表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL1 異世界の大魔道士、高校生になる part1
59/503

第58話 撃破し終えて

「やれやれ、今度こそ片付いたな。もっと簡単に片づくと思ったんだがなぁ……」

 腰に手を当て、ため息混じりにそう言って首を横に振る俺に、

「2つの欠片をいつの間にか取り込んでいたのは、さすがに想定外だったわね……」

 なんて事を言いながら、異形から元の姿へと戻ったばかりの、金髪の青年の方へと視線を向けるかりん。

 

「どうにか……エンド、出来ました……ね……」

 そんな声と共に片膝をつく舞奈。

 む。これは……魔法の使いすぎの症状……か?

 

「ま、舞奈!? どこか負傷でもしたの!?」

 慌てるかりんに対し舞奈は、

「い、いえ……もの……凄く、眠い……んで――」

 と、最後まで言い終えるよりも先に片膝をついたまま動かなくなった。

 いや、眠ってしまった。……なんというか、器用な寝方だな。

 

「ちょ、ちょっと!?」

「大丈夫だ。それは魔法の使いすぎによって、肉体疲労と精神疲労が限界を突破した事で、身体が自身を回復させる為に睡眠状態に入っただけだ」

 驚くかりんを安心させるため、そう告げる俺。

 

「え? そ、そうなの?」

「ああ。舞奈が魔法を使いこなせるようになったのは今日だからな。肉体も精神も魔法という現象を行使する事に慣れていない。だから、使いすぎるとこうなるんだ」

「な、なるほど……。えっと……これって、放っておいて大丈夫なものなの?」

「まあ、魔法による重度の疲労……のようなものだから、肉体と精神が回復すれば勝手に目覚める。放っておいても大丈夫だが……さすがにすぐ回復するものではないから、舞奈の部屋に送り届けないと駄目だな」

「な、なるほど……。放っておいても大丈夫なら一安心ね」

 かりんはそこで言葉を切り、ホッと一息ついてから、続きの言葉を紡ぐ。

「あ、舞奈の部屋に送った後は私が見ておくわ。さすがにそっちは放っておけないし」

 

 ……目覚めた時に、回路異常――二日酔いに似た症状が出るかも知れないから、その可能性を考えると、介護出来る者がいた方が良いのはたしかだな……

 

 そう思い、それを口にしようとして止める。

 今の俺が『二日酔いに似た症状』という言葉を発するのは、どうかと思ったからだ。

 というわけで、

「……そうだな。魔法の使用による疲労は、目覚めた後も、発熱とか頭痛とか目眩といった症状を一時的に引き起こす場合がある。誰かが見ていた方が良いだろう」

 と、そう言い換えた。


「……それ、あまり安心出来ないんだけど……? まあいいわ、もしそういった症状が出た場合も、きっちり見ておくわ」

「ああ、そうしてくれると助かる。俺が毎日足を踏み込むのもどうかと思うしな……」


 かりんとそんな会話をしていると、桜満がこちらに歩み寄りながら、

「ご苦労さん。――でもまさか、月城舞奈が魔法を使うとは想定外だったよ」

 なんて事を言ってくる。

 まあ、そうだろうな。それに関しては、俺も想定外だし。

 

「俺が魔法の基礎と使い方について教えたのは昨日なんだが……。まさか、こんなに早く会得するとは思わなかった」

「ふむ? ……その辺についても、詳しく説明して欲しい所だね」

 俺の説明に腕を組んでそう返してくる桜満。

 

「ああ、分かっている。全て纏めて説明しよう――と言いたい所だが、その前に舞奈をこのままにしておくわけにもいかないし、先に部屋へ運んでしまおう」

 俺は桜満に対してそんな風に答えると、片膝をついた状態で眠っている舞奈を抱え上げるのだった。

魔法反動再び、という話でした。

MP:0は危険です。SAN:0よりはマシですが(何)


さて、次回の更新ですが……やはり1日空けての明後日、金曜日の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ