さる令嬢の恩返し綺談
家族は私が大嫌いだし、私も家族は無関心でしか無い。
私が産まれたのは予定外も予定外だから、7歳までは住んで良しとされ、7歳になった翌朝早朝には出て行くことに決まっていた。
執事メイド達から、様々な事を教えてもらい、出て行く日には家族には内緒で様々な物をくれた。
特にマジックパックは助かったし、中には1か月分のお弁当や飲み物がギッシリ入っていたし、皆が集めてくれたお金が5万リビア。コレは助かった。
お金の使い方など、町に出て教えてくれたメイドと執事には感謝しきれない。
子供だからボッタクリに会わないように。メイドと執事は毎日毎日私に言ってくれていた。
執事長メイド長も、私に生きるための知恵を惜しみなく教えてくれる。
家族に愛されなくとも、使用人達は私を愛し大事にしてくれ、本当の娘として扱ってくれた。
『皆さんありがとうございました。私は生きて必ず皆さんに恩返しをします!』
「ハーネット様、私達執事メイドは、ハーネット様の幸せを祈っております」
『ありがとうございます、皆さん!』
あれから10年。
私は冒険者として名を上げ、17歳の若さで副ギルド長にまで上りつめた。
『ギルド長』
「どうした」
『私の実家が…執事メイド…使用人達は加担はしてません。どうか、ギルドで雇うことはできませんか?』
「何ができる」
『読み書き算術、家事育児、執事メイドも武術は嗜んでいます!
料理長や庭師も同様、読み書き算術をこなせます!』
「…ならば、東西南北の各ギルド長と話し合おう!算術は強みになる!ましてや、庭師も出来るならば助かる!貴重な人材は…ギルドが引き受けよう」
『ありがとうございます!』
その日の夜、直様会合で雇うと一致し、翌朝早朝、各ギルド長は我が家に出向き、使用人達は私が所属するギルドに集められた。
「ハーネス様!」
『執事メイド長、皆さんも来て下さってありがとうございます』
「立派になられて…」
『ふふふ。副ギルド長にまで上りつめたわ!皆が私を育ててくれたからです』
「そんな…私共は…」
「話を手早く済ます!総勢62人だが、東西南北各ギルドで人材を募集している。
皆は読み書き算術武術とできる、ハーネスに聞いたが間違いは無いな?」
「「「「はい!」」」」
「「「「ならば、我々ギルドで振り分け、雇わせてもらう!」」」」
「「「はい!」」」
メイド執事は綺麗に等分され、庭師や馬師は少ないため、北南ギルドに振り分けされた。
料理長含め料理人も料理長として各ギルドに振り分け。
「埃臭いギルドも綺麗になるな」
「…受付もできそうだし…助かるわ…」
「ギルドは癖が強い輩が来る。何かあれば頼むぞ」
「…料理、期待してるね。毎日毎日同じメニューは飽きるの…」
「「「「お任せください!私達は、ギルドの柱になります!」」」」
「あっははは!頼むぞ!」
それからは、埃臭いギルドは綺麗な清潔なギルドになり、草だらけの庭やらは庭師により手入れをされ、見る見る間に見違えるようにもなった。
「んっめー!ギルドの定食メチャクチャウメー」
「東西南北各ギルドが窓ガラスからトイレまで綺麗だよな」
「あー…レイヤード伯爵家の執事メイド達らしいぜ。
だから…だからこんなに居心地良くメシも食えるんだぜ」
「まじか!受付のマリアちゃんもか?」
「らしいぜ★」
口コミは上々。
ギルドの売上も上々。
皆の仕事ブリも上々。
恩は返せて、皆とまた会えて、働けて、私も上々!
感想、誤字脱字などよろしくお願いします。