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ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL1 異世界の大魔道士、高校生になる part2
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第130話 大津原の行方

「――というわけで、再度異形化した千堂璃紗は、どうにか元に戻した。異形化した原因も取り除いたから、おそらくもう大丈夫だろう」

「ご苦労様。即興で魔法を生み出してどうにかしてしまう辺りは、さすがとしか言えないね」

「かりんの符術と舞奈の模倣魔法のお陰でもあるけどな。それと……今の肉体は仮初――ホムンクルスであり、本来の肉体は既に白骨化してしまっているという問題は、まだ残っている」

「……まあ、そこは追々どうにかするしかないね。ちなみに、その事は伝えてあるのかい?」

「いや……さすがに伝えたらショックがデカすぎるんじゃないかと思って、何も言っていない」

 桜満の問いかけにそう答えると、

「そうだね。今はまだ言うべき時じゃないと個人的にもそう思うよ」

 腕を組みながら同意の言葉を口にしてくる桜満。


「はい、私もそう思います」

「そうね。何か良い方法が思いついたら伝えるべきだと思うわ」

 舞奈とかりんが桜満に続く形で、頷いてそう言ってくる。

 そして、そのままかりんが一呼吸置いてから、

「ところで……『黒幕』の大津原の行方について、何か掴めていたりしないの?」

 と、桜満の方を見て問いかけた。

 

「あー……。それなんだけど……まったく掴めてないんだよね……。というのも、あの周辺一帯の監視カメラをチェックしたんだけど、怪しそうな人物が全く見つからなかったんだよ……。もちろん、別人と化している可能性も考慮して、監視カメラに写っていた人物全てを速やかに調べてみたけど、全て間違いなく『本人』だったよ」

「……だとしたら、監視カメラの位置を把握していて、全て避けるように逃走したか、あるいはどこかに潜伏している……といった所かしらね」

 桜満のお手上げだといわんばかりの仕草と返答に、かりんがそんな推測を口にする。

 

「そうだな、俺もそれには同意だ」

 と、俺が言うと、桜満も当然のようにそう考えたらしく、

「そうだね。その可能性が高いと見て、捜索範囲を広げて捜索中だけど……現状としては、完全に見失ってしまっている状態だね……」

 なんて言ってきた。


 うーむ……。これは、思った以上に厄介な相手っぽいな……。どうしたものか……

 と悩んでいると、舞奈が、

「ちなみに……校長先生の方から、話を聞く事は出来た感じなのですか? 隠し部屋やその位置関係から考えると無関係ではないでしょうし、もしかしたらその辺りについても何か知っているのではないかと……」

 という疑問の言葉を桜満へと投げかけた。


「校長については、透真たちが学校の探索をしているちょうどその時間に、慌てた様子でどこかへ出かけたようでね。今、その足取りを追っている所だよ」

「ちょうどその時間に慌てた様子でどこかへ出かけた……?」

 桜満からの返答を聞いた舞奈が、復唱するかのようにそう呟き、何かを考え始める。

 

 大津原から何らかの方法で情報を伝えられて、自分の所にも捜査の手が伸びてくるのは間違いないと判断し、雲隠れを図った……といった所だろうか?

 

 そんな推測をした所で、舞奈が、

「ちなみに……司書さん――大津原が、私を殺した人物を殺害した理由については、何か判明していたりするのですか? 正直、あそこで殺害した理由がさっぱりわからなくて……」

 と、そんな言葉を再び桜満へと投げかける。

 

 ……うーん、『私を殺した』ってなんだか妙な言い回しだな……。いや、間違ってはいないんだが……

 

 などというどうでもいい事を考えていると、

「ああ、それは判明したよ。というのも、あそこの監視カメラは音も記録出来るタイプだったからね。カメラの映像を調べたらすぐだったよ」

 なんて言ってくる桜満。


「どんな理由だったブル?」

「大した理由ではないよ。単にあの殺害された男が、大津原が君に嗅ぎ回られている事を問題視して、スケープゴート兼口封じの為に大津原を殺害しようとしたが、逆に返り討ちにあった……というだけの話さ」

 ブルルンの問いにそう答え、肩をすくめてみせる桜満。


 ふむ……。たしかに大した理由ではないというか……いわゆる『場当たり的な犯行』という奴でしかないな。

 

「なるほど……。大津原からすると、殺害しようとしてきたから逆に殺害した……と、それだけなわけですか」

「そういう事だね」

「……だとすると、大津原は私とあの人物の双方について隠蔽する必要があるわけですよね。しかし、直前の行動や監視カメラから既にバレている以上、隠蔽は難しい……。となると、逃亡を図るという思考になるはず……」

 舞奈が顎に手を当てながら、何やら思考を巡らせつつ呟き始める。

 

「なのに、そのまま逃げるのではなく、わざわざ学校へ向かった……?」

 舞奈の呟きに、俺も引っかかりを覚えた。

 ……たしかに、どうして学校になんて向かったんだろうか?

 

 直後――

「……校長先生と大津原は、『同一人物』……なのでは?」

 などという、とんでもない推測を舞奈が口にしてきた。


 なん……だと……?

ようやく第1章ことSCROLL1の終わりが見えてきました……

正直、想定よりも大分長くなってしまっています……


さて、そんな所でまた次回!

次の更新は前回記載した通り、いつもより1日程間が空きまして……3月10日(木)を予定しています!

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