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第28話 山の中にあったもの

 既に問題はなさそうだったが、念の為もう少し様子を見る為に、咲彩には旅館に残って貰う事にした。

 雅樹と、改めて呼び出したブルルンにも旅館に残って貰っているので、何かあればすぐに分かるし、対処も出来る状況だ。


 というわけで……それ以外の面々で、咲彩を発見した大きな木の先――山へと続く階段の先へとやってきた。

 とはいえ、この先に神社が存在している事もあり、舗装こそされていないもののしっかりと人の手によって管理されている事がわかる道が続いており、気分的には単なる散歩に近い。


「うーん……。僕にはどこからどう見ても、普通の山にしか見えないなぁ……」

「うん、普通の山だねー。もうウニョーンとしたものはまったく感じられないし」

 周囲を見回しながら呟く紘都に頷きつつ、そう答えるセラ。


 ここでウニョーンとしたものを感じられたら楽なんだが、さすがにそうはいかないか。

 なんて事を思いながら歩いていると、 

「あ、あれが神社かな?」

 と、鈴花が正面に見えてきた建物へと、額に右手を水平に当てながらそんな風に言った。

 そして、舞奈がそれに対して肯定の言葉を返す。

「ですね。小ぢんまりとしていて誰かが住んでいるような感じではないですが、しっかりと手入れはされているようで、きれいですね」


「うーん……特に不審な霊力とか妖力とか、そういうのは感じないわね」

「ああ。むしろ神聖な力――霊的な守護の力を感じるくらいだ」

 俺はかりんに頷いてみせながら、神社以外の場所――周囲を探ってみる。

 だがしかし、これといって何も感じられない。実に平穏な山の光景があるだけだ。

 

「小さいながらも、これだけしっかりとした霊的な守護が施された神社であれば、怨霊の類は近づくだけで弾き飛ばされるだろうし、この辺りには咲彩は来ていないと考えた方が良さそうだな」

「そうね。となると……もうちょっと手前に何かあるのかしら……?」

 俺の説明を肯定しつつ、かりんが首を傾げる。

 

「でも、ここに来るまでに道以外何もなかったような……」

「そうね。幽霊の類もいなかったわ」

 鈴花の発言に対し、同意と共にそんな事を告げるかりん。

 

「そ、それは、いたらいたで困りますけどね……」

 かりんの言葉に、ちょっとだけ顔を引きつらせながら舞奈がそう返すと、紘都がそれに続くように、

「ま、まあそうだね……。でも、幽霊はともかく何もないとなると……道から外れた場所……とかなのかもしれないね」

 という推測を、腕を組みながら言ってきた。

 

「たしかにその可能性は高そうだな。ただ……何の目印も情報もなく山林を歩き回った所で、『出口』となるような何かを発見出来るとは思えないしなぁ……」

 顎に手を当てながらそう俺が言うと、舞奈が山林へと顔を向け、

「そうですね……。さすがに広すぎるというものです。足跡とかが残っていればいいんですが」

 と、そんな風に言う。

 だが、残念ながら足跡は既に魔法で探り終わっており、残っていない事が確認済みだったりする。

 

「ウニョーンとやらの残り香……みたいなものってないのかな?」

「残り香って……。でも……言われてみると、あれ程の呪力なら、なんらかの残滓があってもおかしくはないかもしれないわね」

 鈴花の『残り香』という言い回しはあれだが、たしかにかりんの言う通り、残滓の類が少しくらいあったとしてもおかしくはない。

 

 というわけで、前に学校で千堂璃紗――『魂の欠片』の残滓を追った時のような感じで、魔法を使いつつ探ってみる。

 

「うーん……。それっぽいものもない……と思うなぁ……」

 そんな風に言ってくるセラに対し、

「……たしかに残滓すらなさそ……ん?」

 と、同意しようとした所で、本当に僅かだが妙な『揺らぎ』を感じとった。

 それは、俺がゲートを生み出す際に生じる空間の『揺らぎ』のようなそんな代物で、魔力でも霊力でも呪力でもないが……それゆえに、なんだか少し気になるな。

 

「こっちの方に『気になる揺らぎ』があるな……。ちょっと行ってみるか」

 そう皆に告げて道のない山林へと慎重に分け入ってみると、しばらく進んだ所で細い道のようなものが見えてきた。

 

 ……? どうしてこんな所に道が?

 例の木の所から神社までの間に、分かれ道なんてなかったはずだが……

やや長くなってしまいましたが、ここ以外に区切れそうな場所がなかったので、ここまで進めてしまいました……


といった所でまた次回! 次の更新は前回同様、結構出来ている事もありまして、明後日9月1日(木)を予定しています!

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