表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL1 異世界の大魔道士、高校生になる part2
146/503

第139話 バーサーク

「……なんだか舞奈が好戦的になっているような気がするんだが、一体、かりんはどんな術を使ったんだ……?」

 俺は近くのコボルトもどきとゴブリンもどきを斬り払いながら、かりんに問いかける。

 

「あー……えっと……あれは士気高揚効果を与える術よ。本来は足がすくんでいる人間の恐怖を取り除いて、気分や精神を高揚させる術――というか、ほぼ暗示なんだけど……まあ、舞奈の場合、何故か動きが凄まじく良くなって、好戦的になるのよね……」

 そうため息をつきながら答え、薙刀を振るって迫ってきたウェアウルフもどきを引き裂くかりん。

 

「士気高揚……暗示……。つまり、一種のバーサーク状態――狂戦士化しているって事なのか?」

 そんな事を呟きながら、俺は舞奈の方へと視線を向ける。

 すると、舞奈が大きく跳躍した状態から、短剣を上下に構えて縦に回転するのが見えた。


 ……まるで、舞奈自身が風車(かざぐるま)にでもなったかのような動きだな……


 なんて事を思っている間にも、舞奈は回転したまま勢いよく、1つ目の双頭の――頭がふたつあるサイクロプス……というのが一番近そうな――異形へと突っ込み、そのまま真っ二つに切断した。


 あの巨体を真っ二つとは……驚きだ。

 もしかして、魔法で膂力を高めた上で、更に武器の威力――刃の鋭さを増している……のか?

 

 舞奈の動きを眺めつつ、そんな思考を巡らせていると、俺と同じ様に驚いたらしいかりんが、

「あの手長足長を縦じゃなくて横に繋いだような異形を一撃って……」

 なんて事を呟くように言った。横に繋いだ手長足長……?

 

「手長足長ってのは、たしか……足の長い奴が手の長い奴を肩車しているような、そんな感じの妖魔だったか……? ふむなるほど、たしかに言い得て妙だな」

 と、言いながら頭がふたつあるサイクロプスもどきを見る俺。


 すると、そこに亜里沙が、

「ツインヘッドサイクロプスで良いと思うけどね」

 なんて事を言ってきた。実にシンプルだが、もっともな感じではあるな。


「――それもある意味適切な感じではありますね。ひとつ目の頭がふたつあるわけですし」

 亜里沙の発言に俺がそう返した所で、

「名前なんて何でも良いですよ。どうせ倒すだけですし!」

 などという言葉と共に、アラクネに接近したかと思うと、下から上へ駆け上がるかのような動きで短剣を連続で振るい、あっという間に倒す舞奈。

 

 ……いやいや、好戦的になりすぎだろ……

 なるべく倒さずに済むならその方が良い、なんて言ってたのはどこいった。

 まあ……一応こちらの会話が聞こえているので、完全な狂戦士と化している、というわけではなさそうだが……

 

「なんか、ちょっと周囲が見えていない様な気がするな……。というか、目についた敵に何も考えずに襲いかかっているような風ですらある」

 腰に手を当ててそんな風に言いながら、俺は舞奈に斜め後ろから迫るウェアウルフもどきに魔法の矢をぶつけて排除する。


「そうだね。成伯の言う通り、どうも視野が狭くなっているみたいだね。完全な興奮状態によって、目の前以外見えていない……いや、敢えて見ていない感じ……かな? サポートするとしよう」

「そうね。私もちょっと補助しようと思うわ」

 という声と共に、まるで示し合わせたかのように、それぞれ舞奈の左横と右横へと移動すると、左右の守りを固めた。

 

 ふむ……ふたりが左右を固めるのなら、舞奈に関しては――というか、この場に関しては問題はなさそうだな。

 なら俺は、あの3人とは違う動きをするとしよう。

かりんは、なんだかんだいって数百年前の人間なので、表現もそれっぽかったりします。

といった所でまた次回! 次の更新は4月10日(日)の予定です!


※追記

句読点を入れ忘れた所があった為、補完しました。

また、一部読みづらくなってしまっていた所があった為、読みやすくなる様、調整しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ