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第125話 通路の謎

 涼太たちは、隠し部屋を調べるついでにスイッチの方も調べてみると言ってきたので、スイッチの件は任せて、俺たちは通路を進む事にした。

 

 そして、しばらく狭い通路を一列に並んで進んでいった所で――

「通路が左右に分かれているわね……」

 と、かりんが言った通り、左と右に通路が分岐している場所へと出た。

 

「左の通路は少し広いが、右の通路は狭いままだな」

 俺が左右の通路を交互に見てそう口にすると、

「まあ、広いと言ってもギリギリ2人並んで歩けるくらいですけどね……」

 なんて言ってくる舞奈。

 そしてそのまま俺の方を見ると、

「それで、二手に分かれますか? それとも、全員でどちらかに進みますか?」

 という問いの言葉を投げかけてきた。

 

 俺はそれに対して、「うーん……」と腕を組みながら考え込んだ後、

「――効率を考えるなら二手に分かれた方がいいが……何かあった時に対処しづらいから、全員で進んだ方が良いな」

 と、結論を口にした。

 

「で、どっちに進むのー?」

 舞奈に代わってそう問いかけてくるセラに、

「どっちでもいいが……まあ、少しでも広い通路の方がいいか。左にしよう」

 と返し、左の通路へと顔を向ける俺。

 

「それにしても、どうしてこちらの通路だけ、少し広いのでしょう?」

 通路を眺めながら、そんなもっともな疑問を口にする紡。

 それに対して、

「わからないけど、行き交えるくらいの広さである事を考えると、それなりに人が通ったんじゃないかしらね?」

 と、そんな風に返すかりん。

 

「まあ、ここまで通ってきた通路の横幅じゃ、反対側から人が来たらどうにもならないからなぁ……。反対側から人が来る可能性があるんなら、行き交える程度の広さを確保するのは当然か」

 俺がそう呟くように言うと、紡がそれに対して頷き、

「たしかにそうですね。となると、この先にはそこそこ人の出入りがあった……という事になるのでしょうか?」

 という疑問の言葉を口にする。

 

「でもさー、ここから急に広くしても、ここまで来る通路が狭かったら意味なくないー?」

「たしかにそうね……。言っておいてなんだけど、別の理由があるのかもしれないわね」」

 セラの発言に対し、かりんが顎に手を当てながらそんな風に言う。

 

「ま、とりあえず進んでみよう。その理由とやらが分かるかもしれないしな」

 俺はそんな風に告げ、左の通路へと歩を進めた。

 

 すると、少し進んだ所で通路は右へと曲がっており――

「あれ? ここからはまた狭くなっていますね」

 という舞奈の言葉通り、そこから先の通路は再びひとりしか通れない程の狭さに戻っていた。

 

「妙な構造だな……ここの通路だけ広いとか。何かここだけ広くする理由がある……のか?」

「ブッルゥブッルゥ。ご主人、ここを詳しく調べてみるブルー?」

 俺の呟きに対し、ブルルンがそんな風に問いかけてくる。

 

「いや、一旦通路の先を調べてみよう。何かここに関する情報とかがあるかもしれないしな」

 俺はそう告げて、奥へと続く通路へと足を踏み入れる。

 

 通路は少し進んだ所で右へ曲がり、更に少し進んだ所で再び右へ曲がっていた。

 ……って、これ――

 

「これ……あの分かれ道に所に戻りません?」

「そうね……。なんだかそんな気がするわ……」

 俺が思った事を、舞奈とかりんが口にする。

 

「ブッルー。先に見てくるブルよー」

 ブルルンがそう言いながら、加速して正面へと飛んでいく。

 そして程なくして、

「ブッルルー! さっきの分かれ道ブッルゥー!」

 という、ブルルンの声が通路の先から響いてきた。

 それを聞いたセラと紡が、

「ぐるっとまわるだけー?」

「一体、この通路になんの意味があるのでしょう……?」

 と、呟くように言った。

 

「どこかにまた隠された扉のようなものがあるのかしらね?」

「そうですね。これまでの状況から分析すると、先へ進む為の道は隠されていると考えるのが妥当だと思います」

 かりんに対して頷きながらそう舞奈が言う。

 

 舞奈の分析で、そう結論が出たという事は、確実にどこかに隠し通路の類があるという事になるな。

 となると、怪しいのは……あそこだろう。

 

「――少しだけ横幅の広かった辺りが一番怪しいな」

「そうね。あそこだけ広いとか、どう考えても不自然よね」

 かりんが俺の発言に頷き、そう返してくる。

 そして、それに続くように舞奈が、

「はい。私もあの場所が怪しいと思います」

 と告げてきた。

 

「じゃあ、あそこまで行ってみよー!」

 そんな風に言ってくるセラに対して、「そうだな」と返し、ブルルンと合流しつつ、通路の幅が少し広かった場所へと移動する俺たち。

 

 そして、到着するなり、

「どこにあるのか分からない以上、手分けして手当たり次第に調べてみるしかないわね」

 と、言ってくるかりん。

 

 たしかにその通りなので、

「そうだな。こっち側と奥側に分かれて、左右の壁と床をひとりずつ分担して調べていくのが良さそうだ」

 と返す俺。

 それに対して、

「いわゆる、ローラー作戦ですね。たしかにそうするのが一番手っ取り早い気がします」

 と、舞奈。

 

 そう言えば、こっちではそんな言い回しだったな……

 なんて事を思っていると、紡が、

「それで、どう分かれます?」

 という問いの言葉を口にした。

 

「ブッルルー。ブルルンは奥へ行くブルよー」

「それなら私も奥にするー」

 ブルルンとセラがそんな風に言ってくる。

 

「ブルルンが奥へ行くなら、俺は手前の方がいいな」

 そう俺が言うと、かりんがそれに続くように、

「だったら、私が奥へ行くわ」

 と、言ってきた。

 という事は……奥から調べるのが、かりん、セラ、ブルルンで、手前から調べるのが、俺、舞奈、紡か。

 

「じゃあ、セラ、ブルルン、かりんの3人は奥からこっちに向かって調べてくれ。、俺を含めた残りはこっちから奥へ向かって調べていくとしよう」

 俺はそんな風に告げ、そして思う。


 さて、どこに何が隠されているのやら……だ。


 と。

今回は本来想定している長さより若干長い程度なのですが、やはりかなり短く感じますね……

とはいえ、本当は全体的に各話、このくらいの長さで収めたいのですが、なかなか……


とまあ、そんな所でまた次回!

次の更新ですが……申し訳ありません、都合により2日ほど更新出来ない(というか、次の話を書く事が出来ない)状態となる為、次の更新は1月20日(月)となります。

ただ、今回は2日だけで済むので、その次からは平時通りに戻れると思います。

(そこから平時通りだと間が空きすぎてしまうので、何回か前倒しする形で調整するかもしれませんし、そのまま何もせず平時に戻すかもしれません)

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