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第3話 一行とホーンテッドな遭遇

 自動改札や人の多さであれこれあったりしたが、とりあえず無事に隣駅へ到着した俺たち。

 無論、隣駅にも転移で行けるんだが、一応『慣れる』という意味で敢えて電車で来た感じだ。


 そして、そのままかりんのバイト先――ホーンテッドカフェへと移動。


「ここがそうだな」

 目の前の幽霊屋敷――ではなく、カフェへと顔を向けながらそう告げる。

 すると、その外観を眺めながら、

「凄く、幽霊屋敷」

「そ、そうですね。いかにもって感じがします」

 と、弥衣と紡がそんな感想を口にする。まあ、もっともな感想だな。

 

「外観はちょっとおどろおどろしいけど、なんだかんだでやってくるお客さんが多いから、中はあまり恐ろしさはないわよ」

「そうですね。もっとも、個室ならば他の部屋や部屋の外の音とかはまったくと言って良いほど聞こえないですし、幽霊屋敷の雰囲気はありますけどね」

 かりんの言葉に補足するようにそう告げる舞奈。

 

「カフェに個室があるのって、なんだか珍しい感じがするね。私が知らないだけかもしれないけど」

「私たちの住んでいる所にも、あるにはありますよ。まあ、そんなに多くはないですが」

 咲彩に対して紡はそう返事をした後、一呼吸置いてから弥衣や俺たちを見て、

「それで、どうしますか? とりあえず入りますか?」

 という問いの言葉を投げかけた。

 

「うん、折角だから入ろう」

「気にはなる」

 弥衣とミイがそんな風に言いながら頷く。

 無論、俺たちは特にそれに対して異論はないので、そのまま全員で店内へと足を踏み入れる。

 そして……

「ひぅっ!?」

「……っ!?」

 弥衣とミイが驚いた。というか、ちょっと恐怖が混ざっている。

 

 ……まあ、わからんでもないが。

 なにしろ、

「いらっしゃいませぇー……って、かりんちゃんに透真君じゃない。どうしたの? 北の果てに行ってたんじゃないの?」

 という声の主――ガチムチマッチョのマスターが、全身真っ黒な出で立ちで入ってすぐの所に立っていたのだから。

 

「マスター、いきなり驚かせたら駄目じゃないですか……。一番ホラーなのは、そこに立っているマスターなんですから」

 かりんがそんな風に言うと、マスターは頬に手を当てながら、

「ちょっとぉ、かりんちゃんそれどういう意味よぉ。まあたしかに? ここに立っていると、大体入ってきたお客さんに驚かれるのはたしかなんだけどぉ……」

 などと複雑な表情で言って、弥衣とミイを見た。

 

「ほー。ここへ来たのは始めてだが、すげぇ筋肉だな。俺もあのくらいの筋肉が欲しいぜ」

「あー、うん、まあ、程々に頑張ればいいんじゃない?」

 雅樹の呟きに対し、何故か咲彩が頬を人差し指で掻きながら、そんな風に返す。

 そのふたりの会話を聞きながら、

「ちなみに、北の果てというわけではないですよ」

 と、マスターに対して一応訂正しておく俺。

 

「あらぁ? そうなのぉ?」

 首を傾げながらそう問いかけてくるマスターに、紡が返事をする。

「まあ、本州の最北端だと言われたら、たしかにそうかもしれないですけどね。私たちの住んでいる所は、そこまで最北端でもないですが」

 

「私たちの住んでいる所? ――ああー、なるほどねぇ。今日は向こうのお友達を連れてきたってわけねぇ」

「ええ、まあ……そんな感じです。見たいって言うから……」

 マスターの発言に頷きつつ、ちょっとだけため息混じりに答えるかりん。

 

「というわけで……今日は客として来たんですけど、個室って空いてますか?」

「ええ。ちょうどいい具合に、一番大きい部屋が空いているわよぉ」

 かりんの問いかけに対し、マスターが即座に頷いてそんな風に返してくる。

 お、それはまさにちょうどいいな。

 

「じゃあ、そこでお願いします」

「ええ、わかったわ」

 マスターは頷きながら俺にそう返すと、バックヤードへ続くドアを開け、

「璃紗ちゃーん、そっちの作業は一旦中断していいから、ちょっと応接間に『お客さんたち』を案内してくれるー?」

 と、告げた。


 ……うん? 今、何故か『お客さんたち』の所が強調されていたような……

 というか、今日は璃紗のバイトの日だったのか。


 マスター、わざわざ璃紗を呼ばなくても……

 と思ったが、それが言葉になるよりも早く「すぐ行きます!」という返事と共に、璃紗がバックヤードから出てくるのだった――

というわけで(?)ホーンテッドカフェへとやって来ました!


とまあ、そんなこんなでまた次回!

次の更新も予定通りとなりまして、10月25日(水)を予定しています!

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