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ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL1 異世界の大魔道士、高校生になる part2
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第87話 あいつのいどころ

「そうなのか。だとしたら、どうしてなくなってしまったんだ? ……って、この話、聞いて良い感じか?」

「ああ、別に気にしないでいいぞ。悪い理由じゃあねぇからな。――あいつの父親だか母親だかどっちだったか忘れたが……どっちかの実家が地方で温泉旅館をやってんだわ。んで、そこの料理長が定年で辞める事になったとかで、代わりにその旅館で料理長をやる事になったんだとさ。よくわからんが、料理長以外の料理人たちからも、そうしてくれると助かると懇願されたらしい」


「ふーむ、なるほどな。――それで、どこにあるなんていう旅館なんだ?」

 運が良ければ、近くに転移魔法で行けるかもしれないと思い、そう問いかけてみるも、雅樹は「あー、それがだな……」なんて言って、額に手を当てて苦い顔をした。


「……おい、まさか引越し先を知らないのか?」

「あ、ああ……まあ、その……なんつーか、聞くのが恥ずかしかったっつーか、女に連絡先を聞くのはどうなんだ? まるで愛の告白じゃねぇか? みてーな色々な思いが頭の中でグルグルしちまってよ、結局聞きそびれちまったんだわ。引っ越しの日も、ちょいと仲間をボコってくれやがった野郎どもとケンカしてて見送りにいけなかったしな」

「……お前は、引っ越しの当日という大事な日に一体何をしてんだ……」

 

 一瞬、この国では女性に連絡先を聞くと愛の告白になるのか? と思ったが、そんな話は聞いた事がないので、その可能性はないだろう。


「あん時はそっちの方が重要度が高かったんだよ! ……まあ、今考えると、それ以前にちゃんと引越し先を聞いておくべきだったと思っているぜ……。地主も詳しい事は知らねぇみてぇだしな。……東北の海沿いにある温泉地らしいが」

 腕を組み、ため息交じりにそう言って首を横に振る雅樹。

 

「東北の海沿い……ねぇ……」

 さすがにそれだけじゃ分からんな。

 わざわざ引っ越すくらいだから、それなりにやってくる人が多い――名の知れた温泉地ではあるんだろうが……向こうと違ってこの国は、名の知れた温泉地なんて山程あるからなぁ……

 

「場所が分かれば旅行券で行けるんだがな……。いや、こんだけあれば、東北の海沿いを探し回れる……か?」

「いや無理だろ。東北だけで温泉がどれだけあると思ってんだ。さすがに金も時間も足りん」

「……だよなぁ……。はぁ、マジで後悔してるぜ。もっとキッチリ料理について教えて貰いたかったぜ。どうやったらあの味が出せるんだかマジでわかんねぇ……」


 後悔の理由はそこなのかい。

 ……だが、個人的にも、どこに引っ越したのか少し気になる所ではあるな。

 うーん……とりあえず桜満に話をしてみるか? 桜満の所は最高クラスの捜査力を有しているし、このくらいなら割とあっさり見つけられそうだが……

 

 なんて事を思案していると、

「そういや、透真も料理得意そうだよな?」

 と、問いかけてくる雅樹。

 

「まあ、苦手ではないな。ただし、和食はしらん。作れるのは洋食ばかりだ」

「それもそれでわけがわからんな……。でもそうか、和食は無理なのか。じゃあやっぱ駄目だな……」

 俺の返答に対し、雅樹がそんな事を呟くように言う。


「駄目というのは?」

「いや、あいつのあの味をどうやったら出せるのかサッパリだからよ、透真にも協力して貰おうと思ったんだよ」

「ああなるほどな。……残念だが、和食に関しては協力出来ないな」

 ――その『あいつ』を探す方は協力出来るかもしれないけどな、と口にしかけたが、まだどうなるか分からないので、すんでの所で飲み込み、心の中でのみ呟いた。

いかにもな伏線ですが、まあ『そこ』に関してはいずれ……

といった所でまた次回!


……その次回なのですが、今週は少々更新が難しい状況の為、次回更新は一気に飛んで10月15日(金)を予定しています。申し訳ありません……

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