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第34話 奇妙な本、奇妙な謎

「ブルル? どうしたブル?」

「あ、うん、ブルルン、このページなんだけど……『うらない』って書いてあるでしょ? でもこれ、どう考えてもそんな感じじゃないよね?」

 ブルルンの問いかけにそう返してくるセラ。

 それに対してブルルンも、

「うーん……なるほどブル。たしかに、どう見てもこれは違うブルね……」

 と、そんな風に言う。

 

 どれどれと思いふたりの見ている49ページとやらを覗いてみると、そこには『とある寒村にて、口伝のみで継承されてきた占い』という題が記されており、さらにそれっぽい記述がされていた。

 だが、セラとブルルンがそろってそれを占いではないと否定した通り、それは占いとは似ても似つかない代物――呪法の類だった。

 

 こちらの世界の術式なので、詳細はしっかり調べてみないと分からないものの、向こうの世界の呪法と良く似た構造であるのは見てすぐに分かった。

 そして……構造が似ている以上、発動する効果もまた『似たもの』――つまり、呪詛の類となるであろう事は、容易に想像がつくというものだ。

 

 そして……それを裏付けるかのように、俺と同じく本を覗き込んでいたかりんが、

「そうね。これのどこが占いなのよ……。ここの所のこれなんて、どう見ても呪言じゃないの……」

 なんて事を人差し指でその場所を示しつつ言ってきた。

 

「ああ、それはやっぱり呪詛の類なのか。その横にある方陣が俺の知っている『呪法』の術式にそっくりだったから、そんな感じはしていたが……」

 かりんに対してそう俺が返した所で、

「この本の著者が、『まじない』と『うらない』を勘違いした……といった所でしょうか? これまでの記述からすると、魔術や呪術といったものに詳しいようには思えませんし」

 と、そんな推測を口にしてくる舞奈。

 

「ま、『本物』を知っている人間は、何も知らない人間が術式を暴発させてしまった時の危険性を考えたら、こんな本を書いたりしないだろうしな」

「そういうものなの? というか、この本ってどこの誰が書いたものなの?」

 俺の言葉に続く形でそんな疑問を口にする鈴花。

 

 ああ、そういえばそれを確認していなかったな……と思い、改めて本を見回してみるが、本来ならあるべき『それ』がどこにもなかった。

 

「……あれ? どこにも出版社名の表記がないですね……?」

「そうだな……。というか著者の表記もないぞ……?」

「うーん……。しっかりとした装丁がされているし、個人で出版した……とかなのかな?」

 舞奈と俺の発言を聞いた紘都が、こめかみに人差し指を当てながらそんな風に返してくる。

 

「それは十分あり得る話だね。もっとも、著者名すらないというのが良く分からないけれど」

 亜里沙が腕を組みながらそう言うと、

「著者の記述すらない怪しい本が、どうして学校の図書室にあったんだろうね?」

 という新たな疑問――根本的な疑問ともいうが――を口にする鈴花。


「誰かがこっそり置いた……とかか?」

「でもこれ、背表紙に分類番号の記されたラベルがしっかりと貼られているわよ?」

 雅樹の推測に対し、かりんが背表紙を見ながらそう告げる。

 ふむ……たしかにラベルが貼られているな。


「司書の人がこっそり置かれていた物だと気づかずにラベルを貼った……とか? それ、貸し出しカードがないんだよね、実は」

 なんて事を言ってくる咲彩。

 そして、それを聞いてたセラが、

「……そんな事ってあるのー?」

 と言って、人差し指を口元に当てながら首を傾げた。

 

「司書の方が『著者』とかだったらありえますね」

「そうね。たしかにそれならありえるわね。……それにしても司書って言われると、なんとなくあの一件の事を思い出してしまうわねぇ……」

 舞奈の言葉に頷きつつ、そんな事を言ってやれやれと首を横に振るかりん。

 

 ……たしかにそう言われると、なんとも妙な繋がりだなぁ……

 さすがに無関係だとは思うが……

さて、どうなのでしょう……?(何)


といった所で、また次回! 

次の話は割と出来ていたりするので、明後日(9月12日)更新でいけそうです。


ただ……その次は諸々の都合で現在の1日置きペースではなく、

平時の2日置きペースに戻る可能性が高いです……

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