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第12話 罠の部屋

 エアハルトは剣を構え、暗闇に目が慣れるまで待つ。魔物の姿が見えてくる。コボルトだ。30匹はいる。エアハルトはコボルトに囲まれていた。

 コボルトはエアハルトが静かにしているので攻めあぐねているようだ。このまま扉を背にして戦うか?いや、違う。僕の武器は身軽さだ。前に出てひっかきまわして乱戦に持ち込むんだ。

 行くぞ。勝利は前にしかないんだ。恐れるな。僕はやれる。全部倒してしまえばいいだけだ。行け!

 「うおおおおおおーーーーー」

エアハルトは雄たけびを出してコボルトに突っ込んで行く。1匹目を擦れ違いざまに剣を横一閃して、後ろにいたコボルトの首に突きを繰り出す。素早く剣を首から抜くと後ろに飛ぶ。

 いたところにコボルトたちの剣が空を切る。

 エアハルトは止まらず。近くにいたコボルトに切りかかる。剣を上段から打ちこみ頭を割る。コボルトの剣が胸をかすめるが金属製の防具がエアハルトを守る。革製の防具だったら剣に貫かれていただろう。

 エアハルトは左手で腰の後ろに装備している短剣を抜く、切りかかって来るコボルトの懐に入ると短剣で首をかき切る。さらにコボルトが剣を打ち込んでくる。

 右手の剣で受け流すとそのまま背後に回り込み短剣を背中に刺す。短剣はコボルトの心臓を貫く。エアハルト素早く動き、コボルトに囲まれないようにする。

 コボルトが低い姿勢で剣を腰だめにして突っ込んでくる。コボルトはエアハルトの足を狙っている。コボルトはエアハルトの足をつぶして動きを止めて仕留めるつもりだ。

 エアハルトは飛んでコボルトの顔面にひざ蹴りを入れる。ひざは防具で守られている。ゴギッと嫌な音がしてコボルトは倒れる。

 エアハルトが着地すると左腿にコボルトの剣が刺さる。エアハルトは、そのコボルトの口に剣を突き入れる。剣はコボルトの首まで貫く。

 コボルトが倒れる時に左腿の剣は抜けて、血が流れ出る。止血している余裕はない。エアハルトは最大の武器である身軽さが奪われてしまう。

 まだだ、足よ動いてくれ。こんなところで死ぬわけにはいかないんだ。あきらめるなーーー

 エアハルトは近くにいるコボルトに突きを入れる。すると背後から切りつけられる。幸運にも防具が斬撃を防いでくれる。フィンの防具は薄くて軽いがコボルトの剣の斬撃を完全に防いでいた。

 左のコボルトが動く、エアハルトが睨みつけるとコボルトは後ろに下がる。すでに8匹の仲間が殺されているのだ。コボルトもエアハルトを警戒しているのだろう。

 エアハルトは左のコボルトの動きを睨みで封じながら、右手に持っている剣で横一閃して右側のコボルトを倒す。すると前にいるコボルトが剣を振りかざす。

 エアハルトは痛みをこらえて踏み込み左手の短剣でコボルトの心臓を貫く。

 コボルトたちはエアハルトの右足を狙う。ここで倒れたらコボルトに八つ裂きにされるだろう。剣でコボルトたちの剣をかわしながら、コボルトの囲みを突破する隙を伺う。

 1匹のコボルトがうかつにもエアハルトの間合いに入る。エアハルトはコボルトの腕を掴み、体を引き寄せて体の位置を入れ替わると突き飛ばす。

 突き飛ばされたコボルトは不運にも仲間の剣に貫かれる。エアハルトは体を回転させながら剣を振るってコボルトを3匹屠る。左右からコボルトが仕掛けてくる。

 エアハルトは右手の剣と左手の短剣でコボルトの剣を受ける。正面からコボルトが向かってくる。エアハルトは剣を受けたままかがんでコボルトの剣をかわすとコボルトの腹に頭突きを入れる。

 さらに体をひねって、左右のコボルトの剣筋を変えてかわすと左のコボルトの首を剣ではね。うずくまっている正面のコボルトの首を左手の短剣で背中側から貫く。

 エアハルトはまだ動きを止めない。右手の剣を横に振り右のコボルトの腹を切り裂く。これで15匹、半数を倒した。息が上がって来る。でも止まったら終わりだ。

 血が流れ続ける左足に鞭を打って、無理に動かし。コボルトたちに突っ込んで行く。左手が剣で切りつけられる。左手に力が入らなくなる。

 エアハルトの剣が折れる。折れた剣で力づくでコボルトを切り裂くとコボルトの剣を奪う。残り5匹になる。

 しかし、出血のためか目がかすんでくる。すでに体力は限界に来ている。負けられない。気力を絞り出す。

 「わああああーーーーーー」

コボルトを袈裟切りにする。さらにコボルトの剣を弾き飛ばして首をはねる。エアハルトはコボルトの返り血で赤黒く染まっている。残り3匹・・・

 コボルトが突きを繰り出す。エアハルトは左手で突きを受ける。コボルトの剣は左手を貫くが抜けない。エアハルトの剣が心臓を貫く。残り2匹・・・

 コボルトは剣を振りかぶってエアハルトの頭に振り下ろす。エアハルトは体を傾けて左肩で剣を受ける。ペキッと嫌な音がする。

 剣は防具の左肩に当たったが防具は軽量化のため薄い金属でできており、真正面から当たったので剣が防具を切り裂いてしまっていた。

 コボルトの剣は防具に食い込み抜けない。エアハルトは剣を抜こうと動きを止めたコボルトの首を剣で貫く。残り1匹・・・

 エアハルトの意識はもうろうとして来ている。左肩と左手には剣が刺さったままである。エアハルトはふらつき仰向けに倒れてしまう。

 残り1匹のコボルトが防具の隙間を狙って剣をエアハルトに突き下ろす。



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