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第21話 咲彩たちとの合流

 咲彩の家へと転移すると、すぐ近くで咲彩たちが待っていた。

「おーい、迎えに来たぞ」

「あ、透真、待ってたよ」

 

「……って、なんだその袋の山は」

 咲彩の足元にいくつもの白い袋――レジで数円追加で払うと、品物を入れてくれる白いビニール袋――が置かれている事に気づき、そんな疑問を口にする俺。

 するとそれに対して、

「舞奈のおじいさんの家に泊まるって言ったら、お母さんとお父さんが『それならこれを持って行け』って……」

 と、そう咲彩が答えてくる。

 

 ビニール袋の中を覗いてみると、中にはこのあたりの名産品がいくつも入っていた。

「なるほど、手土産か。……俺はなんだかんだで『魔法』という手土産を渡したが……」


「……手土産として渡すものなのか? そいつは……」

 俺の発言を聞いた雅樹が、ちょっと呆れ気味にそう返してくる。

 ……うんまあ、たしかにあれを『手土産』と言うのはどうなんだ? と、俺も思っているけどな……

 

「それって、舞奈のおじいさんの資質を調べたって事だよね?」

「ああそうだな。風、闇、時という、いかにもな感じの資質だったんだが……俺の手持ちの魔導具とはイマイチ噛み合わなくてな。どちらかと言うとかりんの符術の方が噛み合いそうな感じだった」

 紘都の問いかけに対してそう返事をした所で、符術の使い手の事を思い出し、

「あ、そうだ。そう言えば、向こうで俺たちの手伝いをしてくれるっていう人も、かりんと同じ符術を使うっぽいんだ」

 と、そんな風に言いながらかりんの方へと顔を向ける俺。

 

「え? そうなの? それ、どんな人でどんな符を使うのか興味があるわね」

「今日の夜に来るらしいから、その時に会ってみればいいんじゃないか?」

「へぇ、それはたしかにちょうどいいわね。色々と『今の』符術について聞けそうだわ。私の符術は『古い』ものだし」

 かりんが俺の発言に対し、そう返しながらウンウンと首を縦に振ってみせる。

 

 まあたしかに、かりんのは数百年前の術式だしな……

 なんて事を思いつつ、

「ま、とりあえずゲートを開くぞ」

 と告げて、その場にゲートを開く俺。

 

「この庭、広くない……?」

「もの凄い豪邸感がある……」

 鈴花と弥衣がゲートの先に見える庭を眺めながら、そんな事を呟く。

 

「実際、結構な広さだぞ。家に温泉まであるらしくて、ブルルンが歓喜しながら先に入りに行ったし……」

「あ……。ブルルンが来ていないのって……そういう理由だったんだ……ね」

 ブルルンがこの場にいない理由を知った霊体――じゃなくて、カナがそんな風に返してくる。

 

「相変わらず、温泉好きのぬいぐるみってのが良く分からない……」

「ふむ、そうか? 私もぬいぐるみではないが人形であるが、風呂の類は好きだぞ。温泉に浸かりたいという気持ちは同じ使い魔として理解出来るが」

 呟いたミイに対してそんな風に返事をするギネヴィア。

 それを聞いていた弥衣が、

「……使い魔は、お風呂とか温泉が好きっていう共通事項がある……?」

 なんて問いの言葉を投げかけて来た。

 

「いや、そんなものはないはずだが……」

 曖昧にそう返事をする俺。

 使い魔の資質を持つ魔道士で、そこまでの話をするような親しい人間は、向こうの世界にいなかったからなぁ……良く分からないのが正直なところだ。

 

「ところで……この庭って、ボクも印を刻んで大丈夫な感じかな? こっちにも転移出来るようにしておくと、色々と便利だと思ったんだけど、あくまでも舞奈のおじいさんの家であって、舞奈の家じゃないから、庭に勝手に印を刻むのもなぁ……って」

 既にゲートをくぐって向こうへ移動していた咲彩が、こちら側を見ながらそんな風に問いかけてくる。

 たしかに言う通り、咲彩も転移出来るようにしておくと便利だな。


「そんな殊勝な思考あったんだな。俺ン家――つーか、俺の部屋にいきなり踏み込んできて、勝手に印を刻んでいきやがるような、ふてぶてしい奴なのによ」

「言い草ぁ! 一応、ちゃんと刻むよって言ったじゃん!」

「本当に『言っただけ』じゃねぇか!」

「うんまあたしかにそうだけど! でもほら……雅樹は、あー、その……良く知っている相手だから、そういう事も出来るけど、舞奈のおじいさんは良く知らないわけだし……」

 なんて事を話す雅樹と咲彩に、

「好きな所に印を刻んで構わないって言ってたし、大丈夫だとは思うが……まあ、一応舞奈のおじいさんに聞いてみたらどうだ?」

 と告げる俺。さすがに駄目とは言われないだろうけどな。


「あ、うん、そうだね。すぐに会うだろうし、その時に聞いてみるよ」

 俺の返答に対して咲彩がそんな風に言ってきた所で、

「そうだな。つーか、とりあえず舞奈たちの所へ行くとしようぜ。この荷物を家の人に渡さないと駄目だしよ」

 と告げながら、左右の手にぶら下げていたビニール袋を持ち上げてみせる雅樹。

 

「ああ、早速行くとしよう」

 俺はそう返しつつ手近のビニール袋を手に持ち、再び舞奈のおじいさんの家へと戻るのだった。

思ったよりも会話が長くなったので、一旦ここで区切りました。

……結果、迎えに行って戻るだけの展開に……

次はもうちょっと進めるようにしたい所です……


とまあそんな所でまた次回!

次の更新も予定通りとなります、12月27日(水)を予定しています!

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