第136話 迎撃する者たち
予定よりほぼ丸1日更新が遅くなりました……
「ゴアアアァァァアァァァッ!」
「ギギェェェェエエエエェッ!」
「グルォオォォオオオォォッ!」
仕掛けを作動させて1分もしないうちに、魔物の咆哮が次々と聞こえてきた。
一瞬、再度隠蔽魔法を使ってやり過ごそうかと考えたが、既に感知されてしまっているので、おそらく見破られてしまうだろう。
「……倒すしかないね」
「そうね」
亜里沙とかりんはそう言うなり、先陣を切るように迫ってきた魔物へと駆ける。
少しでも舞奈に倒させないように……といった所だろうか。
無論、俺もその思いはあるので、即座に魔法の矢を放ち、舞奈の進路の先に居た魔物を吹き飛ばした。
「――エルマギオン!」
かりんがそう言い放ち、魔法で薙刀を生成すると、それを構えたまま、アラクネもどきの横をすり抜けた。いや、すり抜けざまに切り払った。
「ギッ!?」
アラクネもどきが短く驚きの声を発するも、その先に声は続かなかった。
なぜなら、真っ二つにされて床に転がったからだ。
「大型の異形を一刀両断とは……さすがというべきかな?」
なんて言いつつも、亜里沙はいつの間にか手にしていた短剣を振るい、ゴブリンもどきの首を掻ききり、床に沈めた。
「そっちもね。担任の教師といい、貴方といい、忍者の末裔か何かなの?」
などとそんな風に言うかりん。
「担任……? ああ、結城先生だね。あの人は元フリーの殺し屋だよ。ただし、殺すのは手に負えない悪党だけで、なんでもかんでも殺したりはしなかったようだけどね」
と、亜里沙。
ああ、そういえば過去経歴に『殺し屋』というのがあったが、そういう事だったのか。しかし、どうしてそれを生業としていた者が教師になっているのだろうか……
亜里沙なら知っているのではないかと思い、魔物を魔法剣で斬り裂きながら聞いてみると、
「うーん……その辺の経緯は私も知らないね。というか、多分本人以外は誰も知らないと思うよ。まあ、気になるなら本人に聞いてみたらどうだい? 教えてくれるかはわからないけどね」
なんて返された。
……そうは言っても、本人に聞いた所で、はぐらかされそうな気しかしないんだよなぁ……
「何か、心変わりするような出来事があったんでしょうね」
舞奈がそう言いながら、ハーピーもどきの足を掴み、そのまま床へと叩きつけた。
……は? 何だ今の……
あまりの光景に思考が停止する。
「あ、どうですか? 魔法の使い方! 結構上手くなったと思うんですが……」
俺の方を見てそんな事を問いかけてくる舞奈。
……あ、ああ、そうか……
腕力増強魔法などの強化魔法を重ねて使えば、そのくらい出来ても別におかしくはない事を思い出し、冷静さを取り戻す俺。
「たしかに上手くなってるな。強化魔法を重ねて使うとか、かなり魔法の扱いに慣れた奴にしか出来ない芸当なんだが……いやはや、さすがは舞奈と言うべきだろうか」
「ありがとうございます! まあ……この3日間は毎日、学校から家に帰ったら魔法の練習ばかりしてましたからね、ずっと。それはもう気絶するまで」
そんな事を笑って言ってくる舞奈。……ん?
……ちょっとまて、気絶するまで練習って何だ……
所用が思ったよりも長引いた為、更新が遅くなってしまいました……
次の更新は3月30日(水)を予定しています!
次は予定どおり更新出来るとおもいます。おそらくですが……




