その3
遂に異世界版ドアが登場します。
もう少しプロローグがありますので
ご容赦ください
ヤスオ
勤める会社はシフト制のため、こちらの休日スケジュールを伝えたあくる日、
4日後の半休の日を指定された。
当日午後
さすがに普段着というわけにはいかないだろう、久しぶりのスーツ(やべ、ぱんぱんだわ)にて目的地を目指す。
会社からは10分程、中央市場から少しの貸倉庫群の一つにセムジュさんは立っていた。
どうみても、しばらく使ってなかったような、「急遽借りましたよ」という感じ。大丈夫か?
セムジュ
「お待ちしておりました。ようこそ、ようこそ、どうぞこちらへ」
握手するなり、奥へと促す。
歩くさきは片付いてるが、周りは前の借り主のゴミ??? が散乱している。
倉庫口ではなく、橫の事務所口を案内してくれた。
「わたし一人でまわしているため、不便をかけ、申し訳ありません」
中に入ってみたら、片付いてはいるものの、やはり使用感というか事業を行っている感じがしない。
事務室全体を見渡そうとすると、周りとそぐわない感の黒い、......
高級感のあるドア???
いや扉というべきか。
全体が漆黒に金色の取利手口。
鍵穴ではなく、2つのダイアルが付いている。
子供の名探偵でなくても「怪しい」と気付くだろう。
セムジュ
「気付かれましたか?そのさきが交易先となります。少々お待ちください」
そう言って、いち早くドアの前に行き、ダイアルを回している。
「さっ、どうぞ」
ドアを開け、向こうへ催促しているんだろうが、真っ暗で何も見えない。
ものすごく躊躇する...........
「南無三」ココロのなかでつぶやきながら中へ入る。
パッと明るい部屋にでる。
部屋全体が暖かい。いや暑い位だ。
奥行きがあり、4人掛けのテーブルがいくつも並んでいる。
どうやら居酒屋か飲み屋かなにか?
褐色でムキムキの男達がいっぱいいる。
みなオレ(178cm)よりデカイ
絡まれると、生きて帰れないかもしれない
ドアの先で狼狽えていると、こちらに気付いたのか、一人の男が近づいてくる。
命の危険があるのか、やはり正面からカゼが吹いている。ダメだ、無理。
男から振り返らずにそのままあとずさる。
3、4歩ほど下がったら、事務室の黒
いドアの前にいた。ドアが閉まっている。
セムジュ
「どうされました?」
その先を言わせないよう、手を
セムジュの口元にあげる
ヤスオ
「いやあ.....無理。無理です。私には荷がかちすぎてます。この話しはなかったことにして下さい。....お願いします」
冷静さを多少取り戻し、早くここから去ろうとする。
後ろから、慌てた感じの声がする
セムジュ
「もしかしてですが、先に進めないようにカゼが吹きましたか?」
その言葉にビクっときて、立ち止まってしまう。
ヤスオ
「なっ、.......なぜそれを知っているのですか?....アナタにもその経験が.....あるのですか?」
セムジュ
「そうでしたか。....いえ、わたしにはありません。....ですが、その理由は説明できます....」
しばらくの間があき、テーブルを挟んで椅子に座った。