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第135話 黒志田との接触

「言われてみると、たしかに理由をひとつに絞らなければいけないというものではないな」

「はい。透真さんの『思い浮かべた理由全て』が、『錬金術師がミイさんを捕らえた理由である』可能性は十分にあると、私は思います」

 舞奈が俺に対して頷きつつ、そう返してくる。

 

 まあ……『分析』の結果がそうなのであれば、『可能性は十分』どころか『ほぼ確実』と考えていいな。

 

「でも……私の本体――ミイにそこまで固執する理由は……? ミイには何が……?」

「たしかにミイは、色々な術式の核になっていたブルけど、どうしてそういった色々な術式の核になれるのかは謎ブルねぇ……」

 霊体の疑問の声に続く形で、ブルルンもそんな風に呟く。

 

「そこは現時点ではさっぱりだな。魔力なり霊力なりの波長が特殊だとか、何かの特殊体質だとか、そういった感じなんだろうとは思うが……」

 と言いながらミイの方を見る俺。

 するとミイが、

「ん……。そう言われても、これと言ってピンとくるものはない……かな?」

 なんて事を考える仕草を見せながら言い、そして首を傾げた。

 

「ま、そうだろうなぁ……。とりあえずこの件についてはこれ以上考えようがないし、黒志田の所へ行くとしよう」

 ついつい、話し込んでしまったな……と思いつつ、そう告げる俺。

 

「あ、そうですね。案内します!」

 舞奈が俺に対してそう返してきた所で、

「私はちょっと『学校』を見てみたい」

 と、そんな風に言うミイ。

 

「じゃあ、私が付き合うよー。ブルルンも付いてきてくれないー?」

「ご主人、どうするブ……と思ったブルけど、聞くまでもない話ブルね」

 セラの問いかけに対してブルルンがそんな事を言って、セラの横へとスッと移動した。

 

 う、うーん……。これは良く分かっていると喜ぶべきなのだろうか?

 それとも、指示される前に動く事に対して突っ込むべきなのだろうか?

 ……まあ、セラの頼みだから俺の指示と同等と言えば同等だが。

 

 なんて事を思いつつ、ミイたちと別れ、舞奈、そして霊体と共に黒志田の所へと向かう俺だった――

 

                    ◆

 

「ん? 君は……校舎の脇で何かやっていた術者か。こちらの看破を逆に看破してきた上に、悠々と逃げられてしまったんで警戒していたんだが……いやはや、実にあっさりと突破されてしまったものだ」

 黒志田のいる教室に入るなり、黒志田が俺の方を見てそんな風に言ってくる。

 

「あの程度で俺をどうにか出来るとは思わん事だ」

 俺は、敢えてそんな風に尊大な感じで言葉を紡ぎ、肩をすくめてやった。

 要するに軽い挑発だ。

 

「あの程度……ね。これでも僕はそれなりに優秀な方だと自負しているんだが……。ま、さすがは100年以上に渡って積み重ねてきた特大の術式を粉砕してのけるだけはある……と褒めておくべきかな?」

 黒志田が腰に手を当て、やれやれと言わんばかりの表情でそんな風に言う。

 

 ……一見、挑発に乗るつもりなどないと言いたげな仕草と返事だが、口を開く前に、一瞬ではあったが忌々しげな表情を見せた事を俺は見逃していない。

 

 その事を告げて更に挑発するかどうか考えていると。

「……私を、あの……使われていないトイレに……縛り付けたのは……貴方?」

 そんな問いの言葉を霊体が口にした。

 まあでも、霊体としては気になる話ではあるよなぁ、それ。

 

「まさか、トイレの花子さんもどきの幽霊が、トイレの拘束術式を破った上でこんな風に話しかけてくるだなんて意外だね。その通りだとも言えるし違とも言えるし……と言った所かな?」

 黒志田が霊体の方を向きながら、そんな風に言って首を横に振ってみせる。

 

 ……その通りだとも言えるし違うとも言える? ……どういう事だ?

ようやく、黒志田と直接会話する所まで来ました……


といった所でまた次回。

次の更新は、平時通りの間隔となりまして、5月15日(月)を予定しています!

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