実は風神だけど、人間と仲良く冒険者やってます。
ちょっとしたお話です。
「おい、ハク!!そっちいったぞ!」
「わかった!」
俺はそう言うと、剣を魔物の目にぶっさす。
オーラ付きの剣を、な。
「ふぅーなんとか倒せたな、、」
「そうだな。まあ、このくらい大したことないよ。」
「そうですね!」
俺らはさっきまで戦っていた魔物を見る。
こいつはゼノムドラゴンと言って、討伐推奨がSランクの凶悪な魔物だ。
ときおり現れ、一晩中村や町などを荒らしまくってしまう。
だから見つけたら即座に倒すというのが鉄則なんだ。
だが、たいていの冒険者はこいつに勝てずに逃げるか殺される。
そのぐらい強いってことだな。
そんなヤツをなぜ俺らがたいして苦も無く倒せるのかって?
そりゃSランクパーティーだからな!
こっちの大柄であからさまに強そうな奴はケムと言って、Sランクの大剣使いだ。
そしてその隣にいる若い女性がミーレと言って、同じくSランクで世界で2番目に強い魔法使いだ。
こいつの放つ魔法は俺も恐れるほど強く、厄介だ。
それはここまで努力を続けて這い上がってきたんだろうな、、
んで。俺はこいつらにハクと名乗っている。
表面では双剣士として無双しまくっているSランカーだが、実はそうではない。
そして俺らが強いのにはもう一つ理由がある。
それは俺が風神ってことだな。
なんで強いかって?
え、神だから。
神だからに決まってんじゃん。
なぜ俺が人間とともに冒険楽しんでるのかっていうと、なんか上から下(人間界)の様子を調査してこいって言われて強制的に送られたんだわ。
最初はつまんねーって思ったけど、送られてからかれこれ130年!
なんか冒険者ライフを送っている内に楽しくなってきたんだわ。
んで、実際様子を見てくるという任務の期間は100年で過ぎてるけど、なんかこっちにはまってたら人間界の秩序をある程度守って来いとか言われて許されたんだわ。
いやー、どういう風の吹き回し、ってやつだよねぇ。
ちなみに、強いって言ってるのは、ただ単に俺がパーティーで無双してるからってわけではない。
みんなにバレないように二人に補助魔法をかけてるんだよね。
これは、本来の力の2倍までステータスを上げるっていう魔法。
それを俺は四六時中こいつらにかけてるってわけ。
そりゃSランクになるんも当然ってわけだな。
え?こいつらがもともと強いから?
え、ちがうちがう、そんなんじゃない。
え?焦ってないですよ。本当ですからね!俺のおかげっていうのは。
で、そのかいあってか俺らは世界ランク2位まで上り詰めて。
で、周りからもめっちゃ頼りにされちゃって!
それで今は二人が吾世話になったっていう大きな町の周りの片づけやら警護やらをしている。
これがね、また好評でもてはやされちゃってるってわけ!ッカーー!!
まあ、そんな感じだから俺が神界に戻らないってのも理由の一つかな。
今となっちゃ神界のほうがつまんねえし。
で、なんで俺がこいつらとパーティー組んでるかっていうと、単に強いから!ってわけじゃなく、実はあった時からこいつらには伸びしろがあるってわかってたからなんだわ。
ケムもミーレもあったときはそんなに強くなかったけど、今は俺のアドバイスによってめちゃめちゃ強くなってるんだよね。下っ端の神くらいならたおせそうなくらいに。
え?俺?
いやいや負けませんよそんなんじゃ。甘い甘い。
なんせ俺は最高クラスの神だからな!!
まあ、おれより上の奴はいるんだけどね、、
神ってのは最高クラスの奴らとそれ以下の奴で序列が分かれている。
んで、上のやつはみんな普通の人間に加護を与えられる。
で!俺は伸びしろがあるとかおもろいスキルとかを持ってる奴に加護を与えるようにしている。
そしてこの二人が俺が加護を与えたやつなんだよな!
だから目印つけといて会ってパーティー組むことにした。
そしたらやっぱ強かったってわけ。
あと二人とも優しいからみんなに慕われてんだよね。
俺以上に。
なんか悔しい。
あ、ちなみにだけどこれが俺のステータス(素)。
ーーーーーーー
名前:****
称号:風神
HP:345000/345000
MP:2900000/2900000
SP:478500/478500
攻撃:999000
耐久:1060000
魔力:5900000
知力:120000
素早さ60000000000
スキル
超脚 轟雷爆撃 超音波 乱突 撃風 台風生成 竜巻生成 異空間 転移
魔法
風殺Lv.700 風突Lv.2800 暴風Lv.2300 大気消殺Lv.550 全能力上昇Lv.200 超回復Lv.455
エアツイストLv.920
+【全基本風魔法】
あ、ちなみにこれだけじゃないぞ。
いいか、風は自由に形を変えられるんだ。だから改造だってし放題。
これは俺が神だから、ってわけじゃなくて、根本の原理を理解できていれば普通の人間だって可能だ。
そう。風だけじゃない。水も、炎も、土だって変えようと思えば自由自在に変えられるって話。
だから、これを理解できてるこいつらはそれを上手く使いこなせてきた。
それで世界ランカーになったってこと。
流石、俺が見込んだだけあるわー。
さて、話はこれぐらいにしておこうか。
俺も今は冒険者の身なんでね。
忙しいんですよ。
まあ、今はこれくらいしか教えられないけどな。
人でもなんでも、己の考え方に囚われすぎている。
だから、なんでも柔軟な考え方をしないといけない。
それが出来てる奴は、うまく生きてる、って言えるな。うん。
お前も硬く考えずに物事は柔らかく考えたほうがいいぜ?
「おい、ハク。聞いてんのか」
「ん?なに?」
「今からマオフ町に行くぞって言ってるんだよ」
「ああ、そうだったな。」
「目的を忘れてないよな?」
「ああ。」
「よし、そんならさっさと行くとするか。、、ってうん?」
「なんだ?どうしたんだよ。」
「いや、近くに人の気配がしてな、、ん?なんか嫌な予感がする。こっちいくぞ。」
しばらく行くと、若い少年がなんか倒れてた。
ってこいつ、、n?俺が加護やったやつじゃん。
「あ、コウモリに襲われてますね。殺っちゃいますね。」
ミーレが杖を一振り。直後すさまじい爆風がコウモリを包み、粉々にしてしまった。
「相変わらずえぐいな、、」
「ああ」
ほんとにこいつは神くらい殺せるんじゃないかな?とか思ってしまう強さだ。うん。
「そいつは大丈夫か?」
「ええ。毒をもらっているけど息はあるわ」
「んじゃそいつを解毒してやってくれ」
「あーい」
ミーレの魔法で毒が消え、呼吸が安定したようだ。
よし。よくやった。
こいつは俺が目印つけてる奴だからな。
きっと将来面白いことになるぞ。
なにせ暗殺者なんだからな。
「んじゃ俺がこいつをさっさと町のギルドに届けてくるから、先に目的地に行っててくれ。」
「?めずらしいな、お前がそんなことを言うなんて」
「ほんとですね。いつもは俺関係ないからとかいう感じなのに」
うるせえな。あれこれ言ってんじゃねえぞ。消し飛ばすぞ。
「はいはい。べつにいいだろ」
俺はさっさとその場を後にし、走る。
ま、こいつを届けたらこいつはとりあえず置いといて、また冒険の続きでもしますかね。
俺は朝の日と涼しい風を浴びながら、今日も冒険者ライフを楽しむ!
お読みいただきありがとうございます。
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この方は現在連載中の例の作品にもたまに出てきます。