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第38話 謎の人物について

 他に生徒や教師の姿がまったく見られない校舎に、ひとりで留まっているその若い男性についてはかなり気になるものの、現時点でそれ以上調べるのは難しい。

 写真は撮影してあるし、これでとりあえず十分だろう……と考え、俺は隠蔽魔法を維持したまま飛行魔法で学校を後にする。

 そして……念には念をという事で、近くの駅の裏手に新たにゲートを作ると、そこから旅館に戻った。

 

 駅の裏手で新たなゲートを作る前に魔法で周囲を確認してみたが、誰かに追跡されているような感じはなかったので、完全に撒いたと思って良いだろう。

 雨がかなり降っている事もあり、視界が悪いのも幸いした……と言った所だろうか。

 しかし、あの男性……結局こちらを見失ったものの、どうやって俺があそこにいるという事に気づいたのだろうか……?

 まあ、単に隠蔽魔法を使う前に姿を見られただけという可能性も、十分に考えられはするが……

 

 なんて事を考えつつ旅館の中を歩いていると、

「あ、戻ってきたんですね」

 という声と共に、舞奈が正面から歩いてきた。

 そして、

「――咲彩さんの学校にゲートを作って来られましたか?」

 と、明らかに確信をもった言い回しで問いかけてくる。

 ……さ、さすがというべきだろうか……

 

「あ、ああ。学校にゲートを作っては来たが……あそこを使わずに、少し手前――駅の裏手のゲートへ飛ぶ方が安全そうではあったな」

「……? 学校で何かあったんですか?」

 俺の説明に首を傾げてみせる舞奈。

 まあ、さすがにそこまでは分析出来ないよな。


「ああ。ゲートを作った際に、遠くから俺の居る方へ視線を向けている男性がいた。まあ、隠蔽魔法の効果で俺の居場所は見失ったみたいだったが……だからと行って、その場所に不用意にゲートを開いて行くのは、さすがに危険すぎるというものだろう」

「なるほど……それはたしかに危険ですね。というより、その男性が何者なのか気になりますね……。昔であれば宿直として誰かが校舎内に残っているのは別におかしくはない話ですが、今はもう完全に廃止されていますからね……」

 俺の説明を聞いた舞奈が、そんな風に言ってきた。


 ふーむ……。理由は良くわからんが、昔は教師などが夜間に学校の番をするって概念があったみたいだな。

 と思いながら、俺は舞奈に対して頷いてみせる。

「そうだな。今回の件に何か関係している人物なのではないか……と、俺はそう思っている。なにしろ、その男性が居た場所は図書室っぽい場所だったしな」


「図書室……ですか。つまり……その人が司書さんで、意図的にあの本にラベルを貼ったか、もしくはあの本の著者である……いえ、年齢的に考えると著者という可能性はありませんね。著者と何らかの繋がりのある人物であるか……ですね。まあ、どちらにしてもあの本に『本物』が記されている事を理解しているのは間違いなさそうですが……」

 舞奈にそう言われ、俺はふと思う。

 あの本に記されていた例の儀式が『本物』である事を理解出来るような人物であれば、俺が魔法を使った事に気づけてもおかしくはないのではないか……と。

 もっとも、隠蔽魔法を看破出来なかった事を考えると知識か技術のどちらか、あるいはその両方が不完全なようではあるが。


 ともあれ……だ。仮にそうであるのなら、不完全とはいえ、そんな知識や技術をどうして有しているのか――どうやって得たのか、というのが気になる所ではあるな……

今回の話は、なんとなく状況整理的な会話で終わってしまった感が……


ともあれ、そんな所でまた次回!

次の更新は、明後日(9月19日(月))を予定しています!

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