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第4話 応接間という場所

「お待たせしまし……って、かりん先輩たち!?」

 璃紗は驚きの表情と声でそう口にした後、

「戻られていたんですね」

 と、問いかけてきた。

 

「ええまあ、さっき帰ってきたばかりという感じだけれど。あと、向こうから色々連れて来たわ」

 かりんにそんな風に言われた璃紗は、「色々……ですか?」と言いながら俺たちを見回す。

 そして、

「あれ? 咲彩姉さん?」

 と、咲彩の存在に気がついたらしく、問いの言葉を発した。

 

「やっほー、ひさしぶりだねー」

 なんていう返事をする咲彩に続くようにして舞奈が問う。

「あれ? 咲彩さんと面識があるんですか?」

 

「あ、はい。行事とかでちょっとした食事やお弁当が必要な時には、基本的に咲彩姉さんの所に頼んでいましたから。……それ故に、引っ越してしまわれたのは残念でした」

「そう言ってくれると、嬉しいね。まあ、これからはちょくちょくこっちに来ると思うから、よろしくね。さすがに料理や弁当の配達は出来ないけど」

 咲彩は残念そうな顔をしている璃紗に対してそう答えた所で、なにやら考え込み、

「……いや、出来る……のかな? う、うーん……?」

 なんて事を呟き始めた。

 

 ……まあたしかに『ゲート』で行き来が出来るから、配達とかも可能かもしれないが……桜満や亜里沙辺りに何か言われそうな気がしないでもない。

 

「まあまあ、お話は後にして、とりあえず応接間まで案内してちょうだいな」

 マスターがそんな風に促すと、璃紗は、

「あ、そうでした。――みなさん、こちらへ」

 と言って、俺たちを誘導する。

 

「中もなかなかのホラーテイスト」

「そうですね。ただ、かりん先輩や舞奈先輩が言っていた通り、お客さんが多いからか、怖さはほとんどないですね」

 弥衣と紡が周囲を見回しながらそんな感想を口にする。

 

「そうですね。逆に営業時間外は、結構怖いですよ」

「私たちはそんな遅くまでいないからあれだけど、色々あって深夜まで残っていたバイト仲間とかは、なかなかの恐怖度だと言っていたわね。……特に、急にマスターが現れた時はシャレにならないとかなんとか」

 璃紗に続くようにしてかりんがそんな風に言う。

 そして、そこに更に俺が、

「まあ……マスターは、時々気配が消えていたりするしな」

 と、付け加えるように言った。

 

 ……本当にあのマスターは何者なのだろうかと思う事が時々ある。

 実は裏で暗殺者をやっているとか言われても驚かないくらいだ。

 まあ、看破魔法で見てもそんな経歴はなかったんだけど。ウチの担任――結城先生と違って。

 

 もっとも、黒野沢や黒志田のように看破しても『教師』という経歴しか分からない場合もあるから、なんとも言えないが。

 

 なんて事を考えている間に、『応接間』へと辿り着く俺たち。

 

「おおお、これはまた雰囲気がある」

「というか、ありすぎじゃない? なんだか不気味な空気すら『感じられる』よ」

「そうですね。ちょっとだけ妙な寒さを感じます」

 弥衣の発言に続く形で、そんな事を口にする鈴花。

 

「あ、皆さんもそう思うんですね。実はこの部屋だけ、異様に雰囲気が怖いと評判でして……。まあ、かりん先輩と透真先輩はご存知でしょうけど」

 などと言ってくる璃紗に対し、

「ま、まあ、そうだな」

「え、ええ、そうね」

 とだけ答える俺とかりん。


「……? なんだか良く分かりませんが、とりあえず注文が決まったらまた呼んでください」

 首を傾げながらそう告げる璃紗に対して、「わかったわ」とかりん。

 その返事を確認した璃紗は、そのまま部屋のドアを閉めて去っていった。


「……それで、なにかあるんですか? この部屋」

 舞奈が即座にそんな質問をしてくる。

 ある意味さすがだな……なんて事を思いつつ、

「いや、実は古い時代に作られたと思われる呪具の類があってな……」

 と、答える俺。そしてそれにかりんも続く。

「ええ、そうなのよね……」


「……これ、よね?」

 鈴花が一見すると何の変哲もないただの樽へと歩み寄り、それをじっと見つめながらそんな風に言ってくる。

 

「たるっ!?」

 そんな声を発した咲彩に、弥衣が肩をすくめながら、

「どうしてそんなどこかの錬金術士みたいな反応……?」

 なんて返す。


「ブルッ!」

 今度はセラがブルルンの声真似をしながらそう口にする。なぜにブルルン……?

 って、そう言えば今までは街中だった事もあって、ブルルンを外に出していなかったが、ここなら出してもいいな。

 なんて思っていると、

「そう言えば、ブルルンちゃんもギネヴィアちゃんもここなら出してもいいかもしれませんね。――って、そうではなくて! あ、危なくないんですか!? それ!」

 と、途中で思い出したかのようにツッコミをいれる紡。

 

「なに、大した呪力はないから問題ない。周囲の熱を少し奪う程度の物だしな」

 驚きの声を発する紡に対し、俺は腕を組みながら、そんな風に答えるのだった。

某錬金術士(師ではない)のゲームは、樽があったらとりあえず調べたくなります(何)


とまあそんな所でまた次回!

次の更新も予定通りとなりまして……10月28日(土)を予定しています!

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