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ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL1 異世界の大魔道士、高校生になる part2
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第66話 マジックッキング1

 思いがけず明日の予定が生まれたが、それはそれ、これはこれ……というわけでスーパーでの買い物を終え、自宅――マンションへと転移する俺たち。


 そして、早速調理の準備を始めた所で、

「どうやって作るのか気になるから見ていてもいいかしら?」

 と、かりんがキッチンカウンター越しに問いかけてきた。

 

「別に構わないが……多分、参考にはならないぞ」

「……? それはどういう事かしら?」

 首を傾げるかりんに対し、『百聞は一見にしかず』という言葉がある事を思い出し、「まあ、見ればすぐ分かる」と言って、実際に工程を見せる事にした。

 

 さて……と。

 俺はスーパーの袋から冷凍パイシートを取り出すと、それを魔法でちょっとだけ温めて柔らかくし、更に重圧魔法で伸ばして型に均一に敷き詰める。

 そして、それを適当にフォークを何箇所か刺した後、冷凍庫に突っ込んだ。

 

「……サラッと自然な動きで、調理に魔法を使ったわね……」

「だから、参考にならないと言っただろ?」

「ええ、納得したわ」

 そう答えて肩をすくめてみせるかりん。


「あ、でも冷やすのは冷凍庫なんですね? 魔法じゃ駄目なんですか?」

「弱めの凍結魔法でもいいっちゃいいんだが……良い感じに調整するのが難しくてな……。そこまでして魔法を使うくらいだったら、冷凍庫の方が手っ取り早い」

 かりんの横から問いかけてきた舞奈に対し、俺はそんな風に説明する。

 

 細かい調整をしなくても、必ず一定の冷たさになる冷凍庫は、とてもナイスな代物だよなぁ……。魔法のように調整ミスして氷晶を作ってしまうような事は絶対にないし。

 

 なんて事を思いつつ、洗ったスピナケリンの葉……じゃなかった、ほうれん草とベーコンをサラダ油をひいて熱したフライパンに投入。

 塩と胡椒も入れてキッチリ炒める。このコンロも冷凍庫と同じで凄く便利だよなぁ。

 火炎魔法と違って、火力が強すぎて消し炭にしてしまう心配もないし。

 

「でも、これだけだと少なくないかしら?」

 かりんが材料を見ながらそう言ってくる。


「出来上がると結構な量になるが……そうだな。ってなわけで、他にも作ろうと思っていて、既に準備済みだ。……ま、準備済みつっても、単に元々自分用に作った物を使うってだけの話だがな」

 そう言いながら、炒め終わった物をそのまま置いておき、ボウルに卵と生クリームを入れて混ぜる。

 ある程度混ぜた所で、炒めた物を投入して更に混ぜたら、冷凍庫に突っ込んでおいた型を取り出し、型にボウルの中身を全部入れ……あとは予熱しておいたオーブンにぶっこんで180度で15分!

 

 ……と言いたいが、そんなに待っていられないので、加速魔法で加速する。

 すっとばせる所は、すっとばさないとな。

マジックッキング、あと1~2話続く気がします……

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