第72話 アイスアイスアゲイン
「ほ、本当にアイスクリームが出来ています……」
そう言いながら、そーっとアイスクリームの盛られている器に手を伸ばす舞奈。
かりんの方はというと、
「さ、さすが魔法……早いわね……」
と、驚きすぎたからなのか何なのか良く分からないが、先ほどと全く同じ言葉を発したまま硬直していた。
「……ほら、固まってないで溶ける前に食うぞ」
そう俺が促すと、ハッと我に返ったかのような顔をしながら、器を手に取るかりん。
「はふぅ。これは実に濃厚な味ですねぇ……。でも、それでいてさっぱりしていて……とても、とてもおいしいですっ!」
先にアイスクリームを一口食べた舞奈が、とても幸せそうな感じの表情を見せながら、そんな感想を述べる。
「なんというか……物凄く冷えているのに、カチカチというわけじゃなくて、スプーンを入れると簡単に掬えるのが驚きだわ……」
「魔法の使い方次第で、カチカチにも出来るけどな。例えば……かき氷を作る時は、敢えて一度カチカチの氷塊にして、それから砕くという方法を取る場合もある」
かりんの感想に対してそう返しつつ、俺もアイスクリームを口に入れる。
うん、何度も食べた事のある味だな。ある意味、ホッと出来るふるさとの味だとも言え……いや、さすがにそれは言い過ぎか。
にしても、さすがは師匠だよなぁ……ここまで完璧に様々なバリエーションのアイスを作る事が出来る魔法を生み出してしまうのだから。
大魔道士なんて呼ばれる俺だが、そんな俺でもこんな魔法を生み出すのは無理だし、そもそもの話、この魔法の術式に関しては、未だに構造が理解出来ていないからなぁ……
正直、なにがどうなってこうなるのかさっぱりだ。
「かき氷もかき氷で美味しそうよね。まあ、まだ時期的に早い気がするけど」
「そうですね。でも、夏になったら食べてみたい気はします」
舞奈がそんな同意の言葉を紡ぎながら、空になった器をテーブルの上に置く。
……って――
「え!? もう食べ終わったの!?」
まさに今思った事を、俺の代わりに口にするかりん。
「は、はい。あまりにも美味しかったので、一気に食べてしまいました……」
なんて事を言って、少し顔を赤らめる舞奈。
「……材料的には余裕あるから、もう一回作るか?」
「えっ! 本当ですか! 是非お願いします!」
俺の問いかけに対し、舞奈が食い気味にそう返してくる。
そ、そんなに食べたいのか……
でもまあ……そこまで良い反応と表情を見せてくれるなら、作って良かったというものだ。
そして、こんな奇想天外な魔法を生み出した師匠にも感謝だな。
タイトル名、なんと付ければいいのか全く思い浮かばず、結局こんな感じに…… orz
ま、まあそれはそれとして……
次回の更新ですが……明後日、木曜日を予定しています!




