第24話 話を聞いた鈴花と紘都
「あのお吸い物、美味しかったよね。まさかウニとアワビが入っているとは思わなかったよ」
と、朝食についての感想を口にした鈴花に、かりんが頷いてみせる。
「そうね。乳白色の汁の中に何か沈んでいると思ったら、ウニだったし。さすがに想定外だったわ」
「朝から高級すぎました……。ちなみにあれ、元々は三陸の方で生まれた食べ物らしいですよ」
「え? そうなの? 三陸って大分遠いわよね……? もしかして、私たち用に無理して作ったのかしら……。ウニもアワビも高いわよね……?」
舞奈の話を聞いたかりんが、顎に手を当てながらそんな風に返すと、
「そうだね。その可能性はゼロではないかもしれないね……。昨日の夕食もそうだったけど、なんだか妙に豪華な感じがしたし」
などという同意の言葉を紡ぐ紘都。
たしかに昨日の夕食も今日の朝食も、宿泊費を超えているような気がしないでもないな……
大丈夫なんだろうか……と、少し思わなくもない。
「お礼だとしたら、ちょっと貰いすぎな気がするよ……。私たち、大した事してないし」
「正確にはかりんとセラちゃんと成伯さんと緋村さんを除いた……ですけどね」
舞奈が鈴花に対してそう返すと、鈴花がちょっと憤慨気味に、
「ああっ! 折角考えないようにしてたのに話をそっちに戻さないでよぉ!」
なんて事を言った。……おいこら。
「……たしかに朝飯はうまかったが、現実逃避すんなと」
と、腰に手を当てて呆れ気味に言う俺。
もう紘都と鈴花にも話をしておいた方がいいなと思い、きっちりと説明したのだが……
まあ……その結果、鈴花がポカーンとした表情のまましばし硬直した後、唐突に朝食の感想を口にし始めた感じだ。
「でも、普通はあんな説明を唐突にされて、はいそうですかって理解して納得する方が珍しいわよね」
「……そう言われると、たしかにそうかもしれないな。月城や雅樹のように、サラッと理解して納得する方が特殊といえば特殊な感じだ」
かりんの言葉になるほどと思いつつ、そう返す俺。
「いやまあ……私は緋村君のように、一瞬で理解したわけではないですけどね……。納得は一瞬でしましたけど」
「納得は一瞬でしたのね……。でも、雅樹のあれは驚きの理解力……というより、圧倒的な適応力って感じだったわね……」
舞奈に対して呆れ気味な顔を向けつつ、そんな風に言うかりん。
そして、それに続くようにして、
「うん、雅樹はレアすぎるかな……?」
と、言って肩をすくめてみせる紘都。
「まあ、雅樹は咲彩の影響が強いとかそんな事を言っていたけどな」
「あー……そういう事なのかぁ。なんだかちょっと納得したかも」
俺の言葉を聞き、何やら妙に納得げな表情をする紘都に、
「……ってか、紘都は既にこう……結構納得している感じだよね?」
という問いの言葉を投げかける鈴花。
「あ、うん。まあ、その……たしかになんというか、説明されるとたしかに色々と納得出来る所があるのは、たしかかも……。弓道場での一件とか……あんな矢の軌道、今思えば魔法を使っていたからこそって感じがするし……」
と、額に手を当てながらそんな風に答える紘都。
うーん……。これはあれか? 納得はしているが、まだ理解が追いついていない、あるいはまだ動揺が少し残っている……といった所か? なにしろ、『たしか』と3回も言っているからな……
まあでも、紘都の方は弓道場での一件とかで何度か俺の魔法を実際に目にしているからか、鈴花よりは『状況を受け入れている』感じではあるな。
いや、鈴花もあーだこーだとこんな会話をしている時点で、概ね『状況を受け入れてはいる』んだとは思うけどな。
ただ、こう……ちょっとどう反応すれば良いのか、どう対応すれば良いのかって所で迷っているとか、そういった感じなんじゃなかろうか。
……もっとも、そうなる発端というか原因を作ったのは俺なんだけど……
紘都の発言を聞きながら、そんな『お前が言うな』的な思考を巡らせる俺だった。
……実はこの辺りの話、本来は1話で終わる想定だったのですが、またもや想定以上に長くなってしまった為、これまたまたもやな話であれですが、一旦途中で区切りました……
続きは明日(8月24日(水)に)更新する予定です! 結果的に3日連続更新という事に……




