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ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL2.5 異世界の大魔道士、東北から帰る
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第21話 フレッシュゴーレムとホムンクルス

「む? あの幽霊、ミイ嬢の持つ人形と何か妙な波動を互いに発して共鳴しているぞ?」

 ギネヴィアがそんな事を言いながら首を傾げる。

 

「つまり、この人形に封じ込められている魂と何か関係がある?」

「うむ。その可能性は大いにあると言えよう」

 ミイの問いかけに対してギネヴィアがそう返事をした所で、その幽霊に対して槍が一直線に飛来。幽霊の脚に突き刺さった。

 

「っ!? ミイ嬢! その人形を放すのだ!」

 慌てた様子でギネヴィアがそう大声で警告しつつ、ミイの方へと接近する。

 

 だが、ミイの方はその警告の反応出来ず――

「え?」

 ミイの持つ人形の脚から血が噴き出して、ミイの服の一部をその血で染めた。

 

「……血でべっとりする……」

 なんて事を言ってくるミイに、

「仕方ないな……」

 と、ため息混じりに返し、洗浄の魔法を使う俺。

 

 すると、ほどなくして血が消えた。

 元々は屋外で汚れを落とす時に使われた魔法なので、こうして服についた血を消し去る事も可能だ。

 

「ありがとう……。さすがに急すぎて反応出来なかった……」

「でも……幽霊と同じ場所から出血? ……どういう事?」

 ミイと霊体が唐突なその現象に理解が出来ず、そんな風に呟くように言ってくる。

 

 いやまあ、俺も完全に理解出来るわけじゃないが……

「推測ではあるが……おそらく、あの幽霊と人形は『繋がっている』んだろう。だから、幽霊が傷つくと、本体――人形と一体化するような感じで囚われている方――が、傷つくわけだ」

 と、そう推測を口にする。

 

「でも……これ人形……。出血ってありえる……の?」

 霊体がそんなもっともな疑問を投げかけてくる。

 それに対して俺が答えるよりも先に、

「……血や涙を流す呪いの人形はホラーの定番」

 なんて事を言って、首を縦にウンウンと振ってみせる弥衣。

 

「そうだな。ただ、これはそういったホラーな呪いの人形とはちょっと違う」

 ミイの持つ人形に顔を向けながらそう告げる俺。

 

 それに対してミイが「というと?」と小さく口にしつつ首を傾げる。

 更に霊体の方も、同じく意味が分からないようで首を傾げてみせた。

 

 ……まあでも、普通はそういう反応になるか。

 と思いつつ、俺は告げる。

「これは人形というよりかは、一種のフレッシュゴーレムの類だと言った方が正しいのだろう」

 

「フレッシュゴーレム?」

「なに……それ?」

 ミイと霊体のみならず、ギネヴィアと弥衣もそんな反応を示す。

 

「――簡単に言えば、石や木、粘土などの代わりに、死体を継ぎ接ぎしたものを使って生み出されたゴーレムの事だな」

「……つまり、ホムンクルスみたいな感じ?」

 俺の説明を聞いた弥衣がそんな風に問い返してくる。

 それに対して、なるほど……と思いつつ、

「ああそうか、そうだな。たしかに小型のホムンクルスだとも言えるな」

 と、答える俺。

 

 たしかに弥衣の言う通り小型のホムンクルスだと言えるな……これは。

 まあ、幽霊と共鳴させるとかはそれとは完全に別物であり、むしろゴーレムの挙動に近い所があるが。

 

 そして同時に――

 ……しかし、そうなるとこれはある意味、対処しやすい……のか?

 なんて事をふと思う俺だった。

本日、何気にギリギリの更新だった為、調整しきれていない部分があります。

後ほど調整するかもしれません……


といった所でまた次回!

……なのですが、今週は色々と予定が詰まっており、あまり余裕がない為、申し訳ないのですが平時よりも1日多く間が空きまして、次の更新は7月21日(金)を予定しています。

とはいえ……今の所、その次の更新からは元の間隔に戻れる想定です。

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