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ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL1 異世界の大魔道士、高校生になる part1
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第59話 魂の欠片の謎と月城家

「――とまあ、そんな感じだ」

 舞奈を部屋に運び終えた俺は、桜満に諸々の説明を行った。

 ちなみにかりんは、先程言っていた通り、舞奈を見ておくと言うのでこの場にはいない。

 

「魂の欠片が突然現れた……ね。――そして、さっきの件も最初は1つしかなかった魂の欠片が、いつの間にか3つになっていた……かぁ。どうにも奇妙な物を感じるね」

「ああ。魂の欠片が短時間かつ狭い範囲に、立て続けに顕現するなんてのは今まで見た事も聞いた事もないからな……。この地に何かが起きているか、あるいは――」

「――誰かが『魂の欠片を誘導している』か……だね」

 俺の言葉を途中から引き継ぐ形でそう口にする桜満。

 

 そう……魂の欠片は自然発生する以外に、向こうの世界で魔王が使った召喚魔法のように、何らかの方法を用いれば意図的に引き寄せる事も出来なくはない、というのは既に分かっている話だ。

 まあ、残念ながら俺にはどうやればそんな事が出来るのかさっぱりだが……

 というより、そんな事が出来るのならば、さっさと実行して纏めて倒しているしな。

 なので、もしもそんな事が出来る人間がこちらの世界にいるのであれば、その方法をなんとしてでも手に入れたいものだ。

 まあ、なんとしてでもとは言いつつも、さすがに『殺してでも奪い取る』という選択をするつもりは……ない。……ない……はずだ。多分。


 閑話休題――

「まあ、何にしても色々と調べながら様子を見るしかないな。情報が少なすぎて、如何ともし難い」

「たしかにそうだね。月城家の分析能力でも現状ではどうにもならないだろうし」

「ん? どういう事だ?」

 桜満の言葉の意味がいまいち分からず、俺は首を傾げた。

 

「うん? 月城舞奈を連れていたのは、分析能力を活用する為ではなかったのかい?」

「ああ……なるほど、そういう事か。別にそういう理由じゃないぞ。舞奈はどうしても俺とかりんについてくると言ってな。魔法を使えるようになった上に道案内役にもなるし、まあいいかと思って連れて来ただけだ」

 そう説明すると、

「――魔法を使えるように……ねぇ。月城家の者が有する分析能力……もはや異能と言っても過言ではないその力は、やはり凄まじいね……。魔法――しかも異世界の物を、ああもあっさりと会得してみせるだなんて……ね」

 顎に手を当ててそんな風に言う桜満。

 

「やはり、舞奈の持つアレは月城家の血による物なのか……」

「そうだね。アレは月城家の……直系の人間であれば必ず有している物だよ。だからまあ……遺伝するタイプの物だと考えて良いと思う」

「遺伝するタイプの特殊能力、か。まあ……向こうの世界でも、竜に変身出来る人間――いや逆か。人間に変身出来る竜とかが居て、その変身能力は遺伝する物だったし、別におかしな話ではないな」

「それと一緒にするのはどうかと思うけど……まあ、そうだね。そして遺伝するからこそ、月城家は昔から今に至るまでずっと変わらず、強い発言力――各方面への影響力を持ち続けている……というわけさ」

 そう言って桜満は両手を左右に広げる。

 

「なるほど、色々納得だ」

 ……いやはや、なんとも厄介な家だな。

 まあ、月城家に発言力があろうが影響力があろうが、舞奈は舞奈でしかないし、どうでもいい事ではあるが。


 ……だから、もし舞奈が『家』の影響で困った事態になったりしたら、俺は発言力や影響力を超える魔法力でねじ伏せる事も辞さないだろう。

 ……かつて、一国の王すら黙らせた事があるし、それよりは容易いというものだ。

 

 ――何故だかわからないが、ふとそんな事を考えている俺がいた。

何かが裏で蠢いているようですが……?

といった所でまた次回! 次の更新は明後日……日曜日になる予定です……


※追記

2022年11月30日に、次の第60話との間に外伝を6話ほど追加しました。

その為、第60話は外伝の後になっています。

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