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ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL2.5 異世界の大魔道士、東北から帰る
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第24話 かりんのもとへ

 邪悪な霊気の感じる方へと走る事しばし、ガキィィンという硬い金属同士の衝突音が俺の耳に届く。

 

「っ! 今のは……!」

 驚きの表情と共にそう言ってくるギネヴィアに対して俺は、

「明らかに武器のぶつかる音……つまり、かりんだな。このタイミングで聞こえるという事は、まだ始まったばかりといった所か。急ぐぞ!」

 と返しつつ走る速度を上げる。

 

「待って……来る!」

 ミイが警告の言葉を発した直後、燃え盛る鬼の仮面――鬼火が次々と姿を現す。

 

「足止めってわけか……。だが、こいつら程度で止められると思うなよ! ――メナリフスードワイル!」

 そう言い放ち、先程と同じく鬼火を纏めて凍てつかせる俺。

 

「邪魔をしないで貰おうかっ!」

「おまけ……」

 そんな事を言いながらギネヴィアが斬撃で、霊体が青い塊を投げつけて、それぞれ俺の魔法によって凍てついた鬼火を吹き飛ばしていく。

 

 というか、霊体にあんな攻撃手段あったのか……と思いつつ、

「「次が来る前に一気に駆け抜けるぞ!」

 と告げて、再び駆ける。

 

「今の青い塊……なに? あんな攻撃使えたの?」

 走りながら俺と同じ疑問を抱いたらしい弥衣が問いの言葉を発した。

 

「……セーラー服の幽霊に刺さった槍……アレ、霊力の塊だった。……同じような事が出来ないかと思って試してみた……。けど、残念ながら槍の形には出来なかった……」

 なんて事をため息混じりに言って首を横に振る霊体。

 

「霊力の槍か……。魔法剣を生み出すのと同じような要領でいけそうな気もするな」

「なるほど……魔法剣……。興味深い……。詳しく知りたい……教えて……」

「それは構わないが……さすがにこの場で教えている余裕はないから、後で状況が落ち着いてからな」

 俺の発言に興味を抱いた霊体に対し、そう返事をして廊下を駆け抜ける。

 

「さっきから戦闘音が続いてる……」

「音の大きさからするとすぐ近くのはずだが……」

 弥衣の発言に俺がそう返事をしながら周囲を見回す。

 

 と、そこで霊体が左の壁をすり抜けていくのが見えた。

 ……ん? こっちか?

 

 無詠唱で魔法弾を叩き込み、壁を破壊する俺。

 

「ひぅ……! いきなり壊すの……なし……」

 霊体が驚きながらそう抗議してくる。

 

「だが、お陰でショートカット出来たようだ!」

 ギネヴィアが声を大にしてそんな風に告げてきた。

 改めて壁の向こう側へと視線を向けると、かりんと怨霊が鍔迫り合いをしている最中だった。かりんはこちらに気づいたようだが、反応する余裕はなさそうだ。

 

 ギネヴィアは「ふっ!」と軽く息を吐きながら急加速。

 何故かこちらの存在に気づいていない怨霊との間合いを一瞬で詰めると、怨霊の背後から勢いよく剣を振り下ろした。

 

「グゴガァアァァアァァァアァアァァァッ!?!?」

 意表を突かれた形になった怨霊は、その斬撃をまともに喰らい、大きく仰け反る。

 そして、その隙を逃すかりんではなかった。

 

「どっせぇいっ!」

 なんともな掛け声と共に、反りの大きいグレイブ――ナギナタ……というんだったか? ともかくそれを横薙ぎに振るい、怨霊を両断。

 その一撃によって怨霊は、

「ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲンンッ!!」

 という怨嗟の咆哮と共に、青白い靄となりながら霧散していった。

 

「ふぅ……。良い所に来てくれたわね。思ったよりも強くて、私ひとりじゃ防戦一方だったから助かったわ……」

 そんな風に言ってくるかりんの後方には、セーラー服の幽霊がいた。

 

 どうやら追いついていたみたいだな。

 とりあえず、この幽霊から詳しく話を聞――いや……駄目だな。

 

「復活……した?」

「違う。複数いるっぽい」

 ミイと弥衣がそれぞれ廊下の先と後ろを見ながらそう口にした通り、ギネヴィアとかりんが今しがた消し去ったばかりの怨霊とほぼ同じ姿をした怨霊どもが、まるで天井から落下してくるかのようにして、その姿を現す。

 ――その数、4体。


 まずはこいつらを片付けないと……

かりん側の視点の続きから……と思ったのですが、テンポが悪いだけだったのでスッパリと切ってしまいました(なんだかんだで2.5章(SCROLL2.5)も話数が嵩んでしまっていますし……)

今更ですが、この屋敷の探索部分は3章(SCROLL3)の冒頭に回すべきだった気も、ちょっとしていたりします……


とまあそんな所でまた次回! 次の更新も平時通りの間隔となりまして、7月30日(日)を予定しています!

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