あごに短剣を突き立てるが硬くて刃が通らない。コローナは食いちぎられて上半身が落ちてくる。アルノーは剣を構える。

 魔物に魔法は通用しない。剣も通用するが分からない。だが、仲間を殺されて引き下がることはできない。アルノーは死を覚悟する。

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