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ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL1 異世界の大魔道士、高校生になる part2
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第141話 赤き力

「――何者かと言われても困るが、敢えて言うならば、こういった『事件』を解決する為の組織に属する者……とでも言えばいいだろうか。特にその魂の欠片――破壊神の残滓に関わる場合の……な」

「魂の欠片……破壊神の残滓……。なるほど、『赤き力』に関わる者……否、『赤き力』を封じ、滅せんとする者――欧州のホムンクルスや人体改造の研究や実験を行っていた施設を尽く潰した国家権力の狗……というわけか」

 俺の説明にそんな理解の仕方をする黒野沢。

 

 ……? 直前にあれだけ憤怒の声を発しておきながら、急に冷静になったな。

 何か『ある』……のか?

 まあ、少し様子をみるとしよう。

 

「概ね間違ってはいないが、国家権力の狗ではないな。あくまでも個人の意志……いや、俺自身の目的で協力しているに過ぎない。あと、彼の地での施設の破壊に関しては、少々やりすぎたと思っているぞ。情報をほとんど得る事が出来なくなってしまったからな……」

 俺はそう言いながらため息をついて、肩をすくめてみせる。

 

 そして、手を左右に開いたまま、

「だから、今回はこうして直接乗り込んで来たわけだ」

 と、そう告げた。

 

「そんな事が出来るはずが……いや、そうか。貴様たちも『赤き力』を利用し、『魔術的、あるいは呪術的な力』を行使している、というわけか……」

「それは違う。お前が先程から『赤き力』などと呼んでいる魂の欠片。あれを使わずとも、俺は魔法が使える。ここに乗り込んできた他の者も同様だ」

 俺は黒野沢の勝手な解釈を正すべく、首を横に振って否定しつつ、そんな風に答える。


 まあ……亜里沙は魔法も術も使えないんだが、わざわざそこを修正するのも面倒なので、一纏めにした。


「魔法……魔術か。『それ』が実在し、正しい方法を用いれば実際に発動するという事は、錬金術の研究で判明している。そもそも、我が魂を『大津原』という偽りの身体へと移したのも、この国の言語が今の形に定まるよりも前の、旧い時代に生み出された術をベースにしているしな。だが、『赤き力』なしで行使出来るとは驚きだ」

 なんて事を言ってくる黒野沢。

 

 なるほど……魂を別の肉体――ホムンクルスへと、どうやって移しているのかと思っていたが、この世界の……というか、この国の旧い時代の術式を使っていた、というわけか。

 

 こちらの世界には、向こうの世界と違って、憑依や幽体離脱といった『霊魂を操る術』なるものが複数存在しているようだし、それらの何れかを用いているのだろう。

 ……しかし、向こうの世界にそんな魔法も術式も存在していなかったが、何故こちらの世界には逆にそれらがあるのだろうか……?

 

 いや……こちらの世界の魔法――様々な術式は、どれも覚えれば使える……というものではないものが多い。

 実際、俺でもこちらの世界の術式は、そのままでは発動させるのが困難な物が結構あるしな。


 ……って、まてよ?


 さっき黒野沢は「『赤き力』を利用し、『魔術的、あるいは呪術的な力』を行使している、というわけか……」と、そんな風に言っていた。

 もしかして、それらの術式というのは『赤き力』――つまり、魂の欠片を使う事が前提になっている……のか?


 だとすると、奴らの言う『錬金術』というのは……?

前の話のラストで激昂していたはずの黒野沢が、一瞬で冷静さを取り戻したような感じですが、果たして……?


といった所でまた次回! 次の更新は先日記載した通り、平時より1日多く間隔が空きまして、4月17日(日)を予定しています!

どうにか平時の更新間隔に戻したいのですが、なかなか難しい状況でして……

もう少し更新間隔が安定しない状態が続いてしまいそうです。申し訳ありません……

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