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第7話 倉庫と力と霊気

「霊力が増した……という事なのかしらね? なにか心当たりでも?」

「ううーん……特にないんですよね……。それに強く感じられるようになってからも、最初の頃はかりん先輩から霊的な物を感じてしまったり、カフェ全体で邪悪な物を感じたりしてしまったりと、明らかにあり得ない――誤った感覚が働いてしまうような不安定さでしたし」

 かりんの問いかけに、璃紗がそう答えてくる。

 

「そ、そうなの。それは、その……たしかに不安定ね。ええ」

 そう返すかりんを眺めながら、それは不安定じゃないな……。むしろ鋭いくらいだ……うん。なんて事を思う俺。

 まあ、当然ながらかりん自身もそう思っているようだが。

 

「はい。ただ、最近は安定していて、あまりそういう誤った感覚は働かなくなっていたんですよ」

 と、璃紗が言ってくるが、それを感じなくなったのは、舞奈を繋ぎ止める術式や、カフェに張り巡らされた結界の影響によるものだろう。

 そして、霊力が増したのも、璃紗自体がホムンクルス体だからと考えて良さそうだ。

 もっとも、どうしてそういう影響が出たのかはよくわからないが……

 

 そんな思考をめぐらせていると、

「――ですが……今さっきは、こう……ばっちりくっきりしっかりと強い霊的なもの……それもなにやら邪悪なものを感じ取りまして、それで、どうにも気になって見に来たんですよ。まあ……これといって何もありませんでしたが……。やっぱり、まだ少し感覚が不安定なのかもしれません」

 そんな風に璃紗が言ってきた。

 

 璃紗自身は『感覚』が不安定だと思っているが、実際には最初から何も誤っていない。むしろ正常であり鋭敏だ。

 となると、璃紗はこれといって何もなかったと言っていたが、やはりここには『何かがある』と考えた方が良さそうだな。

 そう思い、

「いや、俺やかりんも同じように感じたから、今回に関しては少なくとも正常な感覚――感知だと思うぞ。たしかに、見た感じこれといって何もない。だが、それこそが逆に妙であるとも言える」

 と、そんな風に告げる俺。

 

「ええ、そうね。3人とも霊力――もっと言えば、邪な霊気を感じていながらも、その場所にいざ来てみると何も感じない……。そんな事は普通に考えたらありえないわ。何らかの隠蔽、あるいは別の何らかの力が働いた事で、霊力が相殺されている……と、そう考える方が妥当というものよ」

 かりんが頷きながら俺の考えに肯定し、そう言ってくる。

 

「というか、その双方である可能性が高い気がするぞ。なにしろ、結界に引っかかりながらも、その反応が消えた感じだからな」

「なるほどね。つまり……『結界が反応した』という『反応』を認識した誰か、あるいは何かが、結界を無効化する力を発生させて打ち消した……と、そういう事かしら?」

 顎に手を当てつつそんな風に返してくるかりんに、俺は腕を組みながら、

「ま、そういう感じだな」

 と言って、周囲を見回す。

 

「……前々からなんとなくそんな気はしていましたが、おふたりとも『そっち』系の人なんですね」

 璃紗がそんな風に問いかけてくる。

 って、そういえば璃紗にはしっかり話していなかったな……

 

「ま、『そういう事』よ。――『千堂』とは別だけれどね」

 かりんがそんな風に返事をすると、それだけで納得した表情を見せる璃紗。

 

 うーん……。これはあれか? 璃紗の家――千堂家は、以前チラッと桜満から聞いた、大昔からこの国の霊的な防衛を担う家のひとつ……とか、そんな感じなのか?

 なにしろ、かりんは『千堂』とわざわざ言ったからな。

 それはつまり、かりんが巫女だった時代には、既にそういう家として存在していた……と、そう考えるのが妥当というものだ。

 実に詳しく知りたい所だが、今はこの倉庫から感じた『反応』の方が先だな……

 

「――この倉庫だが、千堂が来る前に最後に立ち入ったのが誰なんだろうな? 千堂は何か知ってたりするか?」

「いえ、さすがにわからないですね。……あ、でも……何か新しい置物が搬入されるから、その置きスペースを確保しておいて欲しいとマスターに言われて午前中に片付けましたね」

 俺の問いかけに対し、璃紗がそう返してきた。

 

「はぁ……。また何か買ったのね……」

「そうみたいですね……」

 額に手を当て、呆れながら言うかりんにそう返す璃紗。

 

 まあ……なんだ? 正直そればっかりは如何ともし難い話だしなぁ……

 と思いつつ、

「それなら、何を買ったのかマスターに聞いてみるのが一番早いか」

 と、そう答える俺。

 

「それもそうね。……でも、ここも一応見張っておいた方がいい気がするのよね……」

「なら、俺はここで待っているから、ふたりで聞いてきてくれ」

 かりんの言葉に、たしかにそうだなと考えた俺は、そんな風に返す。

 

「ええ、わかったわ」

「では、ちょっと聞いてきますね」

 そう言って倉庫から出ていくふたりを見送った俺は、改めて倉庫内を見回す。

 

 さて……と。ここらで何かが『動いて』くれると手っ取り早いんだがな……

 と、そんな事を思いながら――

更新日の設定が誤っていました……

今更気づいて、手動で更新しました……


さて、そんなところでまた次回!

次の更新は予定通りとなりまして、11月8日(月)を想定しています。

つ、次は更新日を設定を間違えないようにしたいです……

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