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第23話 ガールズトーク? イン・オンセン

今回は舞奈視点です。

 ――舞奈たち。

 

「ほっほーう。これはこれでありだね」

 そんな感想を口にした咲彩さんに、

「何がどうありなのか良く分かりませんが、気に入っていただけたのなら良かったです」

 と、そう返す私。

 ……発言を分析出来ないので、何も考えずに口にしているだけなのでは……という思いも若干ありますが、まあいいでしょう。

 

「うむ。これは最高だな。半日でも浸かっていられる」

「それ、のぼせる……」

「……人形だとのぼせない……とか?」

 ギネヴィアさんの発言に、カナさんとミイさんがそんな風に言います。

 

「のぼせる。咲彩の宿でも同じ事言ってたから試してみたら、のぼせた。お陰で色々と面倒だった」

 そう返事をしながらギネヴィアの方を見る弥衣さん。

 そして、それに続くようにして、

「あー、そうだね。あれはなんというか……面白かったけど大変だったね……」

 なんて事を言いつつ、同じくギネヴィアの方を見る咲彩さん。

 

「うっ、そ、その、マイレディに咲彩殿、あの時はすまなかった……。もうしないゆえ、それ以上は許してくれないだろうか……」

 ギネヴィアさんが顔を赤くしながら弥衣さんの後ろに張り付く――というか、隠れました。

 

「まあ、ウチの温泉も気に入ってくれるのはありがたいけどね。……温泉のお陰で、最近は雅樹もほぼ毎日来……んあっ! い、今のなし!」

 発言の途中で唐突に慌てて手を左右に振る咲彩さん。

 

 しかし、

「「「……詳しく」」」

 と、カナさん、ミイさん、弥衣さんが同時にそう返しました。

 

「え、えっと、いや、た、大した事じゃないから……うん」

「「「「「詳しく」」」」」

「舞奈とギネヴィアまで追加された!?」

 咲彩さんが驚きと焦りの入り混じった表情でそんな返事をします。

 

「いや、その、た、単に雅樹の部屋とボクの部屋を転移魔法のゲートを繋いだからね? それでその……せ、折角だから? 前みたいに夕食に誘ってる感じでね? そのついでに温泉に入って帰っていく感じでね? う、うん」

 諦めたような表情になりつつ、妙に疑問符の多い話し方をしてくる咲彩さん。

 

「そもそも、緋村さんの部屋と咲彩さんの部屋を繋いでいるのが色々とおかしいのですが……?」

「お、おかしくはないよ!? ないから! ほら! ボクの転移魔法って透真と違って、刻んでおける印の数が少ないから、最小限にしようとすると、そうなるというか……ただそれだけだから!」

 私の問いかけに対して、咲彩さんがそんな返し方をしてきます。

 

 ……最小限にするにしても、別にそれぞれの部屋に印を刻んでおく必要はないのではないかと思いますが……

 と、ツッコミを入れようとしてふと思いました。

 

 ……部屋同士?

 

 ……はっ! そ、そう言えば、透真さんの転移魔法は私の部屋と透真さんの部屋に印が……っ!

 

 その事に気づき、急に顔の熱量が増し始める私。

 

 ……そ、そう言えば、あれをそのままで良いと言ったのは私ですね……!

 ま、まあ、透真さんは特に気にしていないようですが……

 いや、それはそれで少し残……って、違います! 

 何を考えているんでしょう、私は!

 

 唐突に思考が迷走し始めたせいか、

「……なんで舞奈が顔を赤くするの? 咲彩なら分かるけど……」

 と、弥衣さんに突っ込まれてしまいました。

 

「あ、いえ、その、まあ、色々と想像しまして……」

 ちょっと慌てながらそう返事をすると、

「いやいや、舞奈は一体何を想像したのさ!? ボクと雅樹はそこまでじゃないよ!?」

 なんて事を、咲彩さんも慌てながら言ってきました。

 

「そこまで、とは?」

 ギネヴィアさんが鋭く問いかけます。

 

「い、いや、その、た、大した意味があるわけじゃないというかなんというか……。む、向こうがあまりにも意識がなさすぎて、大した事にならないというか……」

 なんて事をしどろもどろに口にする咲彩さん。

 

「……大した事になりたい……という事?」

「はうっ!? い、いや、んぐっ……」

 ミイさんの言葉に、もはや茹で上がりすぎた咲彩さんがそれだけ呟くように言って、湯船の中に沈みました。

 まあ、すぐに息が続かなくなって出てきましたが。

 

 ふぅ、どうにか私の方に深く突っ込まれるのを回避しましたね……

 ……代わりに咲彩さんが更に深く突っ込まれる結果になってしまいましたが、まあ……自分から口にしてしまっている部分もありますし……

 

                    ◆

 

「……う、うう、なかなか酷い目にあった……。でも、最後の壁は防いだ……」

 廊下を歩きながらそんな事を私に呟く咲彩さん。

 ……防げていたんでしょうか……? と思っていると、

「いきなりなにを言ってるんだ? お前は」

 という声が聞こえてきました。

 

「ひゃうっ!? ま、雅樹!? な、なんでもないよ! うん、なんでも!」

 唐突に現れた緋村さんに驚き、咲彩さんが慌てふためきます。

 

「そ、それよりどうかした!?」

「お、おう。なんか、咲彩が持ってきた物の中に、どう使えば良いか分からない物があるから咲彩に話を聞きたいって守部さんが言ってたからよ。そろそろ風呂から出てくるだろうって思って来てみたんだわ」

 食い気味に問う咲彩さんに対して、少し圧倒されながらそう告げてくる緋村さん。

 

「守部さん?」

「あ、沙恵子さんの事ですね」

「あ、なるほど。うーん……どう使えばいいか分からないもの、かぁ……。たしかに言われてみると、向こう特有の物も混ざっていた気がするね」

 納得した咲彩さんがそんな事を呟きながら、考え込みます。

 

 そして、しばらく考え込んだ所で、

「……あ、良い事思いついたよ! 沙恵子さんにも話してみよう!」

 と、人差し指をピッと立てながら言いました。

 

 ……一体、何を思いついたのでしょう?

今年最後の更新(話)は、なんとも言い難い内容に……


ま、まあそんな所でまた来年もよろしくお願いいたします!

次の更新も普通に予定通りとなりまして、1月3日(水)の想定です!

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