その18
1日一話出来るよう、がんばります
あと数回くるか?の貸倉庫に
お茶と大学ノートを準備して座る。
セムジュが調書を読み上げ、
「でははじめます。
サンザ村は人口61人、
山崩れや水害等があり、現在の地に
あるようです。
平均年齢は120歳位で、」
サッと手を挙げる。
「先生、質問です。120歳は
自分達の何歳位ですか?」
セムジュは一瞬戸惑うが
すぐに切り出してくる
「そうですね。大体50歳位
ですかね。
向こうの90歳位ですと、
まだ子供が出来る年齢ですね」
中略
村を通しての価値は、無いに等しく、
侵攻の対象にはならないそう。
隣の町まで40㌔程あり、
駅舎の無い村からは、自力で行くか
旅商人を介してでないと
連絡手段はない。
その旅商人も、年に数回程であり
ソコからしか物流や情報が
村には入ってこない。
基本、お金は持っておらず、
ほとんどは物々交換のようだ。
公衆トイレは存在しないので、
各家々で処理している。
そのためか、村全体がにおう?
家屋は木造だが、現在、大工らしき
職人はいないそう。
薬は存在するが、高価な為「寝て直す」が基本。
灯りも同じく高価な為、暗くなったら
寝てしまうらしい。
その他、いろいろノートに書いたが
「限界集落?」と感じてしまう
「都市や王都から離れた村は
そういうものです 」 とのこと
まあ、だから活動地点に選んでみたんだ。
周りの町にヤッカミを受けないよう
少しずつ、少しずつ介入していけば
国を動かすお偉いさん達に
すぐには気付かれないだろうと。
ただトイレ無しはイタイな。
においに耐えられるかどうか
街灯ないと、月明かりのみか。
アレ?...「月ってあるの?」
と聞くと、あるそうな。
行くとしても、マスクや
ランプが必須だよね。
セムジュは一通り話し終えて
「試しに行ってみます?」
みたいな顔をしている。
それに対して「嫌嫌」を示すように
クビを横に振った。