第121話 かりんの攻防
予定より更新が遅くなりました……
「それはそうだが……例の術なしで抑えられるのか?」
俺の前に立つ形になったかりんに、そう問いかける。
「うーん、なんていうか……あの術を使っていたら、なんとなく『魔法』の方もいけそうな気がしてきたのよ。……まあ、駄目だったら交代するわ」
俺に対してそんな風に言い、肩をすくめて首を横に振るかりん。
「そうか。ま、試してみるだけ試してみればいい」
俺はそう告げて、リンクを探る方に集中する事にした。
無論、危険そうならすぐに助けに入れるよう、かりんの動きにも注意しておくが。
――直後、かりんが迫る異形を待つ事なく、仕掛けにいった。
「……エル……マギオンッ!」
かりんが武器を生み出す魔法の名を発する。
そういえば、かりんにはその系統の魔法の資質があったな。
と、そう思った直後、かりんの目の前に大きな盾が出現した。
……って、盾……だと!?
この魔法、盾なんて生み出せたのか!
ま、まあ……元々、何が生み出されるかは術者のイメージ次第な魔法だったが……まさか、盾までとは……
って、いや、まてよ……? あれは一応武器……なのか? 刃がついているし、いわゆる乾坤圏と呼ばれる武器のような使い方が出来るな。
……もっとも、片手で持てるような大きさではないが。
俺が『リンク』を探りながら、心の中でそんな思考を同時にしていると、かりんはその大きな盾のグリップを両手で掴み、そのまま異形の射程圏内へと踏み込んでいった。
異形は当然の如く腕を伸ばしてかりんを捕まえようとする。
しかし、かりんはそれを盾でブロック。
盾が大きい上に外縁部には刃がある為、掴んで投げ捨てるような事は異形にも無理なようで、攻撃に合わせるようにして盾でガッチリとブロックしてくるかりんに対し、徐々に攻めあぐね始める異形。
むしろ、かりんが隙を突くようにして、刃の部分で反撃に転じているくらいだ。
まあ……残念ながら異形の方も、一瞬でその攻撃に反応してみせて、回避したりブロックしたりしている為、大きなダメージは与えられていないが。
ふーむ……。これなら異形の相手はかりんだけでも十分すぎるくらいだな。
こちらは少し『リンク』を探る方へと意識を強めるか。
そう思った直後、妙な違和感を覚える俺。
心臓の横から感じていた異形を制御していると思われる魔力の源……それが、別の場所から感じられたのだ。
念の為、先程『因子』――『魂の欠片』を感じた場所へ意識を向ける。
すると、今度は因子の存在を感じる事が出来なかった。
……まさか『因子』って存在は、その位置が固定されているタイプじゃなくて、移動するタイプ……なのか? だとすると、少しばかり面倒だな……
色々あって更新が遅くなってしまいました。日付を跨がなかったのは幸いですが……
といった所でまた次回! 次の更新は……2月8日(火)を予定しています!




