第43話 魔法の資質を測定しよう
「それが魔法の資質を調べる道具か?」
「なんだか良くわからない紋様が描かれた板って感じだねぇ」
雅樹と鈴花がそんな風に言ってくる。
「ま、これで測定出来るとは思わないよな、普通」
そう言いながら、それをテーブルの上に置く俺。
「このプレートに手を触れるだけでいいんだが、誰からやる? ちなみに俺の推測ではあるが、少なくとも全員なんらかの資質はあると思う。だから有無の心配しないでも大丈夫だ」
そんな風に俺が告げると、真っ先に手を挙げてきたのは咲彩だった。
「はいはいはいっ! ボクボクボクーッ! ボクが最初にやるよーっ! というか、やらせてーっ!」
……この反応の速さと食いつきの良さ、さすがはオカルトマニア……というべきなのだろうか?
それとも……心の奥底では少しでも早く友人たちを助け出したいと思っているのだろうか?
「あ、ああ。それじゃあ、そこに手を置いてくれ」
「これで七色に輝いたり、0が一杯並んだりしたら、どうしようね?」
「……いや、それはそういう代物じゃないから、そんな事にはならんぞ……」
わけのわからない事を言う咲彩にそうツッコミを入れている間に、プレートが白く発光する。
うーむ……。とりあえず今さっき思った事は、後者ではない気がするぞ……
「そのまま手を離さないで止まっていてくれ」
「了解だよ!」
俺の言葉に勢い良く発言しつつ、手をプレートに押し付ける咲彩。
……いや、別に押し付けなくてもいいんだが……
白、青、赤、黄、緑……と変わっていき、銀色の光になった所で変化しなくなった。
「銀?」
「光や幻といった物を主軸とする攻撃魔法や支援魔法、そして妨害魔法の資質だな。幻影で相手を撹乱したり、光の剣を生み出したり、光線を放ったり出来るぞ。光の強さ的に考えると、そこそこ高位の魔法まで使えるな」
首を傾げる咲彩に対してそう説明しつつ、俺は思う。
咲彩が謎の異空間から脱出出来たのって、もしかしてこの資質の力か……? と。
「光っ! いかにも勇者って感じだよ!」
「……あれ? 勇者って、光じゃなくて雷の魔法を使うんじゃなかったっけ……?」
「火も使えたりすっけど、光を使うのは……いねぇ気がするな。まあ、『閃熱』は光だと言えなくもねぇが……どう見ても火だよなぁ、アレ」
「勇者というよりは、白魔法の使い手ですよね、光って。最近の白魔法の使い手は、回復魔法や支援魔法だけじゃなくて、攻撃魔法もかなり使えますからね」
咲彩の発言に対し、鈴花、雅樹、そして舞奈がそんな事を口にした所で、それを見ていたかりんが、呆れた表情で、
「……あなたたち、一体何の話をしているのよ……」
と言った。
……こちらの世界に来てから、幾つか『それらしいものを遊んだ』のでなんとなくわかるが、敢えて言うまい。
というわけで、俺はその話には触れずに告げる。
「まあ……それは置いといて、とりあえず他の面々も測ってしまうぞ。次は誰だ?」
「んじゃあ、次は俺がいくぜ!」
そう言いながら、既にプレートの前にスタンバイしている雅樹。
やる気満々だな……
はてさて、雅樹は何の資質があるのやら……
雰囲気的には火とか風とか雷とかの攻撃魔法や身体強化魔法な感じがするが、割と想定外の資質だったりする事もあるからなぁ……
あの火(にしか見えないエフェクト)の呪文、最初は雷の呪文だったんですよね……何とは言いませんが。
最近のヒーラー(回復役)って、攻撃魔法を連射する人でもあるんですよね……何とは言いませんが。
まあ……回復魔法は、アンデッドに対しては攻撃魔法ですからねぇ、元々。
とまあ、それはそれとしてまた次回!
そして、次の更新なのですが……先日記載した通り、所々諸々の用事があります都合で、申し訳ありませんが平時より1日多く空きまして……10月3日(月)を予定しています。
※追記
誤字を修正しました。




