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第49話 校門と塀と

「黒志田という教師は、まだ居るのかしらね?」

「わからんが……もし、まだ居るなら今度は捕まえて話を聞きたい所だな」

 かりんの問いかけに対してそう答えつつ、セラと自分に跳躍力を強化する魔法を使い、校門を乗り越える俺。

 セラがまず俺に続き、そこからかりん、舞奈、そして跳躍力を強化する魔導具を使った雅樹、亜里沙と続いていく。

 

「……いや、あの……みんな平然と飛び越えてるけど、そんな跳躍力を得る魔法、私にはないよ? セラちゃんに使った魔法、私にもかけてくれないかな?」

「あ、僕が使うから大丈夫だよ」

 呆れ気味に突っ込みを入れてくる鈴花に、サラッとそう返し、跳躍力を高める魔法を鈴花に使う紘都。

 

 ……ああそうか。結界や障壁などを展開する魔法を応用すれば、校門や塀くらいなら簡単に乗り越えられるはずだと思ったが……呪符や魔導具だと、そういう使い方をするのは無理か。うっかりしていたな。

 

 ちなみに、咲彩も跳躍力を高める魔法は使えないのだが……

「おおーっ! 本当に瞬間移動出来たよっ!」

 と、そんな風に言っている通り、こっちは短距離を瞬間移動する魔法を使って学校の敷地内へと入ってきていたりする。

 

 この瞬間移動魔法は、転移しているわけではないので、壁をすり抜ける事は出来ない。

 だが、一時的に小さな光球になって高速移動するという仕組みの為、校門のように隙間がある所であれば、すり抜ける事が出来るという特徴がある。

 また、間にあるのが奈落――谷とかであれば、そもそも引っかからないので、跳躍力を高める魔法よりも移動面で有利な場合もある。

 なにしろ、跳躍力を高めても届かない距離であっても、直線上に地面なり床なりがありさえすれば移動可能だからな。

 

「これがあれば、相手の後ろに回り込める……ねっ」

 なんて事を言いつつ、雅樹の真後ろに回り込む咲彩。

 しかし――

「あいたっ!」

 後ろに向かって放たれたチョップが額に炸裂した。

 

「先にそれをバラしたら、こうやってカウンターを食らうけどな?」

 そう告げる雅樹に対し、咲彩が額を擦りながら、

「ううぅ……。そうかもしれないけど、反応早すぎない……?」

 と、恨めしそうな声で問いかける。

 

「……実は、ちょっとだけ自分を加速させた」

「うわ、ずるいっ! チートだっ!」

「瞬間移動して来るような奴に言われたくないわっ!」

 ふたりがそんなやりとりをしている間に、紘都と鈴花が校門を乗り越えて来る。

 そして、

「そんな所で夫婦漫才なんてしてないで、早く行くよ」

 という突っ込みを入れる紘都。

 

「「夫婦漫才じゃないっ!」」

 などと返す雅樹と咲彩だが、息がピッタリすぎて説得力ないな。

 

「……まあ、大雨だから問題ないとは思うけど、出来れば静かにね? もし誰か――黒志田という教師とかがいたらバレかねないからね?」

 と、そうため息混じりに注意する亜里沙。

 それに対して、雅樹と咲彩はというと、

「す、すまん」

「ご、ごめんなさい」

 とまあそんな感じで、謝罪の言葉も同時に発した。

 

 故に、本当に息がピッタリだなぁ……と、そう思わずにはいられない俺だった。

次回から校内です!


そして、その次回の更新ですが……平時通りの間隔となりまして、10月17日(月)を予定しています!

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