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ポンコツと蔑まれた冒険者は最強クランをつくる  作者: ぽとりひょん
第2章 ポンコツ冒険者とダンジョン孤児
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第6話 アルマの復讐

 アルマはダンジョンのことをよく知っていた。おかげでエアハルトは2階層を迷うことなく行動でき、魔物を効率よく狩ることが出来る。しかし、休憩時間になるとアルマは姿を消すことがある。

 エアハルトはアルマにどこに行っていたのか聞くがはぐらかされてしまう。

 何回目かの2階層の探索でエアハルトとアルマは3階層に下がる坂の近くで休憩する。するとアルマは3階層に降りていく。

 「アルマ、3階層にはいかない約束だぞ。」「それはエアハルトが約束しただけだろ。3階層に来るなよ。」

アルマはヤンセン兄弟に復讐する機会をうかがっていた。アルマは3階層を進み、柱の陰で休憩しているヤンセン兄弟を発見する。その場所はヤンセン兄弟がよく利用する場所だ。

 アルマはこの辺りは魔物の出現が少ないことを知っている。ヤンセン兄弟も得物を外して休んでいる。油断はダンジョンの中では致命傷になりうる。アルマは気づかれないように奥へ行く。

 そして、魔物を惹きつけるニオイ袋を取り出す。魔物の気配が近づいて来る。アルマは少しづつ移動して魔物を集める。そして、ソードラビットが追い付いて来る。

 頭の角に刺されれば命取りになる。アルマは全力で走り出す。もう少しで目的地だ。アルマはヤンセン兄弟の前に出るとニオイ袋をヤンセン兄弟に投げつけて逃げ出す。

 兄のトム・ヤンセンが弟のキム・ヤンセンに言う。

 「あれはアルマだ。生きていやがった。」「兄貴、あいつ、何か投げて言ったぞ。」

 「ニオイ袋だ。謀られた。逃げるぞ。」「遅いよ。囲まれている。」

 「くそっ、助けてくれーーー」「誰かーーーー」

ヤンセン兄弟は魔物の群れに飲まれる。

 エアハルトは助けを呼ぶ声を聞いて、立ち上がり3階層に駆け下る。するとアルマが走って来る。

 「なにをやっている。2階層に戻れ。」「助けを呼ぶ声がしたぞ。」

 「無視しろ。死んで当然の連中だ。」「だめだ。何をした。」

 「ヤンセン兄弟に魔物の群れをけしかけたんだ。」「人殺しだぞ。助けるよ。」

 「間に合わない。やめておけ。」「君を人殺しにはできない。」

 「黙っていれば分からないだろ。このお人よし!」「でも、行くよ。」

 「・・・・・」

アルマの顔が蒼白になる。自分のせいでエアハルトを死地に送り込むことになったのだ。エアハルトは剣と短剣を抜いて魔物の群れに向かって行く。

 魔物はヤンセン兄弟とニオイ袋に気をとられている。エアハルトが群れに突っ込むと魔物の血しぶきが飛び散る。コボルトの首をはね、ゴブリンの腹を裂き、ソードボアを串刺しにする。

 「おい、大丈夫か。」

エアハルトがヤンセン兄弟の所にたどり着いた時には、返事はなく手遅れだった。魔物たちは目標をエアハルトに変える。コボルトが切りかかって来る。エアハルトは袈裟切りにする。

 そして、返す刀で切り上げ、ゴブリンを切り裂く。左下から飛び掛かって来たソードラビットを短剣で切り裂く。

 アルマは魔物除けのニオイ袋を慌てて取り出してエアハルトに駆け寄る。すると残った魔物は退散する。エアハルトはヤンセン兄弟の冒険者プレートを拾うとバックに入れる。

 「どうして助けようとしたんだ。」「僕もピンチになったら助けが欲しいから。」

 「俺のことを軽蔑するよな。」「復讐だったんだろ。」

エアハルトは憐れむような目でアルマを見る。

 「そんな目で見るなー」

アルマは突然走り出す。エアハルトは追いかけうしろから抱きとめる。

 「どこに行くんだ。危ないぞ。」「おまえー、どこを触っている。」「えっ。」

ムニュ、あれ何か柔らかいぞ。エアハルトの両手は後ろからアルマの胸を掴んでいる。

 「あの~」「早く離せよ。」

 「女ー」「そうだよ。ダンジョンは危ないから男装しているんだよ。」

 「驚いた。男だと思い込んでいたよ。」「そうか。さようなら。」

アルマは固まっているエアハルトを残してダンジョンを出ていく。エアハルトは後からダンジョンを出る。受付に行くとアメリーがエアハルトに言う。

 「アルマが先に出て来たけど、何かあったの。」「これヤンセン兄弟の冒険者プレートです。」

 「まさか殺したの。」「いいえ、助けを呼ぶ声があったから3階層に行くと魔物の群れに襲われていたんです。」

 「エアハルト君、よく無事だったわね。ヤンセン兄弟は2人ともレベル2よ。」「レベル1の僕が無事だとおかしいですか。」

 「おかしいと言いたいけどこれまで生きて帰ってきているから信じるしかないわ。」「僕が駆け付けた時には手遅れでした。」

 「それでアルマが怒ったのね。ヤンセン兄弟は復讐したい相手だから。」「そ、そうです。」

 「冒険者プレート回収の報酬を払うわ。魔石はアルマが換金していったから、あとで分けてもらうのね。」

これは持ち逃げされたな。また、明日からソロか。エアハルトはアルマに怒りを覚えなかった。代わりに寂しさを感じる。

 翌朝、冒険者ギルドの1階にはポーターの少女が立っており、冒険者たちの注目を集める。いくつかのパーティーが少女を誘うが首を振るだけだった。

 エアハルトが入って来ると赤髪の少女は近づいて行く。

 「エアハルト、おはよう。」「えっ・・・と誰。」

 「俺だ。アルマだよ。」「本当に女の子だったんだ。」

 「なにー」「かわいいからわからなかったよ。」「ふん。」

アルマは顔を赤くしてうつむく。そして、袋を手渡す。

 「何、これ。」「昨日の分け前だよ。先に帰って悪かった。」

 「怒っていないの。」「面白くなかった。それに・・・何でもない。」

 「僕のポーターやってくれる。」「当たり前だ。俺しかいないだろ。」

エアハルトとアルマは受付に向かう。

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