表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
260/503

第101話 錬金術師と魂の欠片

「おお、錬金術……。金や賢者の石が作れる?」

 なんて事を唐突に言い出す弥衣。


「いえ、残念ながらあの錬金術では作れませんね。霊薬も爆弾もちょっと無理です」

「武具も作れない?」

「作れませんね。というか……そんな万能な錬金術は、冒険者じみたアトリエ持ちの人間にしか、多分扱えませんね」

「残念……。なら錬成――」

 

 そんな会話を舞奈と弥衣が続ける横で、錬金術師という言葉を呟いていた亜里沙が、

「まさか、ここでその名が出てくるとはね……」

 と、ため息交じりに呟いた。まさに俺と同じ思いだ。

 

「それで……。その錬金術師が天球儀を?」

「そう。カナのお父さんから『費用』を受け取って時計塔と一緒に作った」

 俺の問いかけにそう答えるミイ。


「こう言ってはなんだけど……山奥の村にしては随分とお金があったようだね? 何か利益率の高い産業があったのかい?」

 顎に手を当てながらそんな問いの言葉を投げかけた亜里沙に対し、ミイは首を横に振ってから、

「あの村にそんなものはない……。というか……『費用』はお金で出したわけじゃない。山で幾つか発見された赤い結晶石……。魔術や錬金術に関わる者であれば、どんな高値であっても手に入れたがるとかいうその石を、錬金術師はお金の代わりに受け取った……」

 と、告げた。

 

 ……って、待て待て。赤い……結晶石?

「その赤い結晶石……とやらは、一体どういう感じの代物なんだ?」

「――もしかして、こんな感じだったりするのだろうか?」

 俺の問いかけに続く形で、スマホの画面をミイに見せる亜里沙。

 そこには、例の錬金術によって精製された破壊の化身――その『魂の欠片』を結晶化した代物の写真が映し出されていた。

 

 そして、それを見たミイが、

「そう。そんな感じだった」

 なんて、サラッと返してくる。

 

 マジか……。錬金術師に続いてこいつまでこんな所で出てくるとは……

 いや……錬金術師の存在が出てきた時点で、こいつが出てきてもおかしくはない話か……

 

「賢者の石……?」

「いえ、全然違います。これはもっと物騒で危険な代物です」

 再びの弥衣の疑問にそう舞奈が返した所で、

「それって、破壊の化身……とかいう奴の魂の一部みたいなもの……なんだっけ?」

「ああ、そういや宿で透真から聞いた説明の中に、そんなのがあったな」

 と、咲彩と雅樹が口にしつつ俺の方を見てくる。

 

「そうだ。その通りだ。こいつは破壊の化身という強大な存在の魂――その欠片だ」

 俺がそんな風に説明すると、

「まあ……欠片といっても、人間を異形の魔物へと変貌させたり、自身の魂を移し替える為の肉体を生み出す事が出来たりと、なかなかにとんでもない力を持っているけど……ね」

 と、付け加えるように言うかりん。


 かりんの発言を聞いた咲彩が、

「異形への変貌ねぇ……。ちゃんと元に戻れるんなら、変身ヒーロー的な感じの使い方も出来たりするのかなぁ?」

 なんて事を呟いた。


 ……その発想はなかったな。

 たしかに、状況次第ではあるが完全な一方通行ではないからなぁ……

 方法によってはそういう手段も……


 ……いや、やっぱり駄目だ。

 『戻らなくなってしまう』リスクや、『生命力を消耗しすぎる』リスクがありすぎる。

 

 そんな事を考えていると、

「異形……。変貌……? 学校で階段から落ちそうになった時に……?」

 という鈴花の呟きが耳に届く。

 しかしその直後、その呟きを遮るかの如く、雅樹が少し声を大にして口を開く。

「――咲彩の場合は、変身ヒーローじゃなくて怪人になりそうだけどな」

 

「なんでさ!?」

 当然の如く、雅樹の言葉に憤慨する咲彩。

 しかしそんな咲彩に対し、雅樹は肩をすくめてみせながら、

「ブンブン飛び回ってチクチク襲いかかるだろ? どう考えても羽虫系怪人じゃねぇか」

 なんて返す。


「ぐぬぅ……! それなら雅樹は怪人アイアンクローだよ!」

「おう、それはそれで格好いいな」

「ぐぬぬぬぬぬぅっ!」

 更に憤慨する咲彩を見ながら、

「相変わらず仲が良いねぇ。僕たちもああいうのやってみる?」

 などと鈴花に声をかける紘都。


「う、うーん……。あれはちょっと真似出来そうにないかなぁ……」

 と、頬を掻きながら返す鈴花。


 ……雅樹の奴、強引に鈴花の思考を変えたな……

 というか……言うべきか迷って、まだ話していなかったが……雅樹も紘都も、何気に『あの件について』気づいていそうな感じだ。

 近い内に、あの件の真実も話さないと駄目な気がするなぁ……これは。

ようやく出て来た感がありますが、章(SCROLL2)としてはもう終盤なので、今回は割とあっさりめな登場だったりします。


といった所でまた次回! 次の更新は、明後日2月19日(日)を予定しています!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ