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ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL1 異世界の大魔道士、高校生になる part2
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第85話 ふくびきを終えて

予定していた更新時間より大分遅くなりました……

「一応、『当たり』はしたわね」

 かりんが舞奈の抱えるヌイグルミを見ながらそんな風に言う。


「ま、まあ……これはこれで愛嬌があって良いと思います……」

 ヌイグルミの顔を見てそう返す舞奈に、

「それに関しては否定しないというか、むしろ好意的に同意するけど……」

 と、妙な言い回しをしつつチラチラと俺の持つヌイグルミを見るかりん。


 どうやら、かりんはこのヌイグルミが気に入ったようだ。

 俺の分を後で渡すか……?


 なんて事を考えていると、

「それはそれとして……! いい感じに手に入った商品券で、早速調理器具を買いに行って、それから余った分で舞奈の服を買うわよ!」

 と、告げてくるかりん。……まさに有言実行。

 

「調理器具? よくわからんが、俺も料理するから調理器具なら詳しいぜ。良い店も知っているしな」

 なんて事を言ってくる雅樹。

 

 雅樹が料理とは実に以外だ。

 

「そうなの? それじゃあ、案内して貰えないかしら?」

「おう、構わねぇぜ」

 かりんの問いかけに胸を叩いてそう答える雅樹。


 ……この流れで上手く、舞奈の服についての感想を延々と述べるとかいう、謎の苦行から抜け出せるんじゃなかろうか。

 と、ふとそんな事を思い、俺は歩きながら思案を巡らせ始めた。

 

                    ◆

 

 ――調理器具一式を購入し終えた所で、当然のように舞奈の服を買いに行く流れになったが……

「かりんの商品券――つまり、かりんの金で買うんだから、好きな物を買えばいいんじゃないか? 俺はちょっと雅樹と一緒に別の店を見て回ってから、あそこの休憩スペースで待っている事にするよ」

 俺はそんな風に言って、雅樹と共に速やかにその場から離脱した。


 ――そう、離脱する事に成功したのだ。

 

「……なんだか、月城が凄く恨みがましい目で見ていたが、いいのか?」

 雅樹がそんな事を言ってくる。


 ……それは気づいていたし、理由も当然分かっていた。

 だが! あれをもう一度やるのは、さすがに厳しいので許して欲しい!

 

 それに……

「俺がいなければ、かりんの視点だけで判断する形になるから、きっと、さっきよりもスムーズに行くはずだ。……多分」

 と、そう独り言のような感じで言葉を紡ぐ俺。

 

「まあ……よくわかんねぇが、大変な事があったのは理解したぜ」

 雅樹はそこまで言った所で一度言葉を切り、俺を見回してから、

「……つか、さっきから気になってたんだが、服を買ったんだよな? その時の荷物はどこにいったんだ? あと、あのデカいヌイグルミもそうだが……」

 なんて事を言ってきた。……さすがにそこに気付いたか。

 

「買った物はコインロッカーの中だ。邪魔だろ? ヌイグルミも雅樹が調理器具について、かりんに説明している間に同じく押し込んできた」

 本当は魔法収納空間に入れてあるのだが、もっともらしくそう告げる。


 そして「ああなるほど、そういう事か……」と納得した雅樹に対し、俺は話題を変えるべく、

「そういう事だ。そういや……かりんに対して、見た事もない調理器具について詳しく説明していたが、雅樹は料理が得意なのか?」

 と、そんな感じで話を振った――

そんなわけで(?)、ヌイグルミが2体になりました!


といった所でまた次回! 更新は10月7日木曜日の予定です!

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