表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL2.5 異世界の大魔道士、東北から帰る
314/503

第17話 二手にわかれて

「……どうする? 二手に分かれて片方がここを調べて、もう片方は上の様子を見てくる?」

 弥衣がそんな風に言ってくる。

 

「そうだな……。それほど厄介な存在とは思えないし、全員で行く必要もないだろう。そうするか」

 俺がそう告げると、

「うーん……。ボクが行くと、殺られた時の恨みがあるから問答無用で浄化しちゃいそうだし、ここは透真に任せるね」

 なんて返事をしてくる咲彩。……まあ、わからなくはない。

 

「なら、俺と咲彩はこのままここを調べておくぜ」

「でしたら、私もここに残りますね。もう調べ始めてしまっていますし」

 咲彩に続くようにして、雅樹と紡がそんな風に言ってくる。

 

「だとしたら、残りの面々――私、透真、弥衣、ミイの4人で上に行く形でいいかしらね?」

「問題ない」

「同じく」

 かりんの問いかけに対し、弥衣とミイが簡潔にそう答える。

 

「ああ、俺も特に異論はない。早速、この4人で上へ向かうとしよう。……っと、まずは階段を探さないと駄目か」

 そんな風に俺が言うと、咲彩が、

「あ、それなら裏口――そこの廊下を右に向かって一直線に進んでいくと、突き当りに人形の置かれた部屋があるんだけど、その部屋の反対の襖から廊下に出て更に進むと、左右に分かれている場所に着くんだけど、そこを右に行けばあるはずだよ。裏口に向かって逃げている時に、そっちに階段があるのが見えたから」

 と、そう告げてきた。

 さすが、一度来ているだけはある……と言うべきか。

 

「なるほど……。なら、その通りに行ってみるか。まずは人形の置かれている部屋だな」

 そう俺が口にした所で、

「あ、ちなみに私が来た時は、そこの襖、ここの部屋と同じ様な感じで髪の毛で封じられていて入れなかったんだよね。なんかセーラー服を着た亡霊みたいなのが出てきたら、髪の毛が消えたんだけど」

 なんて事を付け足すように言ってくる咲彩。

 

「なにそれ」

「まだ、その類がいるわけね……」

 揃って呆れ顔でそんな事を言う弥衣とかりん。

 

「ま、もし復活してたら吹き飛ばしてしまえばいいだろ。とりあえず行ってみるとしよう」

 俺はそう言うとこの場は3人に任せ、かりん、弥衣、ミイと共に、咲彩の言葉に従う形で廊下を一直線に進む。

 

 途中に部屋や分かれ道があったが全て無視して、一直線に進んで行くと突き当りが見えてきた。そして、

「咲彩の言っていた通り、左右に部屋が見えるわね。左が壊れた障子で、右が襖で、それぞれ廊下と仕切られているようだけど……」

 と、かりんが言う通り、たしかに部屋がふたつあった。

 

「どうやら、髪の毛はなさそう?」

「咲彩の行動がきっかけで消えたまま?」

 ミイと弥衣がそんな風に言ってくる。

 

 襖を封じていた『何か』を偶然破壊したって所だろうか?

 そう思った直後、唐突に床と天井から現れた髪の毛が、襖を覆い出した。

 

「急に出てきたわね……」

「私たちの接近に気づいて進路を塞ごうとしている?」

 かりんとミイのそんな発言に対し、やれやれと首を横に振りながら返事をする。

「かもしれないな……。まあ、吹き飛ばすか」

 

 俺は自身の身の丈と同じくらいの大きさがある赤熱する岩のハンマーを生み出すと、それを勢い良く襖に叩きつける。

 襖が吹っ飛んでいき、

「ぎひぃいいいぃぃぃいいぃぃいいいぃぃぃぃぃっ!」

 というくぐもった声の悲鳴と共に、伸びている最中だった髪の毛も溶けるように消えていった。


「まさに、ホラーブレイク」

 ボソッとそんな風に呟く弥衣に対してかりんが、

「まあ、怨霊も反撃されるとは思っていなかったでしょうね、きっと……」

 と、肩をすくめながら返すのだった。

思ったよりも長いと思ったので、更新直前に区切りなおしました。

(その為、更新が平時より5分程遅くなってしまいました……)


次の話は半分以上出来ている状態の為、次の更新は明後日(7月8日(土))を予定しています!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ