第二十四話 マゴニアの正体
30階から上の階層は、これまでのダンジョンとは異質なものだった。
無機質な階段を登りきり、最上階と思われるフロアの重厚な扉を開ける。
そこは、以前俺が垣間見た会議室のような場所だった。
中央の円卓。そして、そこに見知った顔が鎮座している。
「ようこそ。ここまでたどり着くとは、予想以上の『適合』じゃな」
長い白ひげを蓄えた老人。
大国総理だ。
その横には、威圧感を放つ巨漢、建御雷神大将が腕を組んで立っている。
「総理!? それに将軍まで! どうしてこんな魔物の巣窟に?」
猿田が驚愕の声をあげた。
尊敬していた将軍の姿に動揺を隠せないようだ。
「ここは魔物の巣窟ではない。世界の管理室『マゴニア』への接続点だ」
建御雷神が重々しく答えた。
「管理室……? じゃあ、あのアウトブレイクも、孤児院の件も、全部あんたたちが?」
ミコトが鋭い視線を向ける。
「全ては『アセンション』のためじゃ」
大国総理がモニターを指差した。
そこには『スピンフォーム』という幾何学模様が浮かんでいる。
「人類のレベル限界は40。これでは、いずれ来る第三波には耐えられん。異世界と融合し、人類という種の殻を破り、高次元存在へと次元上昇させる必要があるのだ。不適合な弱者は淘汰され、強き魂だけが新たな次元へと至る」 「そのために、弱い人間や魔物を犠牲にする実験をしていたって言うのか!」
俺は叫んだ。
あの孤児院の子供たちや、生贄にされたサンマ、そしてノードが見せた幻覚。
全てが彼らの計画の礎にされたのか。
「アセンションに犠牲はつきものだ! 大義を理解できぬ旧人類は排除するのみ!」
建御雷神が咆哮した。
その全身からバチバチと雷撃が放たれる。
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【建御雷神】
・討伐推奨レベル:150
・スキル:雷神化 全ての攻撃に雷属性を付与し、速度を倍加させる
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「オレ達の将軍が敵かよ……。だが、間違ってることは止めるのが部下の役目だ!」
猿田が斧を構える。
「無駄だ! 我にはスピンフォームより与えられし『管理者の加護』がある!」
将軍が一瞬で猿田の目の前に現れた。
速い!
猿田が反応するよりも早く、雷を纏った拳が猿田を襲う。
「ガアアアッ!」
「猿田君!」
猿田が吹き飛ばされた。
レベル113の猿田が一撃で?
「ヒサシ! 将軍のレベルがおかしいわ! さっきまで150だったのに、今は300を超えてる!」
ミコトの叫び声。
ステータスを確認すると、確かにレベル350に上昇している。
「スピンフォームの介入……。ステータスをリアルタイムで書き換えているのか?」
モニターの模様が激しく明滅している。
こいつが全ての黒幕か。
「死ねい!」
将軍が今度はミキを狙った。
俺は「リリース」を唱え、全力を開放して間に割って入った。
ドガァアアン!
凄まじい衝撃が走る。
俺は剣で将軍の拳を受け止めた。
「ほう、レベル320か。次元上昇前の人類でそこまで至るとはな。だが、理を書き換える我には届かん!」
将軍の力がさらに増していく。
レベルがまた上がっている? 400……450……。
スピンフォームが将軍の数値をいじり続けている限り、キリがない!
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