第8話 エロゲーとの出会い⑧
3限の授業が終わり、俺は校舎前に居る。美玲と一緒に帰る約束をしたからだ。その美玲はまだ来ていない。3限が終わったタイミングは一緒だし、もう少しで来るだろう。
そこから1、2分程経った頃美玲がやって来た。
「ごめん光、待った?」
「今来たところだ」
というカップルのテンプレであるセリフを言ってみた。そういえばつい最近蓮にも同じ事言ったな。
「何かその返しカップル見たい……」
何故か美玲は照れて頬を少し赤らめていた。おいおいその反応蓮と全く同じじゃねぇか。
「その反応の方がカップル見たいじゃないか……」
まさに初々しいカップルがしそうな反応だ。
「!!! ご、ごめん……」
俺ら2人の間に気まずい空気が流れた。
「さ、最近調子どうだ?」
この空気を変えるため話を振った。
「さ、最近? ふ、普通だけど……」
「そうか……ふ、普通か……」
普通って何だよ。どう返せばいいんだよ。会話のキャッチボール出来ないのかコイツは。
俺は会話するのを放棄し、この空気を受け入れる事にした。 空気を変えようとしても、相手に会話を広げる意思が無いなら無理だ。
「……」
「……」
気まずいけど耐えれない程では無い。友達の彼女と浮気してバレた時の方が余裕で気まずかった。
そこから5分程経ったが、現在進行形で会話は一言も交わされていない。
「そういえば光さ、何で先週サボってたの?」
このまま駅まで一言も会話は交わされないと思っていたら、美玲が声をかけてきた。美玲が相手だし隠す必要も無い。本当の事を言おう。
「エロゲーって知ってるか?」
「ぶっ! え、えろげー? な、何それ。急に何言ってんのよ」
美玲は慌てた様子だった。下ネタに結構な耐性がある美玲がこの手の反応をするのは珍しい。何か他の理由がある様な感じがした。だかそれに触れるのは辞めておいた。
「いや、エロゲーをする為に先週大学をサボってたんだ」
「え……あんた正気? 一日中やってたってわけ?」
こういう反応をするのも無理はない。俺も少し前までは美玲みたいな反応をしたと思うからだ。だが、エロゲーの素晴らしさを知ってしまったらもう戻れない。
「ああもちろん、エロゲーは中々途中で辞められない」
「……ふーん」
なんか微妙な反応だな。まぁエロゲーの事を知らないのなら無理は無いか。
「美玲は勿体ないな、エロゲーの良さが分からないとか人生損半分してるぞ」
「何よ……私は光よりもエロゲーの事を知ってるわよ……」
ボソッと何かを言った気がするが、聞き取れなかった。聞き返す程では無いのでスルーした。
そのまま特に会話は無く駅に着いた。お互いのりばが違うから改札で別れた。
今日は何か気まずかったな。高校の頃は全然そんな事無かったのに……
まぁ、たまたまそういう日だっただけだろう。特に気にする事を辞めて帰路についた。
投稿遅れてすみません!!!
正月帰省してたので投稿出来てませんでした…
年明けからも忙しくなるので、投稿頻度は微妙です…
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