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第4話 幽霊少女とホムンクルス

今回も若干長めです。

 ――というわけで、鈴花の家……洋食屋の手伝いを最後までキッチリ片付けた後、俺は桜満に電話をして、幽霊少女セラフィーナについて説明する。

 もちろん、俺がやろうとしている事も含めて、だ。


『……なるほど、ホムンクルスを生成して、それを霊体――魂の器とする……と』

 話を聞き終えた桜満が納得したようにそう言ってくる。


「ああ、そういう事だ」

『ふーむ……。たしかにそれなら擬似的にではあるものの、肉体が復活するわけだから、触れる事も可能になるけど……『奴ら』が使っていた技術を使うという所に、少し抵抗があるね……』

 と、桜満。


 抵抗があるのは、異形化の懸念かそれとも禁忌的な部分だろうか……?

 俺はそう思いながら、桜満に向かって告げる。

「色々調べて、『普通に使えば』異形化したりはしない事は判明しているから、問題はないはずだ。……少し禁忌的な部分があるのはたしかだが、そこは目を瞑るしかないな」


『――まあ……クローンを作るわけじゃないから、禁忌的な面としてはまだマシだけど……。……うーん、今回だけ特例措置という事でいこうか。僕としても話を聞かされたら、さすがにノーとは言いたくないし。法的にも今はまだアウトではないし』

 しばしの沈黙の後、桜満がそう言ってくる。

 それに対し、かりんと舞奈が、

「……『法的にアウトではない』というのは、単に『そんな状況を想定した法が存在しない』だけなんじゃないかしら……」

「ま、まあ、たしかにそんな気しかしませんが、この際そこはスルーしましょう。大事なのはセラちゃんの肉体を復活させる事ですから」

 なんて事を小声で呟いた。

 ま、俺もふたりと同じように思ったけどな。


「――それで、いつどこへ行けばいい感じだ? ホムンクルスを生み出す装置ってどこかへ移したんだよな?」

『ああうん、今からメッセージアプリに送る場所へ来てくれないかい? 僕もすぐ行くよ』

「わかった」

『それじゃ、一旦切るね』

 桜満がそう言って電話を切ったその十数秒後、メッセージアプリに印の入った地図の画像が送られてきた。


「ここって……」

「あの千堂璃紗って子が異形化して暴走した病院ね」

 横から俺のスマホを覗き込んできた舞奈とかりんが、そんな風に言う。

 まさか、あそことはな……。いや、ある意味適切……なのか?


                    ◆


「まだ爪痕が残っているブルね……」

 病院前で桜満と合流し、共に病院に入ったところで、ブルルンが壁を見ながらそんな風に言ってくる。

 ちなみに、既に夜遅い事もあり、舞奈とかりんには先に家に帰って貰った。

 

「まあ、なんだかんだで結構壊されたからねぇ……。そんな異形を相手に余裕で回避し続けられる、キミやかりん君はさすがとしか言いようがないけれど……」

 舞奈に対してそんな風に言いつつ、俺を見る桜満。

 

「そりゃ単に屋外で動きやすかったからだ。もし屋内だったら、多分そこそこ苦労したと思うぞ」

「……それでもそこそこなんだね……」

 俺の言葉に、桜満がやれやれと言わんばかりの表情で肩をすくめる。


 ま、戦闘経験の差もあるんだろうな。

 向こうの世界で魔王の軍勢を相手にするのなら、あのくらいの攻撃を回避出来ないようじゃ、すぐに死ぬだけだし。

 

 そんな事を思っていると、俺に後ろについてきているセラフィーナが、

「ところで……ここは? 病院?」

 と、もっともな疑問を口にしてきた。


「一応そうだが……それだけじゃなくて、研究や実験を行う施設でもある……んだったよな?」

 俺はセラフィーナの問いかけにそう返しつつも、確認の為に桜満の方へと顔を向ける。


「そうだね。だからこそ、ここにホムンクルスを生み出す装置を移設したんだしね。もちろん、ホムンクルスをむやみやたらに生み出すつもりじゃなくて、あくまでも研究用にだけどね。――皆のお陰で、いい感じにホムンクルスの情報は手に入ったけど、実際のプロセス……生み出すまでの工程に関しては、まだ一度も試していないような状態だし」

「……って事は、今回が初になるってわけか……。――大丈夫そうなのか?」

「うーん……生成の方法についてはバッチリだけど、正直言うと、『あとはやってみるしかない』というのが本音だね。出来れば、魔法で良い感じにサポートして欲しい」

 桜満が俺の問いかけに対し、そんな風に答え、俺とセラフィーナの居る方を交互に見る。

 視えてはいないらしいが、そこに『居る』のは感じ取れるそうだ。

 

「……分かった。装置の仕組みは既に調べた時に理解している。あとはどういう魔法を使えばいいか……だな」

 そう呟きながら、無言でついてくるセラフィーナを見ると、セラフィーナは少し不安そうな表情をしていた。


 ここで失敗したら、大魔道士の名が廃るというものだな……


 俺はそんな風に思い、

「――俺に任せろ。必ず上手くいくようにサポートしてやるさ。セラフィーナのためにもな」

 と、敢えて自信満々な顔でセラフィーナに向かってそう告げる。

 そして、どういう風に術式を組み合われば、あの装置で安全なホムンクルスを確実に生み出す事が出来るのだろうか……と、頭をフル回転させ始めた――

どうにも上手く区切れる場所がなくて、思ったよりも長くなってしまいました……


といった所でまた次回!

さて……次回は1週間後……ではなく、少し早めで、6月21日(火)の更新を予定しています!

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