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ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL2.5 異世界の大魔道士、東北から帰る
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第32話 説明と見つけたもの

 とりあえず『ちょうど良かった』について聞く前に、こちらの状況を説明してしまおうと考え、俺はこれまでの出来事を一通り話し、最後に、

「とまあ、そういうわけで擬似封印を行う為に紡の魔法が必要なわけだ」

 と告げて、紡の方へと顔を向けた。

 

「なるほど、障壁魔法を封印として応用しようというわけですか。分かりました、すぐに行きましょう! ばっちりやってみせます!」

 ずずいっと俺に近寄り、食い気味にそう言ってくる紡。

 俺はその勢いに少し後退しつつ、

「あ、ああ。よろしく頼む」

 とだけ返す。……あまりの勢いにそれしか返せなかったともいうが。

 

「ところで、今さっき咲彩が『ちょうど良かった』と言いかけていたが、何か見つけたのか?」

「あ、うん、実はテンプレそのものな地下へと続く隠し階段を見つけたんだよ!」

 俺の問いかけに対し、そんな風に返してくる咲彩。

 

 テンプレそのものって……。まあたしかに、こういう『何かが隠されている建物』って、地下へと続く隠し階段が定番みたいな所はあるよなぁ……。向こうの世界でも結構見かけたし。

 というか、新たな魔法の開発の為に人間を実験体として使っていた連中も、砦の地下を使っていたな。世界が違っても、その手の奴らの思考は同じって事なんだろうか……?


 なんて事を思っていると、雅樹が咲彩の言葉を引き継ぐように、

「んで、ちょいとばかし地下を覗いてみたんだが、石壁を木で補強したような造りの通路があってな。なかなか広そうな感じだったから、こいつは全員で探索した方が良いんじゃねぇか? って話をしていた所なんだ」

 と、そう説明してくる。

 

「今の透真の話からすると、多分、捕らえた人たちを監禁しておく部屋とか、実験――儀式用の部屋とかがありそうな感じだよね」

「ですね。奥へ行こうとする咲彩ちゃんを静止して正解だった気がします」

「……静止なんて穏便なものじゃなかったけどね?」

 紡に対して、咲彩が抗議めいたジトッとした目を向ける。

 

 また障壁でふっ飛ばされたか、あるいはアイアンクローなる名前の『鷲掴み』でもされた感じだろうか?

 なんて事を思うも、俺はそれについては何も触れずに、

「ま、奥に行かなくて正解だったのは間違いないと俺も思うぞ。上の奴を封印したら全員で踏み込むとしよう。ふたりはここで見張りも兼ねて待っててくれないか?」

 とだけ告げる。

 

「おう、了解だぜ。地下から何かやべぇのが出てきたりしたら、誰かが対処しねぇとまずいもんな」

「だね。もし化け物とかが這い出してきたら、外に出ちゃう前にここで倒さないと駄目だよね。うん、任せといて!」

 ふたりのそんな返事を聞いた俺は、

「そうそう何か出てきたりはしないと思うが、もし出てきた時は任せた」

 と言い残すと、再びかりんたちの所へと向かう。

 

 そして……相変わらずというべきか、なんの怪奇現象も起きなければ、なにかが襲ってくるような事もなく、あっさりとかりんたちの所へと辿り着く俺と紡。

 

「あ……れ……? 随分と……早いね?」

 少しだけ驚き気味に言ってくる霊体に、

「ああ、怪奇現象もなければ、襲いかかってくる奴もいなかったからな」

 と答える俺。

 

「何もなかった? もしかしてもう弾切れ? それとも、これまでのは全てこの異形の怨霊が原因で、かりんが拘束しているから何も出来ない?」

 ミイがそんなもっともな疑問を口にする。

 

「現状では何とも言えないな。それ以外の理由も考えられるし」

「それ以外……。例の『下』からの?」

「その通りだ。あくまでも可能性のひとつだけどな」

「なるほど」

「まあ、その辺りはこいつを疑似封印して下を調べれば分かるってものだ。もっとも、俺の想定通りにいってくれれば……だけどな」

 ミイに対してそう返事をしながらアンデッドを見る俺。

 その俺に続くようにして紡がアンデッドへと視線を向け、

「あれが話に出てきた咲彩ちゃんを一度殺害したという奴ですか」

 と呟いた。


「ま、今の咲彩なら返り討ちに出来ると思うわよ。って、それはそれとして、そろそろ疑似封印を試してみましょ。徐々に重くなってきてるのよね……」

 かりんが拘束を維持しつつそんな風に言ってくる。

 おっと、いかん。

「ああすまん。早速、試してみるとしよう」


「はい、分かりました。それで、私はどの障壁魔法でなにをすればいいんですか?」

 頷きつつ問いの言葉を投げかけてくる紡。

 それに対して俺は、 

「やる事自体はそこまで難しいものではない……と思うんだが、まずは――」

 と切り出し、思いついた疑似封印のやり方を、紡とかりんに説明し始めた。

思った以上に会話が長くなってしまったので、一度ここで区切りました……


次の話の分も既にほぼ出来ているのですが、現状だと更に長くなってしまいそうなので、ちょっと1話で収まるように調整しまして、明後日8月20日(日)に更新しようと思います!

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