表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
291/503

第132話 帰還……の前に

 しかし……闇の者ども――おそらく錬金術師どもの事だろう――の口車……。そして、精神を飲まれ……か。


「今の声は……。どういう事……?」

 ブルルンたちのもとに戻った所で、そんな呟きを発するミイ。

 俺はそれに対し、

「ミイを使ってカナを蘇らせようとしていたのは、奴らによって、精神を操られていた……から……なのかもしれないな……」

 と、そんな推測を告げる。

 

 まあ、精神を操る術というのは、素の状態では非常に成功しづらいものなので、もし推測通り操られていたとしても、そこには何らかの『術の成功率を高める要因』があった事になる。

 今回の場合ならば、当人にもカナを蘇らせたいという想いと、それとミイに対する負の感情も少しはあって、それが要因――心の隙になっており、そこを突かれた……と、そう考えるのが自然ではあるのだが、敢えてそこは言わないでおいた。

 

「なる……ほど」

 ミイはそれだけ呟いて何かを考え始める。

 

「……とりあえず……これで終わった……?」

 そんな風に問いかけてくる霊体に対し、俺が答えるよりも先に、

「ブッルブッル! 危険そうな魔力とかは感じなくなったブルね! もうここで何かが起こる可能性はなさそうブルよー。ただ、ちょっと空間が安定していないブルから、ご主人の得意な転移は、ここからだとちょっと使えなさそうブルゥ……」

 と、周囲を見回しながら答えるブルルン。


 言われてみると、たしかに転移門の魔法が上手く発動しなさそうな『感覚』があるなぁ……

 この『感覚』……久しぶりすぎて、すっかり気にしていなかったな。向こうの世界では割とあちこちで感じていたんだが……

 

 そんな事を思いながらスマホを取り出し、

「ま、そういうわけだ。一応ここに学校――正確には時計塔だが――の残骸がある事は桜満に伝えておいた方が良いだろうが、再びアンデッドが現れたりするような事はないだろう」

 なんて口にして、そしてそこでふと思い出す。


 そう言えば、黒志田を確保したと言っていたな……という事を。

 

 あの後どうなったんだろうか? 何か情報は得られたのだろうか?

 という疑問を抱いた俺は、その旨をメッセージで問いかけてみる。

 転移出来るなら、転移で直接移動した方が早いんだけどな……などと考えていると、すぐに舞奈からのコールが来た。


『あ、透真さん。取り込み中との事でしたが、そちらでは一体何が……?』

 通話――ビデオ通話とかいう相手が見える状態での通話――状態にすると、開口一番そんな風に問いかけてくる舞奈。

 

 って……良く見ると舞奈の周囲に、全員ではないが他の面々が集まっているな。

 どうやら向こうは俺の声が周囲に聞こえる状態になっているようだ。

 

 そんな機能あったなぁ……未だにいまいち良く分からん所が多いんだよなぁ……

 なんて事を思いながら同じような状態にする俺。

 そして、このまま説明するのが一番手っ取り早いな……と、そんな風に考え、「ああ、実は――」と切り出して、ここであった事について舞奈たちに話す。

 

 ……

 …………

 ………………

 

「――とまあ、そんなわけだ」

『まさか、そんな大ボスみたいなのが現れるとは想定外でした』

 俺が説明を終えた所で、舞奈がそんな風に言ってくる。

 

「まあ……透真が瞬殺した……けど」

「既に死んでるから瞬殺っておかしくないー?」

 なんて事を横から霊体とセラが口にする。

 

『なんにせよ、単独で撃破したのよね? 相変わらずとんでもないわね……』

 という、ちょっとだけ呆れた声で言ってくるかりんに、

「いや、思っていた以上に脆かったから、黒い月と天球儀の双方を破壊した事で、かなり弱体化していたようだな。まあ、どういう理由で今更その姿を現したのかが良くわからんが……」

 と、そう返す俺。

 

『例の異空間でセラがウニョーンと呼んでいた存在の根幹――黒い月の『意志』のようなものが奴らの本体で、黒い月の破壊によって、その力を大きく削がれて出現した……とかなのかしらね?』

『でも、黒い月で襲ってきたのって『目』だったよね?』

『だとしたら、本体は天球儀に存在していて、そこから遠隔操作みたいな感じで、黒い月の俺たちに攻撃を仕掛けてきた……のか?』

 かりん、咲彩、雅樹がそんな事を言ってくる。

 

「……なるほど。その可能性は割と高いかもしれないな。ミイを拘束していたのも『本体』で、だからこそ各地に分体……のような存在を送り込めた……と考えると、色々と辻褄が合う」

 俺はそこまで口にした所で、黒志田が何か知っているんじゃ……? と思い、

「――その辺りについて、黒志田には聞いてみたか?」

 と問いかける。

 

「いえ、そういう話はまだしていませんね。早速聞いてきましょう」

 ……うん? 聞いてくる? その場にはいない……のか?

舞奈たちのと会話が思った以上に長くなってしまったので、一旦ここで区切りました……

結果的に、今回はあまり進展のない地味な話に……そして思ったよりも話数が嵩んでしまっているという状況に……

当初の予定では、もうSCROLL3に入っているはずだったのですが、まだ終わっていないという……

まあ、早い内になんとかSCROLL2は終わりにしたいと思っています……


とまあ、そんなこんなでまた次回! 

次の更新は、かなり出来ているので明日……と言いたい所なのですが、ちょっと所用の都合により難しい為、明後日5月7日(日)に更新する予定です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ