その5
次の回でプロローグが終わるハズ
ホント長くてスイマセン。
「導きの加護」なんか厨二が使いそうだなとおもいつつも、今回はワキに置いておく。
ヤスオ
「その加護とは誰から頂いたものだろうか?
自分以外にも与えられた人物はいるのだろうか?
効果はいつまで続くものだろうか?」
まあ普通の事態ではないのだが、
こう考えるのは自然な感じがする
セムジュ
「導きの加護は、私の世界の女神より管理を委託されております。
加護自身はそれぞれ意思を持っており、約400年に一度、こちらの世界に渡っとき、箱からとびだし、候補者を探しだして宿るのです。
加護の数は12個あります」
そっと木箱を取り出し、上部のフタをスライドして内側をみせる。
中は、丸いコインのような窪みが12個あった。
セムジュ
「候補者が決まり、召還が行われれば、その人以外の加護はこの箱の中に戻ってきます」
選考には、結構な月日を要するらしい。
「世界にある候補者は、この地図に表れます」
今度は鞄の中から、筒状のものをテーブルの上にひろげる。
A3程の大きさの世界地図だ。
ヨーロッパ&アフリカが真ん中で、日本が端にみえる。
各国は縁取りしかされていないが、大きさのバラバラな青い点がみてとれる。そして大きな赤い点が日本にある。これがセムジュなのだろう。
ヤスオ
「この地図から「候補者」を探しだすのは大変な労苦がいるのでは?」
セムジュ
「地図はこうすれば拡大することも出来ますし、ずらすことも出来ますよ」
そう言ってスマホの操作のように、指で拡大してみせたり、弾くと日本が真ん中の見慣れた地図になった。
成る程、と感心したところで赤い点の部分を拡大していく。
日本→北陸→県→市→町→建物→部屋
ここまで明かされたら、そりゃ逃げ道ないよ。
でもこの赤い点、位置的にセムジュではなく、オレだなぁ。
「この赤い点の意味することとは?」
セムジュ
「現状にて、召還するのに最も適したことをあらわしています。点の大きさは期待値をさしております」
だから積極的に動いていたのか。
改めて感心するよ。
しかし、オレに技術的な要素はないし、知識も一般レベルが有るかどうかだよな。
だとすれば、それら以外のものを欲しているのだろう。
ヤスオ
「ダメもとでお尋ねしますが、他の候補者のお名前を聞いても?」
セムジュ
「全員でなければ構いませんよ。
例えば、アメリカ地区でしたら「ベーカー、ウィルソン氏」
イタリアでしたら「モニカ、ベザーリ女史」
アフリカでは、前に名刺を差し上げたワンダス独立国の「国王」ですね」
あまりのビックネームにドン引きしてしまった。